愛人 ラマン (河出文庫 509B)

  • 河出書房新社
3.48
  • (52)
  • (72)
  • (152)
  • (14)
  • (9)
本棚登録 : 1026
感想 : 120
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309460925

作品紹介・あらすじ

18歳でわたしは年老いた-。あの青年と出会ったのは、靄にけむる暑い光のなか、メコン河の渡し船のうえだった。すべてが、死ぬほどの欲情と悦楽の物語が、そのときからはじまった…。仏領インドシナを舞台に、15歳のときの、金持の中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。センセーションをまきおこし、フランスで150万部のベストセラー。J・J・アノー監督による映画化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大好きな友達と、自分の人生で好きな本10冊あげようという会話をしている中であげていたので。
    あっという間に読んでしまいました。

    あの映像(イマージュ)…

    海、かたちのない、単純に比類のない海。

    男は女に言った、以前と同じように、自分はまだあなたを愛している、あなたを愛することをやめるなんて、けっして自分にはできないだろう、死ぬまであなたを愛するだろう。

  • 一人称、二人称、三人称全部ぐちゃぐちゃですがどうしてくれるんですか??

  • 『居酒屋』-『ナナ』のラインの植民地版みたいなストーリーを予感させたけど、家族間の確執を背景に当時の社会通念上許されないような禁断の性愛に少女が絡み取られた恋模様が、数年を経て振り返ると実は純愛と言ってもよかったような恋物語になっていく。当時の状況を取り巻く心情を数十年間の熟成を経て語ることってそれが本人によるとしても結局は第三者的解釈が入り込んでしまっているのは否めないのだろうなあというのが頭の片隅に浮かび続けてしまってストーリーに入り込めなかった。もっともそういった真正性を横に置けば、大人びてしまった語り口だけれども少女の独白がその精神構造がきちんと表現されているのでしっかりと楽しむことができると思う。とはいえ、その精神構造を大人の視点から語るのではなくてその時の少女の視点で語るとまた違ったストーリーになるだろうに。そんなのないものねだりだとはわかっちゃいるけど。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/788456

  • 「十八歳で私は年老いた。」この一言が強烈に印象に残る。タイトルで手を出しにくい作品かもしれないが、是非一読を。

  • この本を原作にした高浜寛の漫画版「愛人」を読んだのを機に再読。漫画版はすっきりと整理され、エッセンスを提示してくれていたんだな、と思った。小説版は、最初からデュラスの家族のことや当時のインドシナのことが思いつくままにあちこちに語られ、ショロンの男が登場するのはようやく文庫版でも50ページにもなってから。「いろんな女たちを相手にやってるようにしてほしい。」「わたしは年老いた。突然、それを知る」「父親に反抗してわたしを愛し、わたしをつかまえ、わたしを連れだすだけの力はこのひとにはない」「わたしもお父様と同じ考えよ。あなたといつまでも一緒にいるのはお断り。その理由は言わなかった」「そして彼女は突然、自分があの男を愛していなかったということに確信をもてなくなった」といった印象的なシーンを原作のなかに見出して再度味わい。◆永遠不滅がおのれを生きているかぎり、生は不死であり、その一方で生は不死であり、その一方で永遠不滅は生のなかにある。(p.168)

  • 【オンライン読書会開催!】
    読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です

    ■2022年8月30日(火)20:30 〜 22:15
    https://nekomachi-club.com/events/6abcbfc41d4e

  • 記録

  • もう大変。
    とんだおおやけどってやつです。

    読み方がまずわからん。
    彼女はわたし?彼女もわたし?

    飲み込まれ、放り出され、やけどしつつ、溺れたり、慣れない読書でした。

    この暑い中読むのには適してしたかな。

    一言では言えない濃密な人生、しかもかなり前半で。
    生き延びるために快楽を存分に解放する。閉じ込めておくわけにはいかなかった、そうしたら死んでしまう。

    解説を読んだら理解が深まるかと思ったら、ますますドツボ。
    修行が全然足りませぬ。

  • カイア・ガーバーの人生を変えた5冊──カミュにカーヴァー、デュラスなど、「必要なときに、必要な本がやってくる」。 | Vogue Japan
    https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/us-vogue-kaia-5-books

    『愛人(ラマン)』 ニンフェットの告白 その1 - rocorinne bookworm(2016-2-26)
    https://rocorinne.hatenablog.com/entry/2016/02/26/000333

    『愛人 ラマン』(河出書房新社) - 著者:マルグリット・デュラス 翻訳:清水 徹 - 辻原 登による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS(2017/11/24)
    https://allreviews.jp/review/1736/

    愛人 ラマン :マルグリット・デュラス,清水 徹|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309460925/

全120件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

仏領インドシナのサイゴン近郊で生まれる。『太平洋の防波堤』で作家としての地歩を築き、『愛人(ラマン)』はゴンクール賞を受賞、世界的ベストセラーになる。脚本・原作の映画『ヒロシマ・モナムール(24時間の情事)』、『モデラート・カンタービレ(雨のしのび逢い)』、『かくも長き不在』は世界的にヒット。小説・脚本を兼ねた自作を映画化し、『インディア・ソング』、『トラック』など20本近くを監督。つねに新しい小説、映画、演劇の最前線にたつ。
第2次大戦中、ナチス占領下のパリでミッテラン等とともにレジスタンスに身を投じ、戦後も五月革命、ヴェイユ法(妊娠中絶法改正)成立でも前線にたち、20世紀フランスを確実に目に見える形で変えた〈行動する作家〉。

「2022年 『マルグリット・デュラスの食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マルグリット・デュラスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×