夜明けのすべて

著者 :
  • 水鈴社
4.12
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本棚登録 : 12840
感想 : 1085
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784164010013

感想・レビュー・書評

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  • パニック障害とPMS、主人公の二人が苦しんでいるこれらの病気のことを丁寧に言葉で描いてあるので、瀬尾まいこさんはきっとものすごくたくさん取材をされたのだろうと思いました。
    読者の近くにいるかもしれない(というより、いて当然の)苦しんでいる人への理解を促す啓蒙の書 という側面が強くあると思います。
    気持ちがあったかくなる良書でした。ありがとうございます。

  • 読後感がものすごくあったかい。これぞ瀬尾まいこさん。
    後半、自転車に乗るあたりから山添くんの心が急スピードで変化していく。あたたかい涙が止まらない。
    今まで読んだ瀬尾さんの作品の中で一番よかった。

  • 瀬尾まいこ、自身の「パニック障害」の経験を踏まえ…待望の新作は心温まる物語 | ananニュース – マガジンハウス
    https://ananweb.jp/news/322916/

    夜明けのすべて|水鈴社
    https://www.suirinsha.co.jp/books/detail1.html

    『夜明けのすべて』瀬尾まいこ | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784164010013

    • kurumicookiesさん
      猫丸さん、

      瀬尾まいこさんもまだ読んだことがなくて、読みたいなぁと思っている作家さんです。少しずつ範囲を広げていきたいと思っているのですが...
      猫丸さん、

      瀬尾まいこさんもまだ読んだことがなくて、読みたいなぁと思っている作家さんです。少しずつ範囲を広げていきたいと思っているのですが、、こちらも読んでみたいです。猫丸さんの本棚、読みたい作家さんがいっぱいです!
      2020/12/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      kurumicookiesさん
      欲深い化け猫ですから、、、
      kurumicookiesさん
      欲深い化け猫ですから、、、
      2020/12/23
  • めちゃくちゃ感動した!最後のページを読み終えたときに、涙腺がふっと緩んだ。
    PMSもパニック障害も、見た目は普通だし、発作以外は何ともないから、気づかれにくい。でもかなり辛い症状。そんなところをお互いわかりあえる関係が素敵だし、ひととひととの支え合いを思い出させてくれた一冊

  • PMSで月に一度イライラが爆発してしまう女性社員と、パニック障害を患い今の生活に限界を決めつけている後輩男性を巡る話。

    やる気がないと決めつけていても、人には人の事情があるかもしれない、という当たり前のことをゆるく思い出させてくれた。
    PMSやパニック障害については、個人差があるだろうからこの小説に出てくる症状がすべてだとは思わないけれど、知ろうとする気持ちを持ち続けるって大事だよな、と改めて思った。
    (カフェイン断ちをしている自分からすると、カフェインを摂らないようにしている二人がコーラで乾杯するシーンは、おや?と思ってしまったけれど。細かいところで突っかかってしまう自分がイヤですね…)

    個人的には、ボヘミアン・ラプソディの感動から、未視聴の人を置いてきぼりにして思いのまま映画の素晴らしさを伝えたくなる気持ちに共感した。
    もう少し人物に厚みがあればもっと素敵だろうな、と思うけれど、このあっさりしたあたたかさが瀬尾さんの良さなのだろうな。

    P. 263
    パニック障害が完治しても、仲間と集まったり、あちこちに出向いたり、前と同じようなことをしたいとは思えない気がする。何一つ迷いなく生きていたはずなのに、あのころの自分に戻るのはどこか違っている。だったら、今の俺はどんな人間であるのだろう。

  • 優しくて、希望を見せてくれるお話でした。

    私はPMSの症状で、生理前の1週間精神的に落ちてしまうことがよくありました。
    何もしたくなくて、家に帰って座ったが最後床から起き上がることができなくなります。
    なぜか涙が溢れてきて、なんで生きてるんだろって考えることは日常茶飯。

    このままでは仕事に支障をきたしかねないと思い、ピルに頼り始めました。
    それでも、自律神経が乱れている時は以前のようにしんどくなってしまいます。

    生理もPMSも症状は人それぞれで、個人差が大きいです。

    私の悩みなんて、美紗や山添くんに比べたら大したものではない。
    それでも、瀬尾さんが見せてくださった世界に私も救われる思いでした。
    登場人物もれなくみんな素敵すぎますよ。


    They overstepped each other and crashed their common sense.
    He remembered what he liked.
    She realized that she likes making people happy.
    Don’t you think that’s a lovely thing?

  • PMSやパニック障害など、まだ世間一般にはあまり理解されていない病気に悩む2人の若者。
    プライベートや仕事にまで影響が出るこの病気。1人では解決が難しいことも2人が協力することで自分たちが生きやすい方法を編み出していく。

    この2人の働く環境も温かいし、山添くんの元上司も温かい。他者の欠点には寛大に、そして他者の幸せをそっと願えるような人に私もなりたい。

  • カバーそでに登場人物の病名が書かれていて
    「暗い話かな…」と後回しにしていました。

    でも、とても面白くて、笑いながら読みました。
    私は、こういう病気は薬でなく体を動かして直すのがいいと思っています、勝手ながら。

    この本を読んで同じ病気を克服できた人が
    いればいいな。

  • 瀬尾まいこさんてどんな人だろう
    こんなにやさしくPMSやパニック障害について
    書けるなんて

    単に我儘と思われたりする障碍
    生きづらさを抱える人に自然に寄り添う人たち

    物語は重いタッチではなくサラサラと進んでいく
    そこがいいんだよねえ

    次の作品も期待します

    ≪ 夜明け前 一番暗い でもひかり ≫

    • アールグレイさん
      はまだかよこさん、初めまして。瀬尾まいこさん、いいですよね!今度は「その扉をたたく音」です。ご存じでしょうが。私は、図書館にリクエストしてあ...
      はまだかよこさん、初めまして。瀬尾まいこさん、いいですよね!今度は「その扉をたたく音」です。ご存じでしょうが。私は、図書館にリクエストしてあります。(^^; 突然知らない人間から、ごめんなさい。フォロワーさんのフォロワーさんだったのです。私の本棚、見て頂けたら光栄です。
      2021/03/29
  • こういう穏やかな雰囲気ながらのんびりしすぎない作風が大好きです。
    お互いに病気(症状?)を抱えた2人が、「相手に何かしてあげられることは…」って自分のことより先に考えている感じが素敵です。
    特に『ボヘミアンラプソディ』を観た後に藤沢さんが山添くんの家に夜行ったシーンが良かった。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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