- Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334763206
感想・レビュー・書評
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佐藤正午の身の上話を読みました。
ヒロイン、古川ミチルは地方都市に住む23歳の書店員です。
ミチルは「土手の柳は風まかせ」という評価の通り、自己主張も少なく周囲に流されやすい性格です。
物語の冒頭、ミチルは不倫相手の豊増を追って東京に行ってしまいます。
強い主張もなく流されるままに東京に来てしまったミチルは、子供の頃からの知人、竹井を頼ってそのマンションに転がり込みます。
そして、高額当選の宝くじを入手してしまったところから、彼女の運命が狂いだすのでした。
高額のお金を持っているという意識が、彼女を追い詰めていきます。
ところで、終盤物語が急展開するところで竹井が重要な役回りを担うのですが、この人物の得体の知れなさは怖いと思いました。
人々は宝くじを気軽に買いますが、運良く(運悪く?)高額当選してしまった場合には、当選者には厳しい試練が待っていて、最悪の場合は身の破滅もありそうだなあ、と思ったのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『お金はお金でしかありません。お金は何かほかのもの、あなたの人生を幸せにするものに換えてこそ価値を持つものです。(『【その日】から読む本』第二部・第7章)』
「僕の考えでは、こんなときは死体を埋めちゃだめだ。埋めて隠そうとするから犯罪の意図がばれるんだ。いちばんいいのは人気のない場所に捨てることだよ。」
『過去にテレビや新聞で、どれだけ埋まった死体が掘り起こされるニュースを見聞きしたかしれないのに、それでもなお今日、犯罪者は死体を埋めることをやめません。埋めるのは自分が殺したからだと語っているようなものなのに。』
「あたしの話を聞いてないの? もう飽き飽きしたと言ってるの。人の目を気にしながら、びくびくして生きていくのは嫌なの。」 -
この作者の「ジャンプ」や「Y」などの小説は、日常的なありふれた光景や何の変哲もない淡々とした生活を営む人たちを取り上げるのですが、ふとしたことからその光景が全く違った様相を見せる・・そのダイナミックともいえるような展開にいつも息を呑みます。今回のこの小説は、ミチルという自分の妻の身の上を語る夫の視点で話は進んでいきます。もしもあの時・・こうしていたなら、とかあっちの道に進んでいたならとあとで思い返すような人生の岐路は誰にでもあるものです。ミチルもふとしたことから、尋常ならざる人生を歩むことになります。いつのまにか生まれ育った地元を離れ、転々とすることになった彼女の交友関係でも目立たない人物が
実は重要な鍵を握っていることに気づくのですが・・・
忍び寄る恐怖とでもいうような怖さがこの小説にはあります。最後の展開でもまた驚くような真相が明かされることになります。
それにしても、凡人は高額の宝くじなどには当たりたくないものだとつくづく思います。 -
宝くじで2億円当たる。
それから、いろいろな災厄に巻き込まれて行く。
人間、魔がさすことってあるのだろうか?
高額当選すると、人生変わってしまうのね。
いい風に変われば良いけど、悪い方に変わるのはちょっと…。 -
宝くじに当たると不幸になるというが、こういう形の不幸になるとは予想だにしないだろうな。どうせなら当選金をパッと使っちゃえば良かったのにねぇ。
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ドラマを見てて、ドラマとか映画は小説の内容が結構飛ばされているから本で他の部分も読んでみたくて読んだ。
結果、ドラマはほぼ小説の通りで先が分かってしまった(笑)
小説よりもドラマの方がおもしろかったな。
小説は読むのがちょっと疲れる感じ。 -
意表を突く、とんだダブル身の上話。
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先にドラマを見たので、概ね同じ感じで。
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宝くじ二億円当選がなければ、起きなかった不幸の始まり。
ドラマを見ているような感じで、
サスペンスストーリーで面白かった。
他の作品も是非読んで見たい!