カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751333

感想・レビュー・書評

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  • 遂に!完読!

    こうしてみると、いかに考え抜かれた構成か、練り上げられたキャラクターか、重なる層か、に感嘆するほかない。
    そして、書かれなかったもう1つの物語の存在感。読みたかったもう1つの物語。それがあるから、これが更に際立つ。

    亀山郁夫の渾身の解題が圧巻!

  • なんとか最後まで読みました。はー、長かった。。
    自分で自分を褒めてあげたいっ。(笑)
    誰かが、「長くて途中挫折しそうになるけど、読み終わると自分の中の何かが変わるよ。」的なことを言っていましたが、、、
    うーん、、、私は何も変わってないっす。。。
    だけど、次に読む本は何を読んでもおもしろい!と思えそうな気がします。

  • エピローグは登場人物たちのその後の物語。
    全部読むと、「未完の作品」だと強く感じた。
    続きを書く前に亡くなったことが本当に惜しい。

    読んだ後、登場人物のことをずっと考えてる。
    解題もめちゃくちゃ面白かった。
    解題を読むと、また頭から読み直したくなった。
    自分なりにもっと細かく読みたい。

  • 5巻ってほんのちょっとなんだね…
    ドミートリーやイワンがその後どうなったか、知りたかった
    アリョーシャは宗教とどう関わっていくのだろうか。

    全体を通してみると、まぁ緻密な物語。
    カラマーゾフたちの性格が、最後の裁判にどう繋がっていくのか、いつか再読してたしかめたい。

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90182256

    (推薦者:行政政策学類 久我 和巳先生)

  • 「カラマーゾフの兄弟4」
    「カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻」
    ※4.5の感想です。 

    これで、亀山郁夫訳のカラマーゾフの兄弟全巻を読み終えた。
    長くて苦しくて楽しくて、、今まで読んだどの本にも無い読後感だった。
    それはこれが、未完の大作であるからということも大きいのかと思う。
    ドストエフスキーは、このエピローグまでを第一の小説とし、その13年後を描く第二の小説を念頭に置いて書いていたが、亡くなってしまったから。

    にもかかわらず、この完結性の高さという、他に比べようがない(少なくとも自分が読んだ中では。)「人類の奇跡のような」作品。←訳者、亀山郁夫氏の言葉

    まずは、第4巻から。
    第4巻は、第10編「少年たち」という話から始まるのだけど、これが個人的に素晴らしく良くて、ドストエフスキーの、反抗的でありながらも、少年のもつ純真さや繊細さ、故の暴力性を台詞回しや出来事によって描き切る才に驚愕した。特に、後々まで重要になるコーリャという少年の描写が本当に良くて、、どことなく、スティーブン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」の世界観を思い出させた。(これも傑作中の傑作)

    イワンの内面が徐々に浮かび上がる中盤、スメルジャコフとの対話のシーンは不穏で不気味、グロテスクで、なんだか自分自身の内面を暴かれているようでどきどきした。
    その流れからのミーチャの裁判。
    世の中の残酷な事件や、戦争、虐待。
    「父殺し」という作中での直接的表現にそれらをあてはめてみると、更に先ほどのイワンの内面描写が他人事ではなく思えて今度はゾッとするのである。
    そしてそれらを見つめる「わたし」の俯瞰的目線、それによって台詞の意味が補完される。

    5巻にある訳者による解題での「ポリフォニー(多声)性」という手法の巧みさ!読み手により如何様にも読めるという面白味に加えて、最大の主題「神はあるのか」についてもまた、登場人物の言動や行動や、それに伴う結果のそれぞれの違いによって複雑に絡み合って、決して白か黒かでは分つことができない。
    その「複雑さ」がリアルで惹きつけられる要因のひとつなのかもしれない。
    またしても「二項対立の脱構築」的思考だなと、、

    第5巻エピローグは、僅か63ページ。
    これで本編自体は完結する。
    最後のアリョーシャのスピーチを読んだとき、本当に自然に、ハラハラ涙が出て、心が動くということは多分これのことなんだなと実感した。
    これまで積み上げてきた長い物語世界の、一つの側面であり大きな主題でもある、先述した「神はあるか」についての、人間としての最適解というか、本当は全ての人間がこうありたいと願っていると「思いたい」と思える、素晴らしいものだった。

    143年前のロシア古典文学が、今もずっと読み継がれている理由が身に染みてよくわかった。
    訳者違いで、また何度も読みたい。
    素晴らしい読書体験だった。

  • 読書として長い旅だった。数十年前は分からなかったことが少しはうなづけるようになり、ドストエフスキーの生涯と解題を読んでさらに理解が進んだ。
    キリスト教と社会主義、農奴解放後の混乱という19世紀のロシア特有の空気と、著者が実生活で持つ背景が作品に及ぼす強い影響。ミーチャ、イワン、アリョーシャという3兄弟と父親、スメルジャコフやコーリャ、女性たちとの会話など、どんなに分かりやすい翻訳でも、おそらく原語が理解できないとその面白さは半分以下なのだろうと、訳者の解説を読みながら実感。それでも他作品を間に挟みつつ3か月で読み通せたのは、活力ある言葉での翻訳に徹した訳者のおかげだ。
    著者が予定していた第二小説が永遠に読めないのは残念だが、ここまで5冊でも十分に体力の要る読書だったし、読み方によっては十分に完結している物語でもあった。

  • 3.2

  • エピローグそのものは短いが、その後に訳者による年譜と外題があるため、1冊分になっている。それが理解のためにとても役に立つ。

  • ついに終わった。2022年12月30日

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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