長い廊下がある家 (光文社文庫 あ 42-4)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765910

感想・レビュー・書評

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  • 「長い廊下がある家」
    「雪と金婚式」
    「天空の眼」
    「ロジカル・デスゲーム」

    「長い廊下がある家」★★★
    密室とアリバイの問題。
    「雪と金婚式」★★
    時間とアリバイの問題。
    「天空の眼」★
    遠隔操作と心霊写真の問題。
    「ロジカル・デスゲーム」★★★
    モンティホール問題。

  • 『長い廊下のある家』
    火村英生シリーズ

    山奥で遭難した火村の学生・日比野浩光。たどりついた家で出会った心霊現象を取材する人々。編集者の市原朔太郎、心霊ライター九谷安寿、フリーカメラマン・砂子勇。遅れている宮松。2軒の家をつなぐ地下の長い廊下。長い廊下にかくされた怪談話。「レディ」と呼ばれる幽霊。地下の廊下を見学中に到着した宮松。市原、砂子ともめ帰ってしまった宮松。翌朝地下の廊下で発見された宮松の遺体。ドアにかけられた閂。砂子の借金。同棲していた安寿の関係。

    『雪と金婚式』
    火村英生シリーズ

    田所雄二、安曇夫婦の金婚式の夜降った雪。翌日発見されたはなれに住む安曇の義弟・重森弼。重森の関わった詐欺事件の被害者たちにかかった容疑。事件について重要な証言をすると言って出かけた雄二が転倒事故で記憶を失う。金婚式ように借りてきた降雪機の秘密。

    『天空の眼』
    火村英生シリーズ

    有栖川有栖の隣人・真野早織の相談。早織の生徒である広沢の心霊写真。心霊写真だと鑑定し友人に鑑定を依頼した支倉。廃屋の屋上から転落死した写真を鑑定した富士野。屋上の手すりの細工。心霊写真に写っていた植物にかくされた秘密。アリスの推理。

    『ロジカル・デスゲーム』
    火村英生シリーズ

    連続するトリカブト連続殺人事件。被害者たちはある人物と大金をかけた勝負をしていた。生き残った被害者。火村の授業をもぐりで聞いていた千舟傑。千舟に誘い出され監禁された火村。千舟の仕掛けたゲームの秘密。

     2011年1月18日読了

  • 久々に読んだせいか、スッゴく面白かった!

  • 短編4本。中でもロジカル・デスゲームはスイス時計の謎と肩を並べるぐらいの面白い作品。火村単独の話。
    あと、めっずらしくアリスが活躍する天空の眼は色々といつもと毛色の違う話でした。
    表題作の長い廊下のある家はどことなくホラーじみている。夏の暑い日に読むとすこーし涼しくなれそう。
    雪と金婚式、ミステリだというのに心が暖かくなる話でした。ラストのその光景を思い浮かべるととても美しい。事件と、ご主人に降りかかった災難さえなければ、だけど。

  • 火村とアリス。4つの短編集。

    長い廊下:東西の家を結ぶ地下の廊下。真ん中には扉。迷い込んだ学生。
    雪と金婚式:降雪とアリバイの時間が合わない。失われた記憶を推理する。
    天空の眼:火村ほとんど登場しない。アリスの推理。グーグルアース。心霊写真?屋上の手摺り。
    デスゲーム:3つのコップのうち一つにだけ毒。ターゲットとなった火村。

    とにかく、ロジカル・デスゲームがすごく面白かった!
    最近読んだ短編の中では一番。
    ドキドキの緊張感と火村先生の機転と。

  • 相変わらず読みやすく面白かった!
    表題作は私でもぼんやりトリックがわかる、わりと古典的な感じだったけど、それが故に文章に集中できて、この作者の筆を楽しめたと思う。
    雪と金婚式は、金婚式を迎えた老夫婦の優しい健やかな幸せがこのまま続くように祈りながら読んでしまった。有栖川有栖は優しい人に違いないと思わせるこの上品な筆致が本当に好きだなぁ。
    天空の眼はアリスが活躍するので驚いた(笑)いつどんでん返しがあるんだろうあるんだろうと読み進めて行ったので、最後にアリスみたいな空虚感は感じなかったな…。
    ロジカル・デスゲームは天空の眼とは反対にほぼアリスの出番なし。黒鳥亭殺人事件の中の一編と同じように火村が犯人と格闘する話だけど趣は違うなぁ。こちらの犯人の方が知的といえば知的だけど、どうだろうか。結局犯人は火村とのゲーム前の4人には確率問題ですべて勝利してたのか。犯人の言葉が巧みだったのかなんなのかわからないけど、私は確率は苦手だから納得するまでにちょっと時間かかっちゃった。

    201909 ロジカルデスゲーム再読
    すっかり読書から遠ざかり、ミステリ勘も鈍っていたけれど、再読したら割とあっさり腑に落ちた。三重の小島での期間限定隠遁生活がどんな感じだったのか知りたいな

    20191010 再読
    ロジカルデスゲームを読んだばかりなのでそれ以外の作品について
    「長い廊下のある家」アリスのぶっ飛ばし、火村の冷たい?仕打ちに笑ってしまった。
    准教授の教え子はたまに登場するけれど、彼の教え子だけあってみんな聡明。読んでいて気持ちのいい青年。

    「雪と金婚式」ギフト・ストーリーらしく、優しい気持ちになる作品。穏やか。まあ殺人事件は起きるんですが。
    初読が2013年の8月みたいだけれど、この年私は出産した。産後に読んでるんだな。全然記憶にないのは多分産後に読んだからだな。
    この作品に出てくる老人が起こしてしまった優しさの間違い、間違いなんだけど、わかる。
    私は自分が子どもを産んだことを後悔してないけれど、今のこんな世の中に子どもを産んでしまったこと、いつか子どもを世間へと放り出さなきゃいけないこと、いつまでも守ることはできないことに、子どもへの申し訳なさみたいなものを感じてしまう。
    子どもを持ったのは、親の希望だから。親の自己満足だから。夫と二人で過ごしていても楽しいけれど、子どもがいたらもっと楽しいだろうな、と思って子どもを作ったから。
    ‪子どもを持ちたいと望むのは親の傲慢で、子どもにとったらそれこそ「産んでくれと頼んだわけじゃない」わけで、そういうのは反抗期によくある幼い言葉であって今の自分は親に対しては思っていないんだけど、いつか子どもに言われてしまったらただ謝るしかない。
    私と夫があなた達と過ごしたくて、‬そのために産んだのだと。
    若い人への気持ちに、すごく共感してしまった。

    「天空の眼」これは確かに異色作。でも、アリスのこの行動力はずっとすごい。「鍵の掛かった男」での探偵ワーク、これを読めば納得。フットワーク軽い。これが作家的好奇心なのかな。

  • トリック等に斬新さは無いものの、安定した読み心地。
    読みやすいのでさらりと読めます。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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