その数学が戦略を決める (文春文庫 S 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167651701

感想・レビュー・書評

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  • つまらん。全部数字で表せると繰り返し。

  • エアラインのサービス、映画の興行収入、ワインの将来価格等に関する大量データの予測を紹介し、直感や個人的体験、哲学的な傾向との折り合いを考察する。数学により編み出された台本通りの授業はそれなりの生徒を作り出すが、教師の独創性を奪ってしまうという問題、データ社会におけるプライバシーがすべて企業や社会に食い尽くされてしまうという脅威も描き、データ屋からの一方的な論理に陥っていないという点が評価できる。題名それと「大量データの予測」を「絶対計算」という言葉に置き換えているのが、少々誤解を与えてしまうかもしれない。

  • 統計学が現代社会においていかに有用であるかを多くの事例をもとに力説した本。
    タイトルに数学とあるが、決して数学の知識を必要としません。「統計学って難しそうだけどどーなの なんの役にたつの」って方には是非ともオススメしたい本です。

    ちなみに。「なぜ数学を勉強しなければならないのか」という疑問を持ったことのある方は非常に多いはず。そんな方々は、その度に先生や親にまっとうな答えを返してもらえなかったのでは?僕が子供のときにこの本の絶対計算の実例を出して説明してもらえていたらもっと数学に感心を持てたんだろうな。そのくらいわかりやすい例が散りばめられていますよ。

  • 絶対統計がいかに優れたものかを豊富な事例で徹底的に示した一冊。しかしそこに盲目さや傲慢さはない。あくまで、冷静に、統計が社会に齎すものを示している。冷徹に感じるとすれば、それは読み手に傲慢さがあるからだろう。そして、面白い点は、この本が一見統計の対局にいるようなクリエイティブの本質を気づかせてくれた事。素晴らしい一冊。

  • <本の概要を教えて!>
    コンピューターが進化したことにより、数学を使うことで
    人間の生活に関するあらゆることが自動的にきめられていく
    ようになる、といったSF世界のような話です。

    しかし、書かれている内容は至って現実であり、
    現在もさまざまなところでこういったサービスは
    進化していると思います。

    <どんな人向け?>
    ・数学って人生で何の役に立つの?と思った方
    ・数学好きの高校生・大学生

    ※数式はでてきませんが、数学の考え方などは
    若干必要になってくるため、数学を完全に
    わすれていると厳しいかもしれないです。

    <内容をもっと詳しく!>

    序章からなかなか興味をひく事例がいろいろ
    のっており、
    ・ワインの価格を方程式であてる
    ・相性のいい恋人を出会い系サイトがみつけてくれる
    ・もっとも費用対効果のいい政策がみつかる
    ・専門家の勘ではなく、データ分析によって治療法を考える
    などなど、コンピューターとネットワークが発達
    したことで、生活のあらゆるところで数学の考え方が
    使われ、現代人の生活が数学に支配されているのが
    わかります。

    こういった波は専門家の仕事をうばうところまで
    きている、と筆者はいっています。

    例として医学があげられているのですが、
    長い間医学の世界で常識だと信じられてきたような
    ことがデータをとってみたら実はちがっていた、
    など専門家の権威が統計データに「負けてしまう」
    場面もでてきてしまうわけです。


    中盤以降はこういった分析手法が可能になってきた
    背景についての説明です。

    要するに理論的には昔から可能だったのですが、
    膨大なデータ量であるため、以前では机上の空論に
    おわっていました。

    ところが現代ではハードディスクの容量が飛躍的に
    進歩し、大量のデータを集めることが可能になりました。

    また、通信速度も飛躍的に向上したため、こういった
    技術が可能になったと、述べられています。

    ただし、もろ手をあげて、コンピューターのよさを
    いっているわけでもなく、人間のマニュアル化、
    まちがったマーケティングへの悪用、
    プライバシーの侵害、必要以上の計算式の過信
    など様々な問題点も筆者の視点からあげられて
    います。

    <感想は?>
    概要だけ聞くと、近未来の話のように聞こえるのですが、
    インターネットをやっていればいたるところで、すでに
    これは毎日実感できること。

    たとえばAmazonで本を買ったとすると、
    必ず「こんな本もおすすめです」
    「この本を買った人はほかにこんな本もかっています」
    といった他の本の推薦があるとおもいます。

    これはコンピューターが過去の購買履歴から
    みて買う確率の高い商品を自動的に認識してる
    わけなんですね。

    「この本を買う人はこっちの本も何%の確率で買う」
    みたいなデータがあってそういった大量のデータを
    処理することによってマーケティングに生かしている
    わけです。

    もちろんamazonだけでなく、youtubeの推薦動画
    googleの特定のキーワードでの表示順位、
    facebookでのハイライト表示など、
    いたるところで「数学」が使われています。

    webでのマーケティングに携わっている人から
    すると常識なのかもしれません。

    そう考えると、
    理想の恋人や政府の政策も「数学」で決められる
    というのは当然ありえる、と思います。

    心理的な抵抗というのはもちろんあるでしょうが・・


    ただ、筆者も警鐘をならしているように、
    必要以上に数学の力を過信するのは危険です。 

    また、その数学自体、式をたてるのは人間です。

    たとえば、facebookでのハイライト表示には
    新密度という概念があるようなのですが、
    いいねをおしたら1点、コメントをかいたら10点
    という基準自体は当然人間が決めているわけなので
    何をもって新密度とするか、というのは当然
    人間が決めています。

    また、人間が式を立てる以上かならずその人の
    主観が入ります。

    facebookの例で言うと、コメントにたいして一律
    5点、という人もいるでしょうし、もっとほかの
    ファクターも加味してかんがえなければいけない、
    という人もいるでしょう。

    なので、どんなにコンピューターが進化しても
    人間の仕事が完全になくなる、なんてことはないと
    思います。


    <この本を読むと何か得することは?>
    ・数学が世の中でどう使われているかが役に立つ!

    <本を採点すると?>

    個人的採点(5段階で)
    読みやすさ・・・・3
    (数学アレルギーがあると少し厳しいかも)
    オリジナリティ・・5
    (数学がどうつかわれているか、はなかなか面白い)
    理論的背景・・・・5
    (世界中のいろんな事例が豊富に紹介されています。)
    とりくみやさ・・・3
    (個人が仕事でつかうにはちょっとむずいかも。)
    モチベアップ・・・5
    (数学という教科の魅力を教えてもらいました!)

  • データベースの発達によって、統計学が大きな成果を上げ始めている、という話。
    欧米の一般向け科学読物らしい一冊。

    山形浩生の訳は読みやすいが、ときどき口語的すぎて違和感を覚える。

  • データ分析の有用性を説く本。

    今後、超大規模データの蓄積と演算能力の進化により、あらゆる局面でデータ分析による合理的意思決定を下せるようになる。「〇〇は正しいか」を知る方法は、専門家が研ぎ澄ました直観と長年蓄積した経験を用いたものから、大量のデータの数理的処理と統計的解釈を用いたものに移ると主張し、万人はこの流れに対応するべきと主張する。

    以下、本書の論旨:

    ・非常に多くのケース(政策やマーケティング施策の効果、裁判における判決、映画の興行収入の予測など)において、直観と経験による専門家の判断は、変数数個の重回帰分析にすら劣る
    ・コンピュータによる統計分析を適用すれば、今よりもはるかに正しい意思決定を下せる場面は無数に存在するが、多くの人は未だに専門家の「神のお告げ」に頼っている
    ・その原因は、素人でも行える統計分析の有用性が明らかになると、存在意義・権威・職を失う専門家たちが抵抗しているから
    ・しかし超大規模データの解析が情報技術の進展により可能になった昨今、データ分析の優位性は顕著になりつつあり、競争的な領域では(適者生存により)この流れはますます加速していく
    ・人間に残される役割は、①正しい問いを見出すこと、②問い対する答えを出し一部アクションを自動実行するコンピュータのチューニング、③アクションのうちどの部分を人にやらせてどの部分をコンピュータにやらせるかの決定、④コンピュータにできない部分(サービス業における接客、など)をコンピュータが出した答えに忠実に実行すること、の4つである。

    総じて、詳細な具体的事例により、「ありとあらゆる領域で、データ分析による意思決定のほうが人間の直観&経験による判断よりも優れている時代に差し掛かっている」ことの納得感を醸成し、またそういった世界において付加価値はどのように創成されるのかを想像させてくれる良書。

    オススメ。

  • 絶対計算というある程度のサンプルとその計算から人の動きが予測出来、専門家というものを脅かしている。弊社はこの計算を積極的に利用しているが、これからは必須の考えだろう。確率を学ぶ大きなきっかけとなった。

  • あらゆる領域において、専門家の予測よりもコンピュータによる絶対計算による予測は優れている。今後統計データは多くの価値が生み出されるだろうが、専門家のもつ知識は統計データを導出するために入力するデータの一部となり、価値は薄まる。今後何かを選択する際には専門家の言葉よりも、数字・データを意識するほうが優位である。

  • 絶対計算、という言葉を初めて見た。
    戦略というのだから、企業の戦略などの話をもう少し期待していた。

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著者プロフィール

経済学者、弁護士。イェール大学ロースクール教授
NYタイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、FTなどに寄稿。彼の研究はプライムタイム・ライブ、オプラ、グッドモーニング・アメリカ(いずれもテレビ番組)でも取り上げられている。ベストセラー『その数学が戦略を決める』など、著作は10冊に及ぶ。イェール大学およびMITで学位を取得。

「2019年 『ライフサイクル投資術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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