鬼はもとより (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198638504

感想・レビュー・書評

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  • たいへんおもしろかった。
    サラリと読めるのに、
    ドドンとかっこいい。

    ”佐和をどうするのだと思った。”
    最後のこの一文に打たれた。

  • 江戸中期の貧乏藩の財政立て直しの為に、他藩からの浪人が藩札を運用をするお話。

    話の軸はそうなのですが、主題は、物事を推し進める武士としての覚悟。タイトルにある鬼になって突き進む覚悟。そんな不退転の生き様でしょうかね。

    さて、主人公の技が藩札の発行・運用なのですが、今でいう、地域通貨/国債みたいなものでしょう。経済の話になるのですが、これがなかなかエンターテイメントとして描かれていて爽快です。

    また女性との関わり方も、ぐたぐたしながら、いろんな視点で「女性とは~なものだよ」てな会話がちょくちょくでてきて楽しいです。

    そんな感じでとても楽しい小説でありました。

  • 時代ものはあまり得意ではないのだが。
    これは経済学的視点で読む価値がある。
    フィクションなのだろうが、江戸時代の日本も、多分世界と互角に勝負できるだけの実証的な経済学が発展していたのかと、本筋とは異なるところで腑に落ちながら一気に読んでしまった。
    これは教材にも使えるかも知れない。

  • 傑作でした。

    「歪む文字を幾度も目で追いながら、佐和をどうするのだと思った。」
    そうだよ、どうするんだよ!

  • 経済の破綻に悩む小藩の「藩札」
    ある程度の成功は見たものの飢饉で、脱藩をすることになったある男の物語。

    自分の藩は改易となってしまったが、どうしても「藩札」の活用の仕方により良い結果を産むやり方があったはずと、研究を重ね、東北の貧しい藩の立て直しに力を注ぐ話。

  • 何が為に 

  • ・後のない席に座る者は、理が届くところだけでなく、理の及ばないところでも決断しなければならない
    ・頭(かしら)にとって力不足は罪ではない。たかが力不足なんぞの理由で、力が出せぬのが罪なのだ
    ・内なる疵が重なれば、?の強い者は心を壊し、心の強い者は?を壊す
    ・この齢になっても、結局、稚気と縁が切れず、慚愧に耐えませんが、やはり、奥脇殿にだけは、事の次第を分かっておいていただきたいと思うに至りました。最後の最後まで、お世話をおかけし、まことに申し訳なく、ただ深謝あるのみです

  • なかなか面白かった

  • 青山文平さんの時代小説のファンとして言いたいのは、ほんとに当時そのものを世界としてものすごくリアルに描き切ってくれる、という点。当時が本当にどうだったかなんて、今では想像でしかないはず。なのに、まるでその時代を同時に体験したことがあるかのよう。実は、過去から来たとか、未来人とか、SFみたいな秘密があったりして。そんな風に思うほど、ぞくぞくし、はらはらし、堪能させてもらった。また別の作品を読みたい。

  • 青山文平氏の本にハズレは無いと言う感じかな、武士道には感情移入できないところが多いが、人の心に住む本人を物語にする文才はさすが、

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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