- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309621869
感想・レビュー・書評
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自分の中に潜む、何か別のものが蠢く感覚へ……。
シオドア・スタージョンといえば“少し不思議”系SF短編、ということで、再編集後の短編集として大森望訳『不思議のひと触れ』を呼んだ後、ずいぶん経ってこの『輝く断片』と読んでみた。
この短編集は“SF( Science Fiction)系ではなくミステリー(Ⅿystery)系”ということだそうだが、もうミステリーだとかSFだとかなんて……。
SF(Suckosi Fusigi)系ではなく、CF(Chokotto Fusigi)系からZF(Zuibunto Fusigi)系まで、スタージョンの生み出す物語は、呼んだ後にどれも妙な感覚を覚える。
特にこの短編集では、読者自身も自分の中の“ワル”が、ちらっと覘く……。
ククク…
ムムム…
フフフ…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全編通してキラキラ分はずいぶん控えめ。表現が地味。
・取り替え子
・ミドリザルとの情事
なんだか、マッチョな男がでてくる。君微笑めばも同様。
なんだか、肩肘張ってる印象。
・旅する巌
ビックリするほどのSF!おいおい、マジかという展開。
・君微笑めば
マッチョな男が滔々と喋るが、実は結構惜しいところにいってた、という不思議な驚き。
自分が人間じゃないとか言い出した時点で、あいたた
・ニュースの時間です
最初と最後がすごい。読後にもやもやが残る。
・マエストロを殺せ
既読。忘れていたが、再読すると壮絶な一人相撲。
・ルウェリンの犯罪
これは作られすぎている。ただ、キャラクターが皆憎めない。
・輝く断片
皿を投げるところからは嫌な予感しかしない。これを力強いと自評するのか。 -
短編集。
前半3作は軽めの作品らしい。
後半5作はサイコサスペンス。
「マエストロを殺せ」は「死ね、名演奏家、死ね」というタイトルで有名な作品。文体が特徴的。
最も印象的だったのは表題作。序盤から刺激的な描写が続き、引き込まれた。
サイコだけど真面目で悪人ではない、という主人公の物語が多く、逆にリアルでありそうで不安になった。
1冊を通して、感情を揺さぶられる作品でした。好き。 -
話の内容はともかく、『一角獣・多角獣』を読んだ後だと、『マエストロを殺せ』ではないだろうと思ってしまう。
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初めてのスタージョン。真面目で優しくて痛々しい男の人が頻繁に登場する印象を持った。表題作が強く心に残る。
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サイエンス・フィクションってゆうよかサイエンス・ファンタジー。
なかなかのサイコパス登場率で、ハラハラしながらよんじゃう。
毎朝ちょっとずつ読むのにぴったり。夏の朝はSF! -
収録作品
・取り替え子
・ミドリザルとの情事
・旅する巌
・君微笑めば
・ニュースの時間です
・マエストロを殺せ
・ルウェリンの犯罪
・輝く断片 -
雨降る夜に、瀕死の女をひろった男。友達もできず顔も醜い孤独な男は決意する。おれやる、全部やる…。「自分がいままで書いた短篇の中でももっとも力強い作品」と著者みずからが語る表題作「輝く断片」、スタージョン・ミステリの最高傑作「マエストロを殺せ」、先駆的なサイコサスペンス「君微笑めば」ほか、高密度なミステリを5篇、さらに彩り豊かなオードブルとして、コメディ調ファンタジー「取り替え子」、奇妙な味の「ミドリザルとの情事」、愛すべき「旅する巌」の3篇をとりそろえた名作の饗宴。
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スタージョンの文章には破壊力がある。
特に「ニュースの時間です」は良かった。
この主人公が精神異常なのか、それとも
我々の社会のほうがおかしいのか。
もどかしそうに切羽詰まった文章で
つきつけられる純粋。