怪談 (光文社古典新訳文庫 Aハ 8-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753801

感想・レビュー・書評

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  • 耳なし芳一、ろくろ首、雪女、幼少の頃、恐怖の世界に陥し入れてくれた物語がここにあった。
    ただ、今読むと恐怖というよりは不思議な物語ばかりだ。さらに言えば美しさすら感じる。私も歳を重ねたものだな。

  • 読みやすく、面白い。
    解説にもあるように、ほとんどは再話文学で、またこの本によって有名になって児童向けの怪談集などに収録されているために、幼い時分に読んだ記憶のあるものだったが、出典の明示されていない「かけひき」(解説ではリラダンの影響が指摘されているが)は日本的怪奇趣味に合理主義的なオチがポンとくっついているのが面白かった。

    また、後半の「虫の研究」3編はそれぞれ味わいが異なる。「蝶」は日本の蝶を愛でる感性や逸話の多くが中国由来と考えられる、とことわりを入れつつも、蝶の登場する俳句などを列挙し、その詩心を賞賛する。「蚊」では墓に供えられた水から蚊が沸いて困るが「仏教では殺生を禁じている…」(そういえばそうだと膝を打った!) 「蟻」はアリの社会性をスペンサーの社会進化論に結びつけて論じる。社会進化論は帝国主義の正当化(西洋人が未開地域の文明化を果たしてやってるのだ!という考え方)と結びつくので、今日日評価されにくい思想だけれど、日本の滅びゆく近世と心中するような文章を書いた著者の目を通してみると、社会進化論をそう読む人もいたんだ…と感心する。

  • 児童向けのリライト版以来『怪談』を読むのは初めてで、「蕎麦」=パスタの“ヴェルミチェッリにやや似ている”とか、「仏壇」=“仏教徒の家庭にある祭壇”など、西洋人を対象に書かれた注釈を交えて読んでいると、子どもの頃にあたりまえになじんでいた世界がエキゾチックに見えてきて新鮮。品のあるなめらかな訳はとても読みやすい。昆虫エッセイ「虫の研究」を併録。『骨董』も読みたくなった(1904)

  • ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「怪談」の新訳。2018年の初版で、訳者は南條竹則だ。訳が新しく、これまでの「怪談」研究の成果を踏まえているので、とても読みやすい。しかも、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の生涯について解説も記載されており、至れり尽くせりだ。初めて「怪談」を読む人には、この本をお勧めしたい。

  • 知人の主催されているオンライン読書会の課題本として、最初の三編を読み合いました。やはり「耳なし芳一」が圧倒的知名度でしたが、平家絡みの話とは知らなんだ。なぜ「耳」なのかについては、耳は世界との回路=異界との回路=あの世とこの世をつなぐから「見えていた」のではないかと考えました。また、語られた物語の当時は、「死」が身近だったために、より「生」への思いや執着が強かったのではないかと考えました(以下、つづく)。

  • ろくろ首がイメージとちがうな。耳なし芳一、怖い。

  • 他の話は有耶無耶になったり不思議だなぁって話が多い中、「ろくろ首」だけ力技で倒してるのがツボに入った
    最後の訳者の昔話が怖かった

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742551

  • 誰でも恐らく1度は読んだことがあるであろう、小泉八雲の『怪談』が新訳で。考えてみれば、1冊まるまる読んだのは初めてかもしれないな〜。

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著者プロフィール

原作:ラフカディオ・ハーン
一八五〇年、ギリシャ生まれの英国人。アメリカで新聞記者として活動したのち、一八九〇年、日本文化への憧れから、島根県の松江中学に英語教師として赴任。松江出身の小泉セツと結婚ののち帰化し、小泉八雲を名乗る。熊本五高・東京帝国大学などで教鞭をとりつつ、日本研究を海外に向け紹介した。著書に『知られぬ日本の面影』『心』『怪談』など。

「2019年 『BL古典セレクション③ 怪談 奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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