- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167773700
作品紹介・あらすじ
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった-。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。
感想・レビュー・書評
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時給11万と破格なバイト代に釣られる12人
2010年代デスゲーム流行時期にかかれたのだろう
結論、序盤の複雑なルール設定を熟読して挑んだが、
それを十分に駆使できたかというと疑問 うーん消化不良
おもしろい設定なので続編あるか探しけどまだないみたい
残念!
クローズドサークル化にあたり お金で束縛はもちろん
夜は巡回ロボット(?)で外に出れなくするのは面白い
インディアン人形が出たときは「そして誰もいなくなった」のオマージュ等々でテンション上がるが
見事にインシテミルされました…
好き嫌いが分かれそう
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大好きな館のクローズドサークルで一気読みした。楽しかったー!
結城のセリフが面白くて、ミステリーなのに笑えるなんて初めてで新鮮だった。
『満願』はじっとり真面目で重めだったのに対して『インシテミル』は軽くて明るい。
デスゲームなのに不思議と楽しく読める。
苦手なグロい描写がほとんどなかったのも良かった。
ミステリー好きには有名な『あの1行』がさらっと出てきて、嬉しくてくてニヤニヤしてしまった。
最後は「どうしちゃった?」と思う程に説明が少なくあっさり終わってしまった。
わからない部分は自分で想像して楽しむことにしよう。
とても楽しい読書時間でした!
出てないけど続編が読みたいなぁ。 -
面白かった!
犯人最後までわからなかった…笑
無駄に高い時給の実験バイトに参加する12人
自分だったら生き残れるかばっかり考えてしまった笑
ミステリー大好きさんには色んな作品が登場して更に面白いかと思う。
知らなくても全然楽しめる1冊。
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クローズドサークル?というのかな?
人文科学実験の被験者募集という名目で集められた12人の男女。常識外れの時給に惹かれて集まった彼らは外界から隔離された〈暗鬼館〉に閉じ込められる。そこにはまさに人間の疑心暗鬼を徹底的に利用してお互いを殺し合うように仕組まれた館だった。
それでも、何事も起こさず高額なバイト代をもらえればいいと思っていた彼らだったが、翌朝参加者の一人が死体となって発見される……
そこからは、お互いがお互いを監視し、疑い、騙し人間の浅ましさやいやらしさが、これでもかと彼らを苦しめ、追いつめていく。
彼らの雇い主、主人の目的は何なのか?
誰が誰を殺したのか?生き残るのは誰なのか?
文章は読みやすくてテンポもよい。展開も早く先が気になってどんどん読める。始めは登場人物が多くて把握するのに何度か読み返したが、それぞれのキャラクターがつかめてからは一気読みだった。
トリックにも無理がなかったし、伏線回収も見事だったと思う。ただ、最後にもう少しあっと驚く仕掛けが欲しかった気もする。結局なんで10億円が必要だったのかもわからずじまいで、犯人にどんな感情を持てばいいのかわからない。犯人の背景とか人物像がほやけていて、もったいないなぁ。と感じた。
終始ミステリアスな存在だった須和名さんの正体も、もう少し解説が欲しかった。 -
面白かった。
笑えるほどシンプルな感想、しかしこれに尽きる。
24時間『主人』に監視された密室内。そこで七日間かけて行われる『実験』に招かれた12人。
怯える者、疑う者、隠す者、死ぬ者、殺す者。設定からして面白くない訳がない。が。
それだけではない。結末まで凄く綺麗だった。この本の筋道には少しの矛盾も違和感もなく、最後の最後までページを捲る手が止まらない。
本当に面白かった。
ミステリー好きだから、というのもあるのかもしれないが、これは読書家なら誰でもそう感じるのではと思う。
今後『おすすめの本なにー?』と訊かれた際に、私が一番に挙げる一冊となるだろう。
以下言いたいだけですが、人によってはネタバレになるかもなんで
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12人。(名前を覚えるのが苦手な私にとって)登場人物は多いと感じたが、バンバン死んで減ってくから大丈夫だった笑
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有名だけど分厚くてなかなか手に取れなかった作品。
閉じ込められるミステリーってもう
殺し合いって決まってるのに
最後まで犯人わからず楽しめる。
ただ登場人物が12人もいるので
途中でちょっと混乱する。一気読み推奨。 -
「満願」「ボトルネック」「可燃物」に続き、私が米澤氏の作品を読むのは四作目になる。
米澤氏の読みやすくもユーモラスな表現が、主人公である結城の一人称でふんだんに描かれており、読んでいてこの作者の書く文章はやっぱり好きだなと再認識させられた。
ミステリーでは珍しく、前半はこういったクローズドサークルものではあまり見られないほどに登場人物たちが結託している。しかしそれも、あからさまな協力関係というわけではなく、それぞれが一定の距離を保ちつつもリスペクトを感じるような関係。デスゲームに巻き込まれた被害者という共通の立場によるものなのだろうが、この部分は読んでいて気持ちがよかった。
また、特殊な環境ゆえの現場検証のシーンも印象的。読んでいて「この状況ならアレは?」「それならコレは?」と浮かび上がった疑問を、読者の抱く疑問なんてすべてお見通しと言わんばかりに登場人物が口にすることが度々ある。米澤氏の手のひらの上で転がされているような気持ちになり、憎らしくも爽快な摩訶不思議な気持ちを味わえた。
ミステリーのジャンルのひとつとして本作のような館+デスゲームものがあるが、思い返せば読んだ記憶はあまりなかった。
金持ちの道楽などで殺し合いをさせられる展開がどうしてもチープに感じてしまい、知らず知らずのうちに避けていたのだが、本作はしっかりとミステリーをしていてそんな想像とは裏腹に楽しむことができた。 -
2007年初版。著者の作品は過去に2冊読んでいます。期待をしたのですが少し消化不良気味です。王道のミステリーのスタイルですが少し違うかな。過去の2冊が短編の形を取っていたので読みやすかった。この作品は500ページを超える長編。何だか道具に凝りすぎて、訳がわからなくなってしまいました。
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12人が高時給の実験に参加し、事件が起きるサイコスリラー小説。
高時給の裏に隠された仕事とは?
閉じ込められた空間でのある出来事の発生により、登場人物たちの状況が一変…
報酬の真偽や、主催者の目的に続く疑問。
著者の緻密なストーリーテリングと謎解きに引き込まれていった。
予測不能な展開に驚き、巧妙な筋書きに心を奪われていく。
高収入の仕事など誘惑的な話には、やはり裏があり、そのリスクを考える必要がありますね…
そして私は終始、須和名さんの泰然自若な態度が気になってしまった…