朽ちないサクラ

著者 : 柚月裕子

• 徳間書店 (2015年2月10日発売)

作品紹介・あらすじ

米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、慰安旅行に出かけた末に、ストーカー殺人を未然に防げなかったと、新聞にスクープされた。県警広報広聴課で働いて４年、森口泉は、嫌な予感が頭から離れない。親友の新聞記者、千佳が漏らしたのか？　「お願い、信じて」そして、千佳は殺された――。県警広報課事務の私に、何ができる？　大藪春彦賞作家、異色の警察小説。

感想・レビュー・書評

[たけさんの感想 · 2021年7月21日]

柚月裕子さんの近刊「月下のサクラ」の前作にあたる作品。
警察事務職員の森口泉が、県警の不祥事の裏にある大きな闇に迫る。

割と地味めなので今後シリーズ化されるのかわからないが、少なくとも1作目（本作）と2作目（月下のサクラ）は順番に読んだ方が良い。

僕の場合は2作目から読んでしまい1作目の空気感をなんとなくつかんでいたので、結末がある程度予想できて少し損した気分。

それでも特に後半はグイグイと来ますが。

[1Q84O1さんの感想 · 2022年12月19日]

平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、慰安旅行に出かけた末にストーカー殺人を未然に防げなかったと、新聞にスクープされた
広報広聴課で働いている森口泉は親友の新聞記者、千佳が漏らしたのではないかと疑う

「お願い、信じて」そして、千佳は殺された

そこから事件は始まります
千佳を殺した犯人を見つけよう事件の真相を探り始めるとカルト教団がでてきたり警察署の元臨時職員が殺されたり公安がでてきたりと事件が進んでいく

最終的に犯人は…!?
と、まぁそんな感じです（どんな感じだぁw）



『百人の命とひとりの命、たしかに秤にかけることはできない。だが、秤にかけなければいけない立場の人間もいる。きれいごとじゃあ、国は守れん』
というセリフが作中にあります
現実社会の公安はどこまでこれに近いことをしているのか気になる…

[納豆巻きさんの感想 · 2023年11月16日]

主人公の名前、サクラなのかと思ったけど全然違った笑シンプルなお話しを想像していたけど結構複雑な感じでした。黒幕はやはりあいつだったのか、、(￣ー￣)
内容はまぁ悪くはないんだけど、私的に少しおもしろみに欠けるところがあったので星３かな〜

[メイさんの感想 · 2021年6月24日]

国家の安全の為なら何をやってもいいのか？真面目な職員の精神をボロボロにしたり、罪もない人が死んだりして。権力というものにイライラしながら読んでました。
主人公が謎を解いても最終的には解決してない。
続編を早く読みたいです。

[溢れ出る涙さんの感想 · 2021年10月30日]

そういう終わり方もあるのかと。世の中白黒ハッキリさせられないことの方が多いのかもしれません。

[すーさんの感想 · 2021年1月30日]

最後まで読んでこのタイトルに納得。公安ってすごいところだ。

[1604さんの感想 · 2021年10月4日]

警察職員の泉は、殺された親友の捜査状況に疑惑を抱き、自ら調べることに。この事件に関わる全てに公安の関与が。

[ひまわりめろんさんの感想 · 2021年9月27日]

サクラ＝公安を題材にした一冊なわけなんだけど
登場人物の感情の振り幅みたいなんがどうも納得いかないというかうまくまとめすぎな気がしてしまった
終わり方も…

[バス好きな読書虫さんの感想 · 2015年9月1日]

ストーカー殺人事件が起き、所轄署の不祥事がスクープされる。そのスクープのネタ元を探ろうとしていた新聞記者が殺され･･･新聞記者の親友であった県警事務の泉の目線をメインに物語が進んでいくが、途中でカルト教団が出てきてから、流れは変な方向へ。そして、ラストでタイトルの意味にたどり着くが、泉は全然関係なくなり、読後がすっきりしない。

[ことぶきジローさんの感想 · 2017年4月12日]

柚月裕子『朽ちないサクラ』徳間書店。

米崎県警公報公聴課の森口泉を主人公にした異色の警察小説。

ストーカー被害届の不受理に端を発したストーカー殺人事件は森口の親友である米崎新聞の記者・千佳をも死に至らしめる。森口は平井中央署生活安全課の磯川と共に事件の真相に迫る。公安警察、カルト教団と事件は思わぬ方向へと展開する。

柚月裕子の一連の傑作に比べると少し見劣りのする作品。作家の成長過程と捉えて読めば良いのかも知れない。

著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい！」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞（長編及び連作短編集部門）を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2　上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」