カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
3.89
  • (230)
  • (187)
  • (245)
  • (23)
  • (4)
本棚登録 : 2463
感想 : 206
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751333

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • カラマーゾフ家の使用人(コック)。てんかんの持病がある。この人物が4人目の兄弟。なんか、この名前のイントネーションだけは、ちぐはぐな印象を受けるんですよね。この人の名前を聞いていると不安になるというか、落ち着かなくなるんです。

    ちなみに、スメルジャコフという名前は「クサいもの、悪臭」という意味だそうです。スルメじゃないですよ、スメルです。「におい」というのは、現代になってますます意識化されているように思います。スメルハラスメントなんて言葉がいい例です。

  • 終わった。これだけの大作になると読了の感慨もひとしお。1週間『カラマーゾフ』の毎日だった。さて、物語は4人の死が一種のキー・コードになっている。まず、ゾシマの死―それはロシア正教会の長老制の終り(制度としてではなく、精神的な意味で)だったのだろう。続いてフョードルの死―このことによって、兄弟の、また周縁の人々の本質と実態が大きく浮かび上がってくることになる。スメルジャコフの死―被支配階級の中から生まれてきた新しい階層の、あるいはテロリズムの死だろうか。イリューシャの死―それは愛と未来の希望への希求なのだ。

  • 4部立ての小説が終わったあとのエピローグとして裁判以後の3章のみが5分冊になった文庫構成でした。最後がコーリャたちの「カラマーゾフ万歳」で終わるということも、未完成になった第2部への導入を示唆しているのですが、「カラマーゾフ」という言葉が、ここへ来て「アリョーシャ」のみを指していることに改めて気づいた次第です。イワンでもドミートリーでもないのは意外です。
    そして文庫の大部分を占める訳者による解題が極めて内容の濃い迫力のある解説でした。象徴層、物語層、告白層に分類する考えは説得力がありますし、リーザ、コーリャの第2の小説で果たすであろう役割の説明は新鮮でした。特にリーザがアリョーシャに対する誘惑者として存在感が大きくなっていくことは全く考えたこともありませんでした。第2の小説がどのようなものであったかを想像することも大変ワクワク楽しいものがありますね。
    そして登場人物の名前・地名などとドストエフスキー自身の人生やファウスト・歴史上の人物などに関連した説明の数々は謎解きに相応しく、巨大なパズルを解くような小説の面白さも痛感した次第です。

  • とりあえずアリョーシャはいったいどうなる?

  • 「第二の小説」が書かれず、未完に終わったことが悔やまれる。

  • やっと読破しました!ミステリアスな謎解きの要素もあり、個性的な登場人物たちが物語をぐいぐい引っ張っていくのですが、自分はロシア的なものの考え方というか世界観にあまり馴染めなくて、苦労した部分がありました。

  • 本当は、この『第2部』が構想されていたという。
    読みたかったな・・・・・・・・。

    34わたし、あなたを好きだだったのは、あなたが心の広い人だからよ!・・・わたしこそあなたの許しが必要なんだもの。・・・
    61~のラストは感動的。なんとなくミュージカルの舞台を想像できた。
    274口述筆記、の手段。・・・これなら私も書くとき使える気がする。
    287ドフトエフスキー作品を周期的に大江健三郎、加賀乙彦は読み直すらしい。
    360金原ひとみの言葉。「上巻半分を読むのに3ケ月。・・・中巻と下巻を私はほぼ3日でよみ終えた。」
    これは、訳者の言葉の選定の努力の賜物らしい。
    289作家の習性として、モチーフに対して始末をつける。

  • やっと読破できた…
    長い道のりだった。
    達成感もひとしお。

    しかし、全編読み通してみても、一体親父を殺害したのは誰なのか見えてこない。
    長兄? or 下男?
    他にも謎だらけ。
    スッキリしないなあ。

    三男アリョーシャの役回りもよくわからない。
    恋敵カテリーナとグルーシェニカのもつれた愛憎もよくわからない。
    ロシア正教と政治の問題もわからない。

    ??????

    多くの主題を内包したとてつもない小説だということだけはわかった。(笑)

    解説にあるように、やたら人物の臭いにこだわる描写。
    ドストエフスキーはフェチですね。変態ですね。

  • エピローグ。
    このほんはほとんど解説?

  • 平易な文章を心がけたせいか、他の訳よりも底の浅さというか深みが伝わってこない印象を受けた。ただこの訳はそれを承知の上で読みやすさを重視した方針で刊行されていると思うので翻訳者の技量を批判するつもりはない。

全206件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ドストエフスキーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×