カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751333

感想・レビュー・書評

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  • 物語自体はあっけなく終わってしまった。主要人物達にとって不本意な判決が下った後、どのように話が展開するのか期待して読んだが、はぐらかされた感じ、これが現実⁈という事か。

    5巻は数ページのエピローグの他はドフトエフスキーの年譜と訳者の解説がほとんど。この解説もなかなか面白い。4巻までを読んで、本当の主役はイワンではないか?と思った私の疑問もまんざら外れていないようだ。訳者によると3人のうちで心の声が描かれているのはイワンだけだと。

    ドミートリーは単純だから感情を直ぐに口にしてしまう。アレクセイも意外に表面の声しか発していない。特にアレクセイは他人の言った事をそのままおうむ返しにしているシーンが多い。日本にはそういう人が結構いるのであまり気にならなかったが、言われてみると確かに多い。しかも日本語では言葉遣いが人物によって異なるけど、原書ではまるっきり鸚鵡返しなので不気味だと書いてあった。

    アレクセイが近所の子ども達と関わるシーンが随所に見られ、「この部分いらないんじゃない?」と思っていた。主たるストーリーとは直接関係ないので。どうやらドフトエフスキーはアレクセイを主人公とした続きの物語を書く予定だったようだ。そこでコーリャを中心とした少年達の別な物語が展開される...読んでみたかった。

  • 2015.5.1エピローグのみ読んだ。善良に、正直に、、、そう、この物語の登場人物は、カラマーゾフの兄弟はみな、これを心に刻んで生きたんだと思う。しかし現実はそうはなれなかった。アリョーシャは善良で正直に生きることができていたのかもしれない。そして全然性格が違うイワンとドミートリーも、心には善良と正直があり、それを体現したいと思いつつ、理想と現実の間に引き裂かれ、狂い、故にちゃんと体現しているアリョーシャを、愛し、時に畏怖し、憎んだのだろう。善良に正直、、、こんなにもキレイで、感動できる人生への姿勢のために、どれだけ人間が狂ってしまうのか。しかしそれもまた人間!人間てすごい!カラマーゾフ万歳!

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、2階開架 請求記号:983//D88//5

  • 解説はちょっと難しかった。「第二の小説」が読みたかったなぁ。

  • 2015年14冊目。

    短いエピローグと、訳者・亀山氏によるドストエフスキーの生涯紹介と物語の解釈で構成されている。
    亀山氏の狙いであった「一気に読み切ることのできる翻訳」はシリーズ全体を通して見事果たされていると感じる。
    解題パートに記された亀山氏の物語に対する解釈は、難解なところもあったが、この物語は単なる一つの事件を描くミステリーではなく、人間の根源的な部分に迫ったものであり、それを表出させるためにいかにドフトエスキーが細部にまで意図を込めていたのかが強く伺えた。
    再度程度では辿り着けそうもないが、この物語の深さをもっと感じるために何度も読み返したい。

  • 人間はすべからく嘘の中で生きている、その中で最大公約数的に受け入れられる嘘を「愛」「正義」と言うのだろうか。この”未完”の作品は色んな解釈が可能だろうけれども、虚構の中に作家は何を見出していたのだろう?
    "未完"ということを差し引いても光が差し込まない虚構という現実を受け入れるのはやはりしんどいんではないかな、本当に様々な意味で重苦しい小説であります。
    ところで訳者の意図は分かるものの、やはりこの5巻目という構成はあくどい。小説そのものと解読は別物であって、その大半を解読が占める本巻を買わせる仕組みはやっぱり納得いかないなぁ。解読自体面白いことも認めますが、この商業的仕組みに対して本巻のみ★評価を一つ下げるというせめてもの抵抗を示しますかな。

  • ほとんどがドストエフスキーの生涯。
    でも作品と人生がリンクしてるようでとても興味深かった

  • 理解の助けになります。
    この本と、各巻のあとがきがなかったら、私にはちんぷんかんぷんです。

  • すべての作品が終わりました。
    だけれども、別のエディションでその違いを
    大いに堪能して読みたいほど、
    登場人物たちはそれぞれに、味があります。

    なぜならば、彼らのキャラクターには
    ある種の象徴される味付けが
    なされているからです。
    だから、ただ楽しむだけではなく、
    そこの奥底に秘められた思想、
    心情を読み取れば
    時代を感じられるのです。

    著者は決して、まじめそのものではなく
    病気持ち(癲癇)でしたし、
    浪費癖もありました。
    どこかで、見たことありませんか…?

  • 第1巻参照

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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