インシテミル (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2010年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784167773700

みんなの感想まとめ

デスゲームを舞台にしたクローズドサークルの物語は、参加者たちが疑心暗鬼に陥りながらも、意外に軽快なテンポで展開します。高額な時給に惹かれ集まった12人の男女が、外界から隔離された館で繰り広げる心理戦は...

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな館のクローズドサークルで一気読みした。楽しかったー!

    結城のセリフが面白くて、ミステリーなのに笑えるなんて初めてで新鮮だった。
    『満願』はじっとり真面目で重めだったのに対して『インシテミル』は軽くて明るい。
    デスゲームなのに不思議と楽しく読める。
    苦手なグロい描写がほとんどなかったのも良かった。

    ミステリー好きには有名な『あの1行』がさらっと出てきて、嬉しくてくてニヤニヤしてしまった。

    最後は「どうしちゃった?」と思う程に説明が少なくあっさり終わってしまった。
    わからない部分は自分で想像して楽しむことにしよう。
    とても楽しい読書時間でした!
    出てないけど続編が読みたいなぁ。

  • 時給11万と破格なバイト代に釣られる12人
    2010年代デスゲーム流行時期にかかれたのだろう

    結論、序盤の複雑なルール設定を熟読して挑んだが、
    それを十分に駆使できたかというと疑問 うーん消化不良
    おもしろい設定なので続編あるか探しけどまだないみたい
    残念!

    クローズドサークル化にあたり お金で束縛はもちろん
    夜は巡回ロボット(?)で外に出れなくするのは面白い

    インディアン人形が出たときは「そして誰もいなくなった」のオマージュ等々でテンション上がるが
    見事にインシテミルされました…

    好き嫌いが分かれそう


  • 面白かった!
    犯人最後までわからなかった…笑

    無駄に高い時給の実験バイトに参加する12人
    自分だったら生き残れるかばっかり考えてしまった笑

    ミステリー大好きさんには色んな作品が登場して更に面白いかと思う。
    知らなくても全然楽しめる1冊。

  • クローズドサークル?というのかな?
    人文科学実験の被験者募集という名目で集められた12人の男女。常識外れの時給に惹かれて集まった彼らは外界から隔離された〈暗鬼館〉に閉じ込められる。そこにはまさに人間の疑心暗鬼を徹底的に利用してお互いを殺し合うように仕組まれた館だった。

    それでも、何事も起こさず高額なバイト代をもらえればいいと思っていた彼らだったが、翌朝参加者の一人が死体となって発見される……
    そこからは、お互いがお互いを監視し、疑い、騙し人間の浅ましさやいやらしさが、これでもかと彼らを苦しめ、追いつめていく。
    彼らの雇い主、主人の目的は何なのか?
    誰が誰を殺したのか?生き残るのは誰なのか?

    文章は読みやすくてテンポもよい。展開も早く先が気になってどんどん読める。始めは登場人物が多くて把握するのに何度か読み返したが、それぞれのキャラクターがつかめてからは一気読みだった。
    トリックにも無理がなかったし、伏線回収も見事だったと思う。ただ、最後にもう少しあっと驚く仕掛けが欲しかった気もする。結局なんで10億円が必要だったのかもわからずじまいで、犯人にどんな感情を持てばいいのかわからない。犯人の背景とか人物像がほやけていて、もったいないなぁ。と感じた。
    終始ミステリアスな存在だった須和名さんの正体も、もう少し解説が欲しかった。

  • クローズド・サークルかつデスゲームの設定は典型的とも言えると思うが、それで構えていてもなお面白い。
    ミステリ要素とは別に、様々な登場人物の丁寧な描写に引き込まれるからか。

    インシテミル───ミステリに、淫してみる。題名の通り、精巧な技術をもって真正面から提示された正統派ミステリだと思う。

  • 久しぶりの王道ミステリー。
    米澤穂信さんは「儚い羊たちの祝宴 」がかなり好きで、その後「満願」を経ての三冊目。

    サクッと楽しめました。読後、映画も見ましたが、とっても美味しそうな和食(須和名目線だと改善の余地ありって細かいオチ好き)という、遊び好きだったのに普通に洋食を割り箸で食べてて残念(笑)というか全体的にこの小説の私にとって良いところを全部無しにして王道クローズドサークルってる感じでした。

    インシテミルのタイトルは私は感じとれなかったのですが、あとがきを読んで作者なんか粋で良きでした。


    『オーソドックスなミステリー空間に根底から揺さぶりをかけること。それについて著者は、「ミステリの知識や小道具を作中に持ち込めば持ち込むほど、日頃ミステリを読んでいる人とそうでない人のギャップがくっきりとなると考えました」「そのギャップを通じて、“ミステリ読者はこういうことを愉しむのか、喜ぶのか”という外部の視線を強調したり、“内輪の話に注しても、外部には伝わらない"という感覚を表現したりしたかったんです」(「著者に聞く全作品解説」)と述べている。

    してみると、表題の「淫してみる」という言葉が反語的な意味合いを帯びてくるのがおわかりになろう。伝統的な本格謎解きミステリーの世界にしてみる反面、そうした振る舞いをする者たちを突き放してもみる。著者いわく、「ぼくにとってのミステリはジャンルというより執筆のスタイルなのかもしれません。なのでミステリの未来を考えるとか、業界のためとか、啓蒙しようといったおこがましい気持ちはありません。むしろ先達が生み出してきた豊饒な世界で、自分が遊び、読者も遊んでもらいたい。継承し、その残響をよりいっそう響かせていきたいそう考えているんです」(「ロングインタビュー豊饒の地で遊びたい」)。するいっぽうで突き放すとは、何だか底意地が悪いようでもあるが、そうではなく、あくまで自然体で接してきた結果なのである。』あとがきより。

    • 土瓶さん
      インシテミルかぁ。
      読んでないけど映画で観ちゃったしな~。でもやっぱり原作の方が良かったか。
      「ボトルネック」とか「さよなら妖精」とかは...
      インシテミルかぁ。
      読んでないけど映画で観ちゃったしな~。でもやっぱり原作の方が良かったか。
      「ボトルネック」とか「さよなら妖精」とかは王道ミステリーとは言い難いですが、鬱っぽくなるのがわりと好きです。
      ご参考までに^^
      2025/06/11
  • 人狼ルールある館版バトルロワイヤルか?
    ルール・人名・部屋番号・凶器・凶器の殺種類 メモしてるだけでミステリ好きには楽しい でも読み進めていくと想像していた館物ミステリとは違ってきた
    結城が〈監獄〉に入ってから一気に話がメタ?ミステリ好き視点になり楽しくなってくる ミステリエンタメ小説かな
     〈実験〉参加者の中でもミステリ知識があるかどうかで全然違う動き

    主人については謎のままなんだけど、須和名の存在が一応の解答になっているのか
    関水の背景についてはほとんど謎だけど54倍のために必要なだけでそこは深く語って共感とかはいらないか

    実はメンバー中に黒幕主人がいて、最後に動機を語ったりして主役が全て解決!「報酬は無しか、、、」みたいにならなくて私は良かった笑
    こういう〈実験〉施設が改善を続けて現実にも存在していたら素敵だな〜と思った 参加したくないけど

    読んだことない古典部シリーズ一気読みしたいな

  • 感想未記入だっので、既読作品の、感想記入。
    いまは最も好きな作家の人である、米澤穂信先生の初読作品。たしか、映画にもなったのかな?

    単純なクローズドミステリにデスゲーム的な要素を加えた作品。不安とか猜疑心とか欲望とか人間の心の弱さが極限状態でどうなるかドキドキしましたね。読んだ時は続編ありそうだと思ったけど、意外と出ないんですねー。

    余談ですが、少し話題になってる?ようですが、本作が某ゲームに似てて、そのゲームのアニメを見た時に自分もびっくりしましたね。まあ、似てるのは設定だけですが。

  • 有名だけど分厚くてなかなか手に取れなかった作品。

    閉じ込められるミステリーってもう
    殺し合いって決まってるのに
    最後まで犯人わからず楽しめる。

    ただ登場人物が12人もいるので
    途中でちょっと混乱する。一気読み推奨。

  • 「満願」「ボトルネック」「可燃物」に続き、私が米澤氏の作品を読むのは四作目になる。

    米澤氏の読みやすくもユーモラスな表現が、主人公である結城の一人称でふんだんに描かれており、読んでいてこの作者の書く文章はやっぱり好きだなと再認識させられた。
    ミステリーでは珍しく、前半はこういったクローズドサークルものではあまり見られないほどに登場人物たちが結託している。しかしそれも、あからさまな協力関係というわけではなく、それぞれが一定の距離を保ちつつもリスペクトを感じるような関係。デスゲームに巻き込まれた被害者という共通の立場によるものなのだろうが、この部分は読んでいて気持ちがよかった。
    また、特殊な環境ゆえの現場検証のシーンも印象的。読んでいて「この状況ならアレは?」「それならコレは?」と浮かび上がった疑問を、読者の抱く疑問なんてすべてお見通しと言わんばかりに登場人物が口にすることが度々ある。米澤氏の手のひらの上で転がされているような気持ちになり、憎らしくも爽快な摩訶不思議な気持ちを味わえた。

    ミステリーのジャンルのひとつとして本作のような館+デスゲームものがあるが、思い返せば読んだ記憶はあまりなかった。
    金持ちの道楽などで殺し合いをさせられる展開がどうしてもチープに感じてしまい、知らず知らずのうちに避けていたのだが、本作はしっかりとミステリーをしていてそんな想像とは裏腹に楽しむことができた。

  • 時間をかけてゆっくり読みました。
    設定や展開、登場人物のかけあいも含めてユニークな作品だと感じました。
    ただ、長く感じたということはあまり合わなかったのかも…。

    2025.9 ☆変更

  • 2007年初版。著者の作品は過去に2冊読んでいます。期待をしたのですが少し消化不良気味です。王道のミステリーのスタイルですが少し違うかな。過去の2冊が短編の形を取っていたので読みやすかった。この作品は500ページを超える長編。何だか道具に凝りすぎて、訳がわからなくなってしまいました。

  • 12人が高時給の実験に参加し、事件が起きるサイコスリラー小説。
    高時給の裏に隠された仕事とは?
    閉じ込められた空間でのある出来事の発生により、登場人物たちの状況が一変…
    報酬の真偽や、主催者の目的に続く疑問。
    著者の緻密なストーリーテリングと謎解きに引き込まれていった。
    予測不能な展開に驚き、巧妙な筋書きに心を奪われていく。
    高収入の仕事など誘惑的な話には、やはり裏があり、そのリスクを考える必要がありますね…

    そして私は終始、須和名さんの泰然自若な態度が気になってしまった…

  • 評価は結構分かれてますが、個人的には面白く、一気読みしてしまった。
    時給約11万円で1週間脱出不可の中、12人の心理戦と殺し合いが始まる。犯人の推理に成功したり、逆に犯人として捕えられたりすると時給の倍率が変動するなどの駆け引きが面白い。
    最後まで、なぜ犯人がお金を欲してるのかが分からないままだった。

  • 気になる作家の米澤氏。
    主人公は結城理久彦、そして、天然なのか、怪しい美女の須和名祥子。後から考えると最初の出会いも怪しい。
    この2人を含む12人が高額の報酬を得られる実験に応募して暗鬼館という地下で殺し合いに巻き込まれていく。。。
    序章で応募者の動機が9人分書かれていたのは、なるほど、そういうことかと後で納得。この9人目が犯人?なのか。
    脱線するが、閃光のハサウェイを観たからなのか、須和名祥子が登場するとギギ・アンダルシアの顔が浮かんできた。ただの妄想ですが。

  • 高給なモニターのアルバイトとして集められた12人が、クローズドサークルな地下施設に閉じ込められ、殺人ゲームを繰り広げる本格ミステリー。なんつーか、カイジと本格ミステリーを足して2で割ったようなお話。

    序盤は背景設定や人物紹介が多く、感情移入がしづらく、のめりこむまでに時間がかかりました。ただ中盤以降は話がどんどん展開して一気に読み進められます。

    米澤穂信らしく日本語が美しく、文章に気品があります。本格マニア感も丸出しで、愛が感じられます。
    トリックは綿密に組み立てられており、本格好きにはおすすめ。ただついていくのがかなり大変なのでそれなりに覚悟が必要。オチはいやらしさ満点。

    使い古された感があるデスゲームフォーマットなお話ですが、しっかり組み立てられたストーリーなので、この手のお話が好きな人は楽しめる一作です。

  • 時給112,000円といういかにも怪しいバイト
    この時点で「命」にかかわることが予見されるが、果たして殺し合うことに…
    冒頭から有名ミステリーのメタファーが散りばめられているが、本作の根本ではなく、ミステリー好きとそうではない人の知覚の違いを浮き彫りにする仕掛けだった
    "真犯人は誰だ"的なミステリーというより、"犯人であり、探偵であり、被害者"でもある12人の参加者の思惑の探り合いが見どころ
    あっという間に読み切った

  • 【淫する】
    [動サ変][文]いん・す[サ変]
    (多く「…に淫する」の形で)度が過ぎる。度を過ごして熱中する。ふける。
    ----------

    破格の報酬のバイト(1週間の間、内容不明の実験の被験者になる)に集った12人の被験者が、暗鬼館という不思議な構造の実験用施設に閉じ込められ行動を共にする、というクローズドサークルもののミステリ。

    巻頭に見取り図があったり、細かなルール設定や館の仕掛、一人に一つ秘密の武器が与えられていたりするのが読んでいてワクワクした。
    関水にはいったいどんな事情があったのだろうか…というのが気になるところ。須和名を「主人」とした続編が作れそう。

  • テンポよく読めて面白かった。
    くせのあるキャラクターが多くて、登場人物の誰だっけ?が起こらなかったのは良かったけれど、背景の深堀が欲しかったなーという、個人的な我儘な意見。
    ロジックよりも人間味がある話の方が好きなんです…。

  • 登場人物が12人と多めで混乱するので、自己紹介シーンは付箋をつけて、何度か見返しました。

    小難しいルールが面白い!謎が全て判明するわけではないけど、それがまた余韻が残っていいです。自分が館にいるような没入感で一気読みしました。米澤ミステリーはやはり面白い。古典ミステリーも知ってるとこの話をより楽しめそうです。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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