海がきこえる (徳間文庫 ひ 15-1)

著者 :
  • 徳間書店
3.83
  • (119)
  • (129)
  • (161)
  • (11)
  • (2)
本棚登録 : 1040
感想 : 129
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198911300

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんだかノスタルジックでいい感じ。
    描写もシンプルで読みやすい、作者の恣意的な感じもあまりしないし、読む人それぞれが物語を自然に受け入れられると思った。

    主人公が気取らないいい感じの奴だなぁと好感が持てた。
    こういう人間になりたかったんだけどなぁ。

  • 映画より理伽子が好きになれた。

  • 天才じゃないかと思う/ とにかく爽やかで、とにかく懐かしい/ こんなの大人になって読んだらダメだ、泣きそうになる/ 宮台の解説もまあ面白かった/ アニメリメイクすればいいのに

  • 「まあ、そんなのどうでもいいわ。あたし、こっち来て、よかった」(武藤里伽子)

    アニメ映画を観てから読んだけど、内容が濃くなって面白かった。続編も楽しみ。

  • 何年ぶりか分からないくらい久々に読んだ
    高校が人生の中で充実してた分ほんとうに共感できることが多い本
    二巻も読もうとは思うが大学での話はいまいち刺激が足りないし高校時代のような濃密な人間ドラマもないしあっさりしている
    やはり高校の壁はこえられないのだろう
    拓、松野、里伽子この三人でぐるぐる話が回っているのが面白いんだな

  • 青春だ。年老いてからまた読んだら恥ずかしくなりそう。

  • 高校2年の夏。杜崎拓.松野豊が東京からの転校生である武藤里伽子と出会い、淡い恋心を抱いてゆく青春恋愛物語。
    里伽子に翻弄される拓が可哀想に思える節もあるが、そこが妙にリアルに感じてしまう...

  • 高知県の中高一貫校を卒業して東京の大学に進学した杜崎拓(もりさき・たく)は、高校時代の同級生だった武藤里伽子(むとう・りかこ)が、高知の母親のもとを離れ、東京で大学生活を送っていることを知ります。

    両親が離婚したため拓の通う学校に転校してきた里伽子は、修学旅行のときに拓から借りた金で、母親に黙って東京の父親のもとを訪ねようとします。彼女の計画を知らされた拓は、行きがかり上、彼女と行動を共にすることになりますが、そこで里伽子は、父親が前田美香(まえだ・みか)という女性と同居していることを知ります。それまで両親の離婚の原因を知らなかった里伽子は傷つきます。しかし拓は、里伽子に想いを寄せている親友の松野豊(まつの・ゆたか)に遠慮して、彼女の気持ちに寄り添う態度を取ることができず、彼女のわがままに振り回されたという思いだけを募らせることになります。

    拓は、大学の先輩で同じ授業に出席している津村知沙(つむら・ちさ)という女性を介して里伽子と再会し、高校以来ふっつり途絶えていた拓と里伽子の間にふたたびつながりが生まれていく過程が描かれていきます。

    高校時代の回想と、大学生になった現在の物語が交互に配置されており、当時よりもほんの少し視野の広がった現在の視点から、青臭くて一生懸命だった高校時代の出来事が振り返って語られていきます。そうした構成が、青春小説にふさわしいノスタルジックな効果を作り出しているように感じられます。

  • うわぁ、青くさい…(褒め言葉)。

    なんと言うか、文章から漂ってくる空気・色・香り。そんな全てのパーツが妙に生々しくリアルに感じられる作品です。こんな経験、したこと無いんですけどね。不思議な感覚です。

    ラストまですーっと起伏なく進んでしまった感もありますが、そこにかえって好感を覚えたのかも。津村やサヤマ先生といった脇役の描写もしっかりしています。

    松野が割りと好きです。

  • ジブリのアニメがいまいちだったので、原作を読んでみました。
    氷室さんは心理描写が上手い作者さんなので、あんなアニメで終わるわけないと思ったんだ。

    原作でもヒロインの里伽子の性格は自己中心的で可愛げがなく、顔が悪かったらヒロインどころか脇役にもなれそうにないくらい悪かったけれど、主人公の「ぼく」の心理はとてもしっかりと描かれていました。

    人を好きになる気持ちとか、恋人関係になれなくても人を好きになったときの一番幸せな気分とか、けっこう穏やかで落ち着いた少年の気持ちが丁寧に描かれてた。

    里伽子も大学生になって性格も大人に成長したところが描かれていたし、最後に海の音を聞きながら「ぼく」が大人になっていく自分たちを嬉しくも寂しくも思うシーンは本当に心が洗われるような気がしました。

    やっぱり原作のが、アニメよりもはるかに良かった!

    小説にも挿絵があったけれど、やっぱりこの作品にジブリの近藤勝也さんの絵は合わないんだよ。
    なんだか柴門ふみさんのまんがみたいな鋭角的な絵で、すごく平面的なんだもん。

    人の感情は当然ながら2次元ではないので、ぺたっとした平面的な絵は、せっかく氷室さんが紡いだ多面的で場面場面で変化する複雑な人間心理をバッサリ削りとってしまうように思いました。

    原作を読んで良かった。
    アニメだけでは良さがわからない作品だと思いました。

全129件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

氷室冴子(ひむろ・さえこ)
1957年、北海道岩見沢市生まれ。 1977年、「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。集英社コバルト文庫で人気を博した『クララ白書』『ざ・ちぇんじ!』『なんて素敵にジャパネスク』『銀の海 金の大地』シリーズや、『レディ・アンをさがして』『いもうと物語』、1993年にスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』など多数の小説作品がある。ほか、エッセイに『冴子の東京物語』『冴子の母娘草』『ホンの幸せ』など。 2008年、逝去。

「2021年 『新版 いっぱしの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

氷室冴子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×