- Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167901967
作品紹介・あらすじ
あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス!監禁され、死を目前にした女アレックス――彼女の心に秘められた壮絶な計画とは? 英米ミステリ界を戦慄させた驚愕と慟哭の傑作!
感想・レビュー・書評
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重かった~。読み終えるのに結構な時間がかかってしまいました。
物語は、3章から構成されており、徐々に種明かしが進むに連れ、スッキリではなく不気味さが増していく。
最後の締め方までずっと魅了させられました。
読んでヨカッタ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アレックスに同情していたはずだ。気付けば真逆の感情が産まれていた。踊らされている!楽しい!
怒りと痛み、もどかしさと悲しみ、このままだと私の喜怒哀楽のコントローラーが著者によって壊されてしまう。ハッピーエンドに中指を立てるお行儀の悪さが堪らない。
読了後は放心状態だ。椅子の背もたれに寄りかかり、一息はいて、「すげ...」と感嘆の一言を漏らして静かに本を閉じたのは私だけではないはず。 -
【感想】
こんな結末ありなのか、と思わず唸ってしまった。誰が犯人で、誰が被害者なのか。いったい彼女は何者なのか。事件が進むにつれ一歩ずつ真実が明かされていくものの、根幹の謎は一切解決しないままストーリーが展開していく。そしてラストには今までを上回る不可解な事件が発生し幕を閉じる。まさに「新感覚のミステリー」という名にふさわしい小説だった。
ある晩、パリの路上で若い女(アレックス)が誘拐された。目撃者の通報を受けて警察が捜査に乗り出すが、被害者の行方はもちろんのこと、身元も、誘拐犯の正体も、誘拐の目的もわからない。その後、地道な捜査と思いがけない展開を経て、誘拐事件のベールは少しずつ剥がれていくが、次第に捜査の焦点は「その女を救えるのか?」から「その女は何者なのか?」へと変わっていく。
本書の特筆すべき点は、アレックスという人間の描写方法にあると思う。始めは誘拐事件に巻き込まれた無垢な被害者。次はミステリアスで行動の読めない美女。次第にとんでもない悪女へと変わっていき、最後は辛い目にあった被害者にまた戻る。このようにアレックスの素性と行動原理が終始理解不能であることが、先の読めない展開を作り出していく。
本来であれば、アレックスの誘拐パートはストーリー的に全く不要な部分のはずだ。知らない女が誘拐され、拷問された後、脱出し、行方がわからない。彼女の身に起きたことは他の事件になんら影響を及ぼさず、小説全体のディティールを詰めるために存在するだけだ。しかし、この誘拐パートによって、アレックスという人物に対する「読者の評価」を見事に作り上げることに成功している。読み手は残虐な目に合うアレックスを見て、「可哀想な女性」「逆恨みを受けている気の毒な被害者」という同情の眼を向けるだろう。そうしてアレックスへの感情をプラスに持っていった後、今度はアレックスが暗躍するパートを描くことで、読者を驚きと混乱に突き落としていく。
この女はどんな秘密を隠しているのか。誘拐され拷問を受けるだけの「罪」が、間違いなくあったのではないか。そうした疑念を抱かせ続けながらストーリーは進行していくが、真相はなかなか見えてこない。数々の描写からアレックスは「計算高い美女」であることが分かるのだが、そんな彼女が次々と説明のつかない行動を取っていくため、次に何が起こるのかを想像することが困難だ。この「アレックスの人物像と行動のギャップ」が、予想もつかない急展開を生み、読者をまた謎に引き込んでいく。
そして、ラストでアレックスの正体が一気に明かされる。果たして彼女は何者なのか。聖人なのか、罪人なのか。被害者なのか、加害者なのか。話の根幹に関わるため、詳しくは本書を読んでみてほしい。ここで言えることはただひとつ、「その女は、アレックス」ということだけだ。
――要するにこれがアレックス。これが自分のすべてだ。人は本当の意味で自分自身に向き合うとき、涙を流さずにはいられない。アレックスのなかでなにかにひびが入り、そこが崩れてアレックスをのみ込んだ。鏡のなかの姿はあまりにも強烈で、あまりにも悲しかった。 -
どんでん返し系のお勧めにあったので、読んでみた。
始めの辺は、おもんないから読むの止めよか悩んだけど、途中から面白くなって来た!
話は二転三転。
アレックス。はじめは、被害者かなと思ってたら、加害者やん!
でも、やっぱり違うか…
って感じ。
でも、アレックスの境遇を考えると悲しすぎて…
警察は、後手後手で、アレックスに振り回されてる感じやけど、コツコツと真実を追っていく。
まぁ、何という壮絶な女性やな。でも仕方なようにも思う。
個人的には、結構楽しめました。少し長いけど^^;
最後にある
「われわれにとって大事なのは、真実ではなく正義ですよ。」って言葉が心にずしりと… -
続編らしいけど普通に楽しめた!
アレックスの行動力がすごい。
監禁されてる辺りが1番ドキドキした。
面白かった〜!
でもちょっとグロいかも… -
職場の中でけっこうな人数の車の買い替え時期が重なったようなんですが、一番最初に買い替えた人の車をみてみんな「お、これやっぱいいな」となり、次々同じ車種を買うという事態に
会社の駐車場に色違いの同じ車種が並ぶという…
ここはホンダの販売店か!
え、車種?
『そのホンダNボックス』なんちて
さて『その女アレックス』です
自分の駄文にコメントをつけて下さる土瓶さんがガストン・ルルーを読み直したいと仰っていたので手に取りました
そうです。あの密室殺人を題材にした推理小説を最初に書いたガストン・ルルーです
ガストン・ルルーといばピエール・ルメートルです
自然な流れです
どっちも名前に「ル」がふたつ(あ痛っ、物を投げないで下さい)
もちろん作風は全く違いましたw
ヴェルーヴェン班の面々はもう80ページくらいで大好きになってました
そしてこれはもうとんでもない作品でした
ちょっとでもあらすじを追うことはこれから読む人にマイナスにしかならないので一切しませんが
まず章立てが素晴らしかったです
とにかくもうこんな展開は読んだことがないという素晴らしさ
トリックとかは全然ありません
でも、ガストン・ルルーとの共通点を見つけました
誰も考えたことのない独創的なミステリーの創造主という点です!
あ、あとフランス人(それ一番最初やろ)
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2022/02/13
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2022/02/13
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2022/02/14
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ジャケットから始まり、檻での監禁や硫酸を流し込むなど、少しグロい描写がいい感じ。
ストーリーはアレックスと警察の視点が切り替わりながら展開していき、誘拐事件から始まった物語は異なる事件へと発展し、一気読み。
で、作品をさらに良くしているが登場人物。捜査する刑事がそれぞれ個性があって魅力的。 -
面白かった!
イギリス推理作家協会賞受賞作
章ごとに感じるアレックスの印象が自分の中で変わっていくのが面白い!
ストーリとしては、
突然、男にさらわれ監禁されたアレックス。全裸にされ、檻に閉じ込められます。
犯され殺されるのか?
絶望的な環境下で脱出を試みようとするアレックス
そして、警察も動きますが、なかなか彼女にたどり着きません。
アレックスと警察の視点が切り替わりながら進む展開で、緊迫感が煽られます。
どうなるどうなる?
この章では、彼女は哀れな被害者という印象です。
そして、第二部
なんとか脱出したアレックスが起こした行動。
なぜ、彼女がそんなことをするのかが分かりません
ここで受ける彼女の印象は...
そして、最終部で明らかになるアレックスの秘密、壮絶な過去
といった展開です。
この構成はすごいと思いました。
これは、ネタバレなしで読み進めてもらいたい物語
お勧め -
海外ミステリーなので映画を観ているような長い長い話ではありますが、ミステリー好きには面白くてたまりませんでした。
アレックスの謎に迫り、深い闇に包まれた真相がずっと気になりました。
最後まで展開が一転二転となるところがまた読み応えあり。
途中、描写がリアルで、ホラーやミステリーが好きなほうでないと、読み進めるのはキツイかなぁと思う箇所もありました。
個人的にはこういうミステリーは好きなので大丈夫でしたが…。
読み終わった後に色々考えさせられて、切なくなるというかなんというか、ツライ部分もありました。ひとつ言えるのはアレックスは頭脳明晰な女性。女性なら学べる箇所もあるのではないかという点で関心が持てます。怖いというよりは、面白かったです。 -
前作イレーヌから読んだので人物理解してたので話に入りやすかったぁ^o^
でもカミーユ警部と部下のルイ、アルマン、上司のグエンだけ分かってればよかった感じ?
3部構成で、まずはアレックスが拉致監禁されます
怖い...
基本アレックスのお話ですが2部、3部と全く違う展開で、違う物語かっ⁉︎て感じです。
いやぁ...面白かったです〜、今作から読むので全く問題ない内容だと思いますが、アタシみたいな読解力イマイチの方は前作からのほーがいいかも笑笑