秘密 (文春文庫 ひ 13-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.96
  • (4613)
  • (4351)
  • (3985)
  • (456)
  • (101)
本棚登録 : 42019
感想 : 3309
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110062

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自分の中では現時点で1番好きな小説。
    読みながらもモヤモヤしたりとウルっときたりと感情をとても揺さぶられた。読み終わった後しばらくなんとも言えない気持ちだった。

  • ラストを読んで、とても驚きました。
    展開がどうなるかを早く知りたくて、
    ページをめくる手が止まりませんでした。
    読む人、立場によって、感じ方が違うと思います。

  • 娘の部屋を漁ったり電話を盗聴したりするシーンは「うわ、父親ありえない、、」と思ったけど、藻奈美に対して父親として接するのか、はたまた旦那として接すればいいのか平介自身にも葛藤があったのだと思う。
    でも、結果的には父親としても旦那としても平介の人間性は素晴らしいなと感じた。

  • 私が生まれる前に刊行された作品にも関わらず、読みやすくて心に残る結末でした。
    題「秘密」の意味を最後の最後に知り、心が打たれました。

  • 事故によって妻を泣くし、娘は植物状態になった平介。娘が突然記憶を取り戻したと思ったら、中身は妻だった。妻として接すれば良いのか、娘としてなのか、平介は難しかっただろう。 娘の意識が戻ってきた時、妻に会えなくなり、寂しく感じる。しかし実際本当の娘は戻ってきていなかった。妻が妻としてでは無く娘として生きると誓い、娘になったのだった。 少し君の名は感がすると思った。また、最後の最後で本当の「秘密」は何なのか分かった気がする。 面白かった。

  • 星4か3か迷ったけど、3にします。
    読むのは2回目だが、また次に読んだ時には評価が変わっている予感めいたものがあります。

    ごく普通の3人家族に起こった悲劇と不思議な日々、非現実的だけれども妙なリアリティがあって違和感はほとんどありません。
    娘の身体に妻の魂が入るという状況で、主人公平介の性の悩みが度々持ち上げられている印象が強く、その部分の捉え方次第で本書の評価が左右されるのではないかと思います。

    中身が妻であるなら娘の身体であっても抱けるだろうか?
    これが一つのボーダーラインとして、静かにそして確かに鎮座し続けます。
    良くも悪くも割り切れない夫と妻(娘)の関係が続き、すれ違いを生む図式に読んでいてむず痒くなってしまいました。

    それでも物語のラストでは、ページを捲るたびにタイトルでもある「秘密」が明らかになっていき、物語に引き込まれました。

    妻の直子が決心した秘密は平介には知られてはいけない、それは夫を愛するが故であり、それを知った平介もまた妻を愛するが故に、秘密を秘密にしたままでいることを受け入れる。読了後は苦しくなります。

    また時間を空けて読んでみたいと思います。

  • 「今度新しく作る指輪の新婦のほうは、この指輪を材料にして作ってほしいというんだ。お母さんの形見だからといってね」

    この言葉を読んだ時、心を突かれた。

    妻、直子と娘、藻奈美が事故にあい、直子が死んだ。
    藻奈美は、幸い生き残ったが、目覚めたら体に宿っていたのは藻奈美ではなく、死んだはずの妻。

    最後に下した直子の決断。
    とても、苦しく辛かっただろう。
    だが、その決断は間違っていなかったと思う。

    良かった。

  • 星の数の基準です。
    ☆5:SNSや口コミを通じて、胸を張って人に勧めたい本。価値観や行動に大きく影響を与えた本。ずっと本棚に残しておきたい本。

    ☆4:積極的に人に勧めるほどではないが、価値観や行動を変化させた、読んで良かったという本。本棚に残す本。

    ☆3:そこそこ面白かったが、本棚に残すほどではない本。一応本棚に残しておいて、大掃除の時に売る本。

    ☆2: 一応最後まで読んだが、そこまで面白くなく得られることも少なかった本。すぐにブックオフに売る本。

    ☆1:読むに値しないと判断して途中で読むのをやめた本。この本に時間をかけるなら他のことをしたいと思える本。
    ********************

    後半、主人公 平介がバス運転手の「愛する人が最も幸せな生き方を望む」という生き様を意識してからは、ストーリーが怒涛の展開で進み、そこからはあっという間に読み終わってしまう。結末は切なく残酷で、読了後には虚しさが残ります。
    平介は、妻 直子の本当の幸せを祈って、娘 藻奈美として今後生きることを肯定し、直子も平介の思いに応えるように、この世から自分自身である「直子」を消して、藻奈美として生きることを決意します。
    最後の平介の涙は、どう言う意図が含まれていたのでしょうか?
    直子が自分ではなく文也と生涯を共にする選択に対する虚無感の涙なのでしょうか。
    どなたか教えてください。


    面白いので人に勧めたいですが、直子演じる藻奈美に平介が最後の最後まで気がつけないことにどうしても違和感があったため、星4つ。

    • さとかなさん
      最後の涙は様々な思いが含まれていると思います。直子が他の男性に取られたようなショックもあると思いますし、お互い想いあっていると分かるのに離れ...
      最後の涙は様々な思いが含まれていると思います。直子が他の男性に取られたようなショックもあると思いますし、お互い想いあっていると分かるのに離れざるを得ない状況への悲しみもあると思います。また、秘密にし続ける覚悟みたいなものも感じます。

      お互いのことを想うからこその秘密、切ないですね。
      レビュー共感しました。
      2021/01/10
  • 最後の最後がやっぱり良かった。映画も良さそう。

  • ラストが衝撃。
    東野圭吾ってやっぱりすごい!
    直子さん、素晴らしい女性だな。

    映画も見てみたい。
    2013年08月12日 23:54

  • 人と人が入れ替わる話は時々ありますが、
    この本は、それらの作品とは全然違うと感じました。


    登場人物の心理描写がリアルで生々しいです。
    自分が実際にそうなったら、、、と考えてしまいます。

    そしてラストに明かされる事実に、ゾッとしました。
    ハラハラする展開やストーリーの意外性は好きですが、
    少し生々しく暗い雰囲気の作品なので☆4です。

  • だいぶ前に読んだが、今でも強く印象に残っている。
    東野圭吾の作品で1番好きな作品。

  • 直子が言った
    「忘れないでね。」には、泣いてしまいました。
    藻奈美の中で直子は生き続けていると思います。

  • ★不思議なお話で途中悲しくなるけど、最後に感動する。

  • 非現実的ではあるのにどこか切なさと悲しさと一緒に過ごしていく様を描き、感動させてくれる。
    さすが東野圭吾先生‼︎

  • 彼女がクマのぬいぐるみの頭部を裁いて、結婚指輪を埋め込むシーン。
    これは身体は藻奈美で心(脳)は直子という彼女たち自身を表現していると思った。
    そして、終わりの彼女がぬいぐるみから指輪を取り出して新しい結婚指輪を作る場面は、藻奈美として新しい生活をスタートさせる決意とその根っこには直子の人格が確かにあることを感じさせた。良作。

  • 北村薫のリセットシリーズとかぶるけど好きな小説です。泣きたい人にはお勧め。

  • 初めての東野圭吾作品。正直、あまり合わなかった。まず、文体が好みじゃない。ちょっと上手な素人でも書けそうな文章で、最初の頃の作品ぽいからそんなものなのかな。■内容もいまいち…。よくある入れ替わりの派生バージョン。登場人物の心情の描かれ方があっさりで、もう少し苦悩を描いてもよいのでは。読者に任せるのは直子の分だけでよいと思う。■バスの運転手側の家庭事情についても、何の意味があったのかわからなかった。そして、いくらなんでもバスの運転手の息子とは結婚しないだろう。最終的にどうなるのかな?という興味で読み進めることはできたが、感情移入は全くできなかった。

  • とにかく驚いた。
    びっくりするほどつまらなかった。

    発想はすごく面白い。そして映画も面白かった。
    だからきっと面白くなるはずの物語だった。
    とっても期待もしてた。

    なのに!!!

    主人公の思考回路やその言動にまったく共感できず、
    不要なエピソードや背景描写が満載。
    つまらない本を読む苦痛を短くするためにだけ一気読みしました。

    あらためて思いました。
    東野圭吾はやっぱり発想だけで、文章や構成力は下手だ。
    もう読まなくていいや。

    • hs19501112さん
      【東野圭吾はやっぱり発想だけで、文章や構成力は下手だ】
      ↑↑↑↑
      この一文に、納得しました。
      興味深い設定、わりと感動できる“ストーリ...
      【東野圭吾はやっぱり発想だけで、文章や構成力は下手だ】
      ↑↑↑↑
      この一文に、納得しました。
      興味深い設定、わりと感動できる“ストーリー”な作品を、気が向いた度に買って・・・・・・・・これまで10作くらいは読んできましたが・・・・・・・なぜか、「好きな作家」と思えませんでした。


      発想力は認めるが、構成や文章力に不満
      ・・・・目から鱗、の思いです。

      胸につかえていたモヤモヤが晴れた気分です。
      2013/01/31
  • 最後泣けた。映像作品も観てみたくなった。切ない。

  • 令和6年4月

    20年近く前に、何となく見たドラマで、凄く心に残ってた話。
    それが東野圭吾さんの原作だったとは知らんかったなー。と思い手に取る。

    奥さんと娘がスキーバスの事故に巻き込まれて、運良く娘さんだけ助かる。が、娘の中身は奥さんだった〰️。
    そこから、旦那と、娘(奥さん)との生活が始まる。
    しかしね、ドラマで見た時から、時間が経ち、ちょうど娘がそんな年。え〰️、自分のこととして想像しながら読んでしまいました。どーする??
    娘なんだけど、奥さんなんだよー。
    旦那の人生もある。娘としての人生もある。
    でも、奥さんなんだよー

  • おすすめ度 ★☆☆☆☆
    感動度 ★★★☆☆

    ミステリーではなく、感動系の話が好きならオススメ。
    泣くまでは行かんけど、現実ではありえへん
    全て想像しながらの話。
    最後のオチで、今までの話をどう捉えるかは読者次第。 考えさせられる系の話

  • 20年くらい前に映画をさらっとみていてストーリーを知っていたので、原作を読んでなかった。
    読んでみると、なかなか面白かった。
    非現実的な設定をリアルに描いており、30から40すぎの主人公の心理が巧みで共感できた。

  • ほんとに辛かった。最初の方。報われなさすぎて。
    結局人が死んだら残るのはお金と美化された記憶だけなんだなと思った。
    最終的に、暗い暗いトンネルを抜け出してスッキリ終われた。

  • 平介と直子は、互いに想い合っていても、男女の仲にはなれず。直子は、早期に2人の関係が上手くいかないと悟り、受け入れたのだと思う。平介は心のどこかで気付いていたが、見ないようにしていたのだろう。
    一見すると、歪ながらも直子が平介と添い遂げればいいのだろうが、私としては(モナミが)幼少期には女性として見られず、夫の他の女性への好意が見て取れた事、長い間をモナミとして生き、青春がもう一度楽しめるチャンスがある事を考えれば、直子の心変わりも致し方なし。
    それでもやはり、後半の平介の悲しみ、やり場のない思いなどを想像し、涙が出ました。
    忘れられない作品になりそうです。

  • めちゃくちゃ好きな作品。
    この作品で東野さんの作品をもっと読みたいと思えた。
    すごく暗い話で、途中読むのが辛くなったが、最終ページで平介と共に自分自身も泣き崩れました。
    表紙のテディベアの人形がふたりの秘密。
    平介は失ってばかりで悲しかった...

  • 物語の最初からぐいぐいと読み進められる感じでした。最近読んだ本の中ですごくおもしろかったです。夫婦としてお互いに好きなのにずっと一緒にいることができなくなるなんてせつなすぎる。私なら前を向いて他の人と結婚するなんて選択できなそう。

  • 推理物、ファンタジー、ヒューマンドラマどのカテゴリーに入れてもめちゃくちゃ面白い作品です。

    ラストのあのシーンで平介が藻奈美でなく新郎を殴ろうとして、結局殴る事さえしなかったのが辛かった。
    あの瞬間に平介はまだギリギリのところで手放していなかったもの全てを失ったのだろうな。

    平介は小学校の美人担任教師に好意を寄せたり風俗に行ったりしていたが、最後にはやはり妻の事を思って行為に至る事もしなかったし、ずっと父親で居続ける覚悟も持っていた。
    それに対して直子は妻であり、母親でもあるよりも前に「若い女」として生きたいという願望が強くあったようだ。
    相馬には煮え切らない態度を取り、亡くなった娘の人格が戻った演技までして平介を騙す事までした。

    とっくに夫婦としての2人は終わってしまっていたとはいえ、信念を持って夫として生きていた平介に対してこの態度は不誠実でしょうに。
    平介モラハラ気質ではあるけども。手続きは出来なくても、ちゃんと離婚くらいしてあげてよ…。
    誰にも嫌われる事もなく、しかも好き勝手に生きたいという直子のサイコとも言える性質に私は身震いがする思いでした。

    多分読む人によって本当に受け取り方が全然違うのだろうなーと感じさせられるところも素晴らしい本でした!




  • 平凡に暮らしていた三人家族に突然訪れた不幸。突然妻の身体と娘の魂を失った男は男として夫として多くの葛藤を抱える。夫視点で書かれているが、妻であり母であり娘である少女の葛藤も節々に感じる切ない一冊。途中の主人公の嫉妬や葛藤に私はやや胸やけに似た感情を抱いたが、最後に2人が選んだ未来には納得できるような、そうせざるを得ないというような色んな感情を覚える。登場人物の2人が幸せならそれでいいのかもしれないが、一つ言えるのはこの作品を作っていただいたことに感謝しつつ登場人物をそんな運命に立たせた筆者に少し嫌な感情を抱いたということだけだ。

  • 交通事故で妻直子を失った平介と、奇跡的に生き残った娘、藻奈美の不思議な関係を描いた小説。男女の誠実な関係と性、嫉妬心など複雑になる心境を巧く描写しており、心が何度も揺れ動かされた。個人的に好きな終わり方ではなかったが、「秘密」という題が示す秘密を理解した時には鳥肌が立った。流石、東野圭吾。。

全3309件中 121 - 150件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×