- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167659011
感想・レビュー・書評
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面白かった!
警察ものですが、捜査や犯人や刑事は出ず、人事や管理職など裏方に徹する人たちの物語。
短編集です。
どの物語も最後はどうなるか、ギリギリまで分からず、ついつい先を急いでしまいます。
どの業態もそうですが、仕事の数だけ悩みもやりがいもあるし、人の数だけ駆け引きもある。
そんな人間臭いところに共感しました。
オススメです♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
警察小説であるが、刑事が主役ではない。警察官僚小説といったほうが良いだろう。警察組織の管理面を中心にした短編集だ。こういう視点は斬新だ。横山小説の真骨頂であろう。警察ほど官僚的な組織もないと思わせるほど、組織優先の考え方が前面に来る。そういう組織のなかでの個人の心理的葛藤をうまく描いており、その葛藤こそがミステリのネタになっている。うまい!文章も読みやすく、人物に感情移入しやすい。題材の新規性と古典的な心理的葛藤の両面を丁寧に描いており、本当に面白い小説を読んだ気にさせてくれる。
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警察内部のドロっとした所、といった感じ。
刑事物とは違う面白さがあった。 -
面白かった。次は「動機」「64(ロクヨン)」読みます。
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心情描写に引き込まれる。『64』を読んだ後に読んだので、つながりを見つけると嬉しくなった。(Audibleで読了)
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64を読み始めて警務部警務課人事担当の『エース』二渡さんかっこいいなぁ…と思ってたところに、あら?昔二渡さんのお話読んだかもと…ふと思い出した『陰の季節』
この時はドラマでは上川隆也さんが二渡だったはず。今回64の映画では仲村トオルさんが演じるのよね。どちらも大好きな俳優さんだ。
今回読み返してみて、事件を解決してホシをあげたり人がバンバン死んでいったり、公安対刑事や組織対現場だけが警察小説になるわけじゃないんだと改めて新鮮な気持ちで読んだ。警務課が今回の主役だから、やっぱり人間の内面やずる賢さなどが主体になってしまって、勧善懲悪のすっきり感はほとんどないのだけれど、警察という組織を守っていくためにはやっぱり表で活躍するだけではなく、時に冷酷な判断を下す陰の部分も必要なんだろうね。
二渡さんが奔走するのは短編集の一つ目のお話。他のお話はちょこっと登場するぐらいなんだけれど、でも細身の眼光鋭い二渡さんの姿が現れるだけで緊張感と安心感の真逆な感情がわたしのなかで湧いてくる。やっぱり好きな人物だ。
あと、鑑識課のお話には『顔』のドラマで仲間由紀恵さんが演じてた平野瑞穂が出てきたので、次はそれを読もうかと思ってる。 -
『64』を読み、D県警に興味を持ちました。
今まで横山秀夫先生の本を読んでいなかったことに後悔しました。
「陰の季節」が特に面白かったです。
『64』で得体の知れない怖い人のイメージがあった二渡がですが、実際は、嫁も子供も友人もいて、苦手なこともあると、とても人間臭かったです。
『64』を読み返したくなりました。
他の作品も凄く面白かったです。「黒い線」も好きです! -
伏線としてわかった
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噂に違わず面白いね( ´ ▽ ` )ノ
警察署内のいざこざが中心で、いわゆる刑事と呼ばれる警官はほとんど出てこないとこがミソ( ´ ▽ ` )ノ
古今東西変わらない 組織の構造的な歪み・淀み・腐敗が主題ゆえ、どこの誰にでも共感できる普遍性があるね( ´ ▽ ` )ノ
堅苦しいお役所が舞台だからか、お家騒動なんかの時代小説に近い趣( ´ ▽ ` )ノ
全編に渡って登場する二渡も、それこそ「目付」「横目」みたいな役どころ( ´ ▽ ` )ノ
ちょっとしか出てこないけど、マスコット婦警・林純子ちゃんがかわいかった(´∀`*)ウフフ
2019/04/17