火村英生に捧げる犯罪 (文春文庫 あ 59-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167816018

感想・レビュー・書評

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  • 火村シリーズ短編集。
    長編系は割と読んでいるが短編集はロシアン紅茶の謎以来か。
    個人的には「あるいは四風荘殺人事件」「偽りのペア」、「火村英生に捧げる犯罪」が面白かった。

  • 引き続きの作家アリスシリーズ。短編集だけど、超短編(ショートショート)が何本か入ってて、こういうのもまた面白いんだなぁと思った。
    「火村英生に捧げる犯罪」の中で、大阪府警の二人がアリスの噂しているシーンに爆笑。「いつもはずすということは、実はすべてをお見通しなんかもしれへんぞ。」って(笑)。
    それに、有栖川先生の本は何気に日本語の誤用の話も出てて、けっこう勉強になるんだよね。

  • 火村アリスシリーズ。
    短編集なんですが、今回は携帯コンテンツに書き下ろされたものとかが入ってて、要するにえらく短い話もちらほら挟み込まれてます。
    これが案外新鮮でした。なんというか、結構無意識に皆さんやってることだと思うんですが、残りのページ数で結末をなんとなく判断してしまうという。例えば序盤で怪しい人物とか提示されてもミスリードであることがほとんどだし、残り数ページで提示されたら「ああこいつが真犯人か」とか。
    話によって文量がまちまちだったのでそこら辺の判断がしにくくてちょっと面白かったです。変な褒め方ではありますが。

  • 火村英夫シリーズの短編集。携帯電話サイト向けの超短編も4作含まれている。

    【感想】
     短編集ということで、玉石混淆の印象を受けた(ただし、劣ったものは少ないと思う)。本のタイトルと同名の短編が一番読み応えがあると思うと予期せぬ結果になるためご注意を(あとがきを読めば著者の意図がわかる)。
     個人的には「長い影」「殺風景な部屋」「雷雨の庭で」「あるいは四風荘殺人事件」が良かった。「あるいは四風荘~」は小説ならでは内容になっている。

  • ひさーーしぶりに作家アリスシリーズを読んだけど、相変わらずするする読める。火村とアリスは本当に仲良しだなあー。
    動機が「痴情のもつれ」ではないものが多くて、楽しかった。

  • 「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」――臨床犯罪学者・火村英生のもとに送られてきたファックス。術策の小さな綻びから犯罪が露呈する表題作ほか、過去の影におびえる男の哀しさが余韻を残す「長い影」、殺された男の側にいた鸚鵡が真実を暴く「鸚鵡返し」など珠玉の作品が並ぶ人気シリーズ。解説・柄刀一

  • 有栖川有栖による作家アリスシリーズの短編集。
    作者あとがきを読むまで全く気がつかなかったが、本作の表題にも実は作者ならではの仕掛けがしてあり、表題作のヒントというか趣向が込められている。作者としては自明だったようだが、自分のように全く気がつかない読者は「どんなすごい犯人がどんなすごい仕掛けをしてくるのか」とワクワクしてしまうに違いない。
    他にも、火村が現場に全く足を運ばずに解決してしまう作品など、バラエティに富んでいる。ただ、有栖川作品の短編ではややもすると唐突に解決してしまう印象もあり、思った以上にアッサリと読めてしまう。これを手軽と感じるか、物足りないと感じるかは読む人の好みにもよるだろう。

  •  作家アリスシリーズ8編を収めた短篇集。
     個人的には「あるいは四風荘殺人事件」が好みだけれど、表題作も捨て難いなぁ…
     「四風荘」はいかにもトラディショナルな洋館型殺人事件を、作中作家の創作という二重構造で描いていて(そしてアリスシリーズにはそもそも暗黙の二重構造があるから、メタメタになっている)。その殺人事件を現実に起きたこととして伝えようとしているのが、つまりは一旦現実に引き起こそうとしているのが、なかなかトリッキーで、しかしやっぱり上手くいってなくてニヤリとしてしまう。こういう、構造を利用していじくり回して、っていうのは読んでて、楽しい。

     シリーズものの短篇集って、キャラクタへのこだわり、みたいなのが感じられてとっても、好き。魅力が詰まっていて、好きじゃなきゃ書けないよねー、というところもある。愛だよね、愛。
     いやまじで、作家に必要なものってほんとに、愛以外の何物でもないと思うよ?
     全編にわたって楽しく読めたので、☆4つで手を打ちます。

  • 火村先生とアリスの短編集。
    相変わらず二人の掛け合いが仲良し具合を表してて素敵。

    携帯小説用のショートショートが合間にあったりして、さくさくと読める。

    ただ、表題作にはちょっと肩透かしをくらった気分w
    火村先生の過去の話か何かかと思ってたら全然違うんだもの。
    作者が後書きでそんなつもりなかったって書いてるけど、勘違いするでしょ、これw

  • 表題作が個人的にどストライクで、読了4作目にして有栖川有栖は好きだと実感。
    短編もいけるじゃん。このシリーズは全作集めて読もう。

    自分の普段の好みからすると、有栖川作品は薄味すぎる気もしていたのだが…
    なんというか、言語感覚が確かな作者の文章はやはり心地よいし、そういう
    ものが自分は好きなのだ、と改めて気づかされた。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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