枕草子/方丈記/徒然草 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集07)

  • 河出書房新社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309728773

感想・レビュー・書評

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  • 高橋源一郎訳、方丈記、が読みやすい、

    朝、目を覚ます。ああ、こんな歳になっても、結局、生きている意味がわからない。ふと、そう思うことがある。

  • 古典文学の著名な『随筆』といえば、な3つを集めた巻。
    さすがにかなり有名なので、原文をなんとなく知っている部分があり、それがどう訳されているのか比較できるのが面白い。

    ですが、正直『枕草子』は読むのが苦痛だった…。月報で上野千鶴子氏は絶賛してるけど、自分には酒井さんの文体は合わないな、というのがひしひしと。ただあくまで『翻訳』なので、原文の要素がどこまであるのかというのがわからないのでなんともいえないのですが。内容もなんだかな…。和歌の返しなどかなり頭の良い女性だったんだろうということはわかるのですが、まあ当時の文化だろう下々の方のことを思い切り見下していたり(これは時代背景的に仕方ないだろうけど)、あとは平安時代の貴族の暮らしにある程度興味・知識がないと読み進めるのはかなりつらいんじゃないかなあ。なんというか、どうでも良い話ばかりだな…と思いながら読んでいました(最悪)
    『方丈記』は名前こそ聞いたことがあったものの、内容が全く思っていたのと違う方向だったのでびっくり。東日本大震災を経験した我々には、割合リアリティを持って読める内容になっているんじゃないかなと。この全集の魅力の一つである「超訳」もバッチリで(ただ、最近の高橋源一郎の文体はときどき「やりすぎ」が顔をのぞかせることがあって、今回もちょっとあったんだけど)、3作の中で一番短いけど一番好き。もっと長ければよかったのに。
    『徒然草』は硬質な訳で、可もなく不可もなく訳しているな、という感じだけれども、解説でも指摘されているように明らかに『枕草子』の影響を受けているのが面白く、なるほどこの3作をまとめるというのはそういうことか、という感じがした。おじさんの説教みたいな内容なのは否定できないけど。

    この全集は、なるほどだからこれをまとめたのね、というのがすごくわかって面白いなあと思う。どんどん読んでいこう。

  • 古典は原文の古語の美しさやリズムを味わえば良いのでしょうが、素養が無いものには理解できないので、このような現代語訳は非常にありがたい。原文と照らし合わせて読めば良かったと思いました。枕草子では雅な感じが伝わってきました。方丈記は堀田善衛の『方丈記私記』を面白く読んだことを想いだしました。徒然草は「教養のある人は物語りするとき、まわりに人がたくさんいてもひとりだけに向かって語りかけ、それに人々が自然に聞き耳を立てるようにするものである。」に、はたと膝を打ちました。

  • 知人のおすすめ。

    冲方丁の「はなとゆめ」を読んだら、枕草子が読みたくなった。
    酒井順子ぴったりだなぁ。違和感なく読める。
    なんだか、ブログみたいですね。長さも内容もまちまちで。面白い。
    わかる!とか、言うねぇ、とか、にやにやしてしまう。
    教養。

    方丈記は、あとがきにもあったように自分たちの時代の言葉になっているのですごくわかりやすいし、それによって書かれた時代に読んだ人たちと同じような体験ができているのかなと思った。
    当時こういう発想や行動は、センセーショナルで、変人扱いされたんじゃなかろうか。
    横文字が出てくるような、一見ぶっとんだ訳が面白い。
    それにしても鴨長明さん、苦労人だったのですね…だからこそのこの文章なのだなぁ。

    徒然草は、渋いな〜という印象。
    あと、枕草子ぽい、と思ったら解説でも直系の子孫と書かれていてですよねってなるなど。こうやって3作続けて読めたのがよかった。
    作品の個性を感じられるのは現代語訳してくれたからこそだよなぁ。
    物に触れると心が発動するとか、世の中を変えないと盗人はなくならないとか、現代にも通じるところあり、おじいちゃんの説教みたいな感じで反発したくなるところありで、面白く読みました。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784309728773

  • 16/11/27。

  • 随筆とは筆に随うの意である。そこで筆がどれほど自在に遠くまで人を連れ出すことか。現代の日本人の感受性はこれらの随筆に由来すると言ってもいい。

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著者プロフィール

エッセイスト

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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