- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167125097
作品紹介・あらすじ
稀代の名文家として名を馳せた著者が、「オール讀物」の巻末頁で書き継いだ随筆集。わずか千字の中に、故郷である東北の風土やそこで暮らす人々の肌合い、或いは亡き父母を慕う心根といったものが、すぐれたデッサン画をみるように確かな筆致で表現されている。短編の名手でもあった作家の本領が伺える一冊。
感想・レビュー・書評
-
著者の本は3冊目
原稿用紙3枚足らずに書かれたものとは思えないほどの物語がある。そして情景が目に浮かぶ。
読み進めて行くと様々な感情が涌いてくる。あるところでは思わず笑い声がでてしまったりとユーモアも感じさせながらもどれも暖かいお人柄が偲ばれる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一つひとつの話が素敵な物語。
読んでいて心が安らぐエッセイ。 -
丁寧に、丁寧に、短い文章、他愛もない日常のことが綴られていて、おそらく自分の身の周りでも起こっているであろうに、こうして読まないと気がつかない。
幼い頃、今を大切に思い、これからをゆったりとした目で見ていきたいと思う。 -
【確かで美しい日本語。名文家最後の随筆集】故郷に思いを馳せ、亡き父母を追慕し、日々の生活を静かに見つめる。肺腑にとどく名文の数々。確かで美しい日本語がここにある――。
-
いまは亡き人と、しみじみと語らうような時間がすごせる。やわらかく美しい、言葉の遣い手だったと思う。
-
著者三浦哲郎さんが雑誌『オール讀物』の巻末ページで連載していたエッセイの中から特に優れたものを集めた本です。
帯のところに『ここに確かで美しい日本語がある』と書かれていて、まさしく美しい日本語の文章を読むことができました。
そのページに割り振られているのが千文字だったということもあるでしょうが、装飾もなくシンプルに綴られていきます。
けれど、その行間に描かれている景色の色彩を感じることができました。
エッセイの内容は、東北に住む母の思い出話や自身の日常についてのことで、読んでいると少し前の平和で温かい人間同士のつながりがある生活を感じることができます。
今はなくなりかけているものだなぁと思うと、じんわりとしみてくるような心地よさがしました。
私はここに書かれているような生活を知らないし、田舎というものを知らない東京育ちなので、年齢が高めの人や田舎から上京してきた方々はもっと身近に懐かしく読むことができるのではないかと思います。
巻末にある文芸評論家の秋山駿さんの解説も興味深かったです。
秋山さんは著者である三浦さんと親交があった方で作家の人柄についてそこに書いています。
作家とはなんなのか?
どういう姿勢で作品に向き合えばいいのか?
それを読んでから読み返すとさらに色彩は広がって奥深く感じられました。 -
生き抜くことを決めている著者の静かな穏やかな強さを、この短い文章の中にも感じました。
-
昭和50年野犬。ニリンソウ・シドケ(モミジガサ)/トリカブト。昭和8年3月3日東北で津波。平成4年上海で竜巻。