夜明けのすべて

著者 :
  • 水鈴社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784164010013

感想・レビュー・書評

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  • 映画のキャスト松村北斗と上白石萌音を思い浮かべがち。
    心の病気はレントゲンにも、CTにもMRIにも、
    血液検査の数値にすらも基本出ないですもんね。
    登場人物の視点も優しさにあふれてて、
    現状は辛いんだけど、ほっこりする物語。
    栗田金属めっちゃいい会社。
    というか、栗田金属の社員のいいところをちゃんとわかってる二人がいい子。
    いい人しか出てこない物語。

    心療内科の先生の、
    簡単に手に入れられる情報なんて、声の大きい人のものがほとんどですよ。

    って助言が好き。

  • 身体疾患と比べれば、
    パニック障害の苦しみはとか。
    パニック障害に比べれば、PMSなんて
    と、端から見るとそうなのかもしれないけど。
    人がもつ、不安って。
    人からどう見られてるか。とか
    どう見られたいのか。とか
    そんな堂々巡りでまた、落ち込んだり。そんなもんだよな。それが、生きにくさの原因になってたり。
    山添君に僅かな変化があって、
    階段でいうと、1段上ったくらいかもしれないけれど、
    それは、お先真っ暗だと諦めていた彼にしたら
    すごい変化。
    無意識に人に気をつかって疲弊してしまうような
    性格でも、例えば、もともとQUEENをよく聞いてたり、映画が好きだったように、仕事が好きだったり。
    好きな物があるっていうのは、
    人として強みだよね。QUEENのあの映画は
    私的に、人数合わせで入れてもらえた
    ライブハウスで演奏した、keep yourself aliveが
    かっこよかったよーと、ふたりの会話に参加したい気分でした笑

  • PMSで生理前にイライラして人にあたってしまう美紗とやる気が感じられない新入社員の山添君。彼はパニック障害だった…

    いつか見たツイートに「心の病はただの甘えだ」と書いている人がいた。そんな人に読んで理解してほしい。色んな理由で生き辛い人がいる事。

  • 栗田金属、いい会社だなぁ。
    PMS(月経前症候群)の美紗とパニック障害の山添くん。
    自分のことは置いといて、人のために何かできるんじゃないかと考え行動することでだんだん元気になっていくところがいい。今日を無事に終わらせようと考えていた2人が、明日は何をしようかと思えるようになってきたことがうれしい。

  • 重くなりがちな題材をこんな前向きな楽しい物語で読ませて下さって、これぞ瀬尾まいこさん!!て感じです。
    最高に面白かったです。ありがとうございました。

  • やっぱり瀬尾さんの書く話はとてもいい。
    読んでいると明日への希望が自然とむくむく湧いてくる。
    しかもこう言う明日への希望を書いた小説にありがちな説教臭さなんて全然ないし、むしろスラスラととても読みやす。
    なのに読んだ後は心が自然と暖かくなって、
    『あぁ、明日も頑張ってみようかなぁ…』
    とじんわり思える。
    名前だけは知っていたけど、詳しくは知らなかったパニック障害やPMSの事。
    もしかしたら他人には言えてないだけで、苦しんでる人が身近に居るのかもしれない。
    この本を読んでそう思える人が増えれば、少しでも救われる人達が居るのかもしれない。

  • PMS(月経前症候群)の主人公とパニック障害の男子の心温まる物語。サクサクと読め、PMS、パニック障害についての理解も深まる。
    図書館で、少し前に読んだ町田そのこさんの『夜明けのはざま』に似たようなタイトルを見て手に取りました。瀬尾さんは『そして、バトンは渡された』で本屋大賞(2019)を受賞されているので安心して読めました。

  • 藤沢さんと山添くん、二人が「働くこと」「暮らすこと」を諦めなかったからこそ出会えた栗田金属という会社。そこに、希望と憧れを覚えました。
    ひとりひとり、何かを抱えて生きている。それでも生活は続く。
    何かを諦めたり得たりしながらも、暮らし続けていけたらいいなと元気づけられました。

  • パニック障害の症状や生活のしにくさについてよく分かっていなかった。月経前症候群についても聞いたことがあるかな、程度で全然理解していなかった。
    身近な人がパニック障害や月経前症候群だったかもしれないとも思った。違ったとしても、症状にもグラデーションがあるはずだから、病気を理解する必要はある。
    この本を読むことで助かる人は少なくないと思う。たとえ、自身に症状がなかったとしても、周りの人への理解を示せるきっかけになる。病気の正体が少しでも分かれば、自分の心に余裕を持つことができる。

  • やっぱりすごいな瀬尾さんは。メンタル二人組の話でここまで勇気づけられるとは。いつもどおりに登場人物はみんな良い人ばかり。こんな人たちに囲まれて暮らせれば絶対に幸せになれる。なんか仕事したくなってきた。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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