- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334043186
感想・レビュー・書評
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白人労働者階級の日常生活を描いた「ぼくはホワイトでイエローでちょっとブルー」が読みやすいのに奥が深い傑作だったので同じ著者の新書を読んでみました。
周りの白人労働者階級の人々を温かい目で見守りながら彼らがBrexitに賛成票を投じた理由に迫ります。
政治史のまとめを読んでようやく流れが理解出来ました。最高です! -
軽妙な語り口で進んでいく。身近でない話題が身近に感じられて読み進めやすい。
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「ぼくはイエローで・・・」の著者の他の作品を読む。
イギリスの労働者階級については「差別はないが区別はある」と大昔に語られ、ブレグジットを賛成し、移民排斥の急先鋒であり、フーリーガンでイングランドが勝つとイングランド旗(ユニオンジャックじゃない)を振り回して街中で大騒ぎする(実際に目撃した)という「ステレオタイプ」の知識しかない。
本書を読んでの驚きは
・21世紀の英国には階級が厳然としてあり、階級闘争があるとは・・
・「ゆりかごから墓場まで」の本家が社会保障切り捨てを労働党まで推進しているとは・・
・政府がやたら緊縮・財政均衡に腐心している(日本の財務省と全く同じスタンス)こと、たとえ社会が分断しても。
第3部の労働史100年は、一気に読ませる。戦後英国史を労働者の切り口で読んだのは初めて。
この本では深く触れていない英国の経済・財政の側面からの100年史を別の書籍で探して、認識を深めたい。
この作品はわたしの欠落している認識の穴埋めをしてくれた。
いい著作でした。 -
歴史的な流れを追いながらBrexitを解説してあり、少しだけ理解が進んだ。
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ブレグジットについて、様々な報道がなされていた。離脱派は外部から見ると排外主義のように報道されていたが、本当にそうなのか。英國労働者階級が離脱票を投じた理由を、そこで生活している著者が歴史的、政治的そして経験的に考察している。
ブレグジットの背景に英国の緊縮財政政策を挙げ、ジャスティン・ゲストの著書を参照し、白人労働者階級の疎外感を考察している。 -
ブレイディみかこさんの作品が好きで何冊か読んでます。
そんなに読んでいませんが、他の作品に比べると歴史関係が多く、あまりイギリスの歴史に詳しくないと読み進めるのが難しかったです。
ただ、労働者会級の方々がなぜ離脱に投票したのか(定住する移民はいいが、出稼ぎのためにきて、低賃金で働いてある程度お金を貯めたらでていくのはどうかとか)を知ることができ、ブリジットへの理解が深まった気がします。
また、緊縮前のイギリスと現在の日本は似ているかなと思いました。日本も現在は低所得者への優遇策をしているが、今後は緊縮に進む可能性があるだろうなと思いました。政府に左右されずに自分で生きる力を身につけていきたいと思いました。 -
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https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00536881 -
第三部「英国労働者階級の100年-歴史の中に現在が見える-」は、この100年間で英国労働者階級がどんな風に扱われてきてその結果今どうなのかという視点で書かれていて圧巻です。いつもの著者の時事エッセイ調よりもちょっとお堅いですが、これはすごい仕事だなー!思いました。日本の100年も著者のような肌感覚で文章力のある方に振り返ってもらいたいと思いました。
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p57
〜バーニー・サンダースの教えに基づく労働党に入った若者たちのドブ板活動、地域に根ざしたグラスルーツ型の活動のエピソードを受けて〜
2016年のEU離脱投票の頃は、左派のインテリたちは、遠巻きに彼ら(労働者階級の中高齢者)を見て、「排外的だ」「冷静に物を考えていない愚かな人々だ」と批判し、眉をひそめていた。
しかし、「我ら」対「彼ら」の構図で見ている限り、「彼ら」を「我ら」に取り込むことはできない。
左派は、いまこそ労働者階級の人々と対話し、その価値観や不満や不安を理解しなけれびならない。もはや労働者階級を悪魔化し、離れた場所から批判していればすむ時代ではない。