- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309028309
感想・レビュー・書評
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「生命式」「素敵な素材」「素晴らしい食卓」「夏の夜の口付け」「二人家族」「大きな星の時間」
「ポチ」「魔法のからだ」「かぜのこいびと」「パズル」「街を食べる」「孵化」
12話収録の短編集。
1頁目から嫌な予感しかしない。
そして頁をめくると「やっぱり…」となる。
気持ち悪い。
なるべく脳内に映像を描かない様に制御しながら読み進める。
クレイジーなのに文体はとても陽気。
なのでサイコになりがちな話なのにこれはファンタジーなのかと思わせるフシすらある。
普通とか正常とか常識と言う言葉なんて遥かに跳び越えた危険極まりない短編集。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつの間にか世間の常識によって作られた自分の価値観を、洗脳されている事を教えてくれて壊してくれる作品。
また、私達は、生き延びるために、世間の常識に乗って自分を操っているという事を気付かさせてくれる。
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内容の一部が気持ち悪くて読むのをやめていた時期がありましたが、最近になってまた読み始めました。
発想がすごいです。村田沙耶香さんが考えた世界観を十分に味わうことができました。
ラストの孵化が一番気になるお話しでした。締めくくりの最後の一文を読み、掲載されている12篇全ての歪さ、不気味さを改めて感じました。 -
村田沙耶香さんは日常で感じるコミュニティや社会の違和感を物語に落とし込むのがうまい。
「社会の中で相反する価値観」や「自分の中でさえ相反する価値観」に対する違和感がトンチキな設定の物語のおかげで重くなく読むことができる。
個人的には「かぜのこいびと」が好き。
話をまとめると昼ドラなんだけど、描写が爽やかで児童文学みたいな可愛さが良い。 -
短編が多くて読みやすかった。
どれも価値観をグラグラさせてくる。
ラストの「孵化」は少し分かるなぁって思う部分もあったけど、終わり方がホラーだった…でも人と人との関係性って、多かれ少なかれ傍から見たらこうなのかも…とも思った。 -
天才だ
世界の見方と切り取り方、感じ方の見本市のようです。 -
不思議な短編集
最後の孵化がよかった! -
とにかく狂っている。現実世界では考えられない話でした。
でも、1話1話本の中では『これが普通』の世界。
生命式も良かったですが、『素敵な素材』も好きな話です。 -
村田沙耶香さんの魅力がたっぷり詰まった短篇集。
『生命式』や『素晴らしい食卓』などTHE村田沙耶香な作品から『二人家族』や『魔法のからだ』のように純文学的要素が強い作品まで楽しめます。
村田さんってこういう物語も書くんだ!と思うような発見もあり読んでいてとても楽しかったです。
何度も読み返したい作品が集まっているので大切にします。