身の上話 (光文社文庫 さ 11-11)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763206

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの佐藤正午ワールド。2億円当たっても 意外と普通に暮らせるかもと自分を過信しそうになった。

  • 「何だこれ?」
    冒頭から中盤にかけて、読んだ人なら必ずそう思うはず。我慢できなくて、読むのを断念してしまう人もいるかもしれない。
    ただ、最後まで頑張るとその対価は得られる、そんな感じ。
    第三者によって淡々と語られる、ミチルとミチルに起きる出来事。「よく出来ているな」と唸らされた。

  • ストーリーはもちろん、文章そのものが洗練されていて非常に面白い。語り手による不自然なほどの綿密な情景や心情描写に視点のカメラワークの自由さを感じた。

  • 大きな時間つぶしとして位置付けて、時間を隔てながらたまにたまにと読んできた佐藤正午氏の作品の中でも、楽しめたというのでは今のところ一番のレベル。一人語りのような構成なので全体の語り口が一貫しているせいか、一気に読めた。氏の他の作品で時折感じる、妙に状況説明的な文が突然現れたり、というのがなかった、というだけでもあるけど。。。

  • 2017.12.01
    途中までで終わったわ。今の自分にすっ〜と入ってこない。

  • 一人称で語りには抑揚が無いはずなのに、最後まで惹き付けられてしまう語りが凄い。

  • 面白かったですが、ちょっと長尺だったかな~。
    淡々と第三者が描いている形で進んでいくので、ハラハラする感じは意外となかったです。
    なんで旦那さんが語っているんだ!こんなに長い話普通は覚えてないし書けないよ!などと思いながら読んでいました(笑)

  • 我恐怕竹井先生, 不怕宝贝票。你知道, 不能买幸福。但是, 大概能买东西。她魅力什么?

  • 淡々と語るこの人物は…?と思いつつ、案外スラスラと読めてしまった。

    …救いようがなくて哀しい。

  • 昼休みに歯医者に行くといって職場を出たきり、不倫相手と逃避行した女は、同僚に頼まれて買った宝くじが当たり2億円を手にする。「土手の柳」のように運命に流され、翻弄される女の行く先にはとんでもない災難と恐怖が待っていた。その女の話を淡々と語る「夫」。「夫」って、誰だ?

    淡々と感情を交えない語りにより、事実がひとつ、またひとつと薄皮を剝がすように明らかになるにつれ、事態はどんどん深刻になっていく。
    物語がどこへ行きつくのか気になって、読みだしたらもう止まることができない。
    ほとんど余白のない450頁余りを息をつめて一気に読み通したかのような充実感。
    「夫」は何故、誰に向かって妻の身の上話をしているのか?それがわかった時の安堵感。ささやかにさす光に納得のラスト。さすが佐藤正午さん。

    この作品が日本推理作家協会賞を逃したときの受賞作2作に、貫井徳郎さんの「乱反射」が含まれていたらしい。「乱反射」なら仕方ないか~。でも、北村薫氏をして、「三作品に授賞できないことが恨めしい」と言わしめたこの作品。読んでよかった!

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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