悪夢の行方: 「読楽」ミステリーアンソロジー (徳間文庫 と 16-16)

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198940591

作品紹介・あらすじ

老女のひき逃げ事件に不審な出来事が次々と重なり……(高嶋哲夫「連鎖」)。暴力団元構成員が殺害された。この任地では嫌なことばかりだ……刑事の瓜生は苛立つ(西村健「出戻り」)。――こんなはずじゃなかった。思いもよらぬ事態が積み重なり、事件は意外な方向に。望まざる状況に立たされたとき、彼らは何を見るのか。当代きっての書き手が贈る、疾走感溢れるミステリーアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 寡作の梓崎優の未読作品を読みたかったのだが、他の作者の作品の方が面白かった。

  • 伊岡瞬「ふたつのシュークリーム」は、落ちが早々に読める上に、老婆のやっていることが流石に腑に落ちないし、シュークリームもちょっと無理がある。というか、なぜシュークリーム?黒崎視音「逢魔ヶ時」は、正直でっていう…ミステリというより猫との冒険を楽しむ話。梓崎優「嘘つき鼠」は、情勢への理解が足りないせいか、気づいたら終わった。高嶋哲夫「連鎖」は一番ミステリっぽかったし、祖母の話もいい塩梅に描かれた良作。西村健「出戻り」は、正直男がクズということくらいか。そして結局どうして藤牧かま戻ってきたのかはわからないままだった…。
    連鎖以外は正直イマイチ。しかも、前半3作は猫がキーワードになっているのだが、どうして全編そうしなかったのか?とにかくいろいろ中途半端。

  • (収録作品)ふたつのシュークリーム(伊岡瞬)/逢魔ヶ時(黒崎視音)/嘘つき鼠(梓崎優)/連鎖(高嶋哲夫)/出戻り(西村健)

  • 文芸誌『読楽』に掲載されたミステリーアンソロジーの第2弾。今回は、伊岡瞬、黒崎視音、梓崎優、高嶋哲夫、西村健の5人の作家が描いた一癖も二癖もある奇妙なミステリー短編を収録。

    いずれも奇妙なミステリーであり、一定水準に到達しているのだが、第1弾の『地を這う捜査』の方が粒揃いだったように思う。伊岡瞬、梓崎優が頭ひとつ抜けていたくらいで、どんぐりの背比べという感じだった。黒崎観音、高嶋哲夫などは作品のフィールドが違うような気がした。

    伊岡瞬『ふたつのシュークリーム』。タイトル、ストーリーともに一風変わったミステリー。家人が不在の家で起きた未解決の老女の殺人事件が、警察関係者のインタビュー形式で語られる。二転三転の展開の果てに辿り着いた結末とは…

    黒崎視音『逢魔ヶ時』。柔らかく、暖かい、ファンタジックなミステリー。主人公の6歳の少女が不思議な猫のポンロクと共に大事件の犯人を追う。最後の最後に主人公が発した言葉が、なんとも言えない余韻を残す。

    梓崎優『嘘つき鼠』。バルカン半島を舞台にしたミステリーらしからぬこのアンソロジーの中では最も異質のミステリー。この作家には異国を舞台にした不思議なテイストの作品が多いが、この短編でも、不思議なテイストが味わえる。

    高嶋哲夫『連鎖』。ひとつの犯罪が次々と連鎖するかのように人びとの人生を台無しにしていく。同時に浮き彫りになる主人公の過去が重なる。

    西村健『出戻り』。二年ぶりに人事異動で筑豊に戻った主人公の刑事。筑豊での過去が再び主人公を苦しめるが…

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