犯人のいない殺人の夜 新装版 (光文社文庫 ひ 6-15)

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  • / ISBN・EAN: 9784334779795

感想・レビュー・書評

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  • '22年3月30日、読了。

    久しぶりの東野圭吾さんの作品、でしたが…うーん…なんだかイマイチ、かなぁ。でも、好きな作品もありました。

    「踊り子」と「さよならコーチ」が、好きです。どちらも、悲しい話でした。
    表題作「犯人のいない~」が、一番東野さんらしいかな、なんて思いました。この作品集中、一番トリッキーだったかな、と。

    星三つ、というか…四つに近いかな。でも、僕が読んだ東野さんの作品では、ちょっと┐(´ー`)┌期待が高すぎたみたいです。

    • shukawabestさん
      shukawabestです。お久しぶりです。まーちゃんさんで知った岡嶋二人に結構ハマっています。
      ホラーもお好きなまーちゃんさんとはちょっと...
      shukawabestです。お久しぶりです。まーちゃんさんで知った岡嶋二人に結構ハマっています。
      ホラーもお好きなまーちゃんさんとはちょっと好みが違う私ですが、次、心の余裕ができたら、浦賀和宏さん、チャレンジしようと思います。今後もよろしくお願いします。
      2022/03/30
    • まーちゃんさん
      shukawabestさん、お久しぶりです!いいね&コメント、ありがとうございます。

      岡嶋二人、僕は結局一冊しか読んでなくて…恐縮です。
      ...
      shukawabestさん、お久しぶりです!いいね&コメント、ありがとうございます。

      岡嶋二人、僕は結局一冊しか読んでなくて…恐縮です。

      僕は最近、古本で、「冥の水底」をゲットしました。朱川湊人さんは、次はこれを読もうと思ってます。

      浦賀和宏さん、是非トライしてみてください!でも、好みの分かれる作家さんかも⊙﹏⊙
      2022/03/31
  • 昭和のにおいを残す東野さん初期の短編集。叙述トリックによるミスリード、二転三転の展開など、どれも捻りの効いた作品ばかり。あっという間に読み切れた。

  • 母の介護をしながら毎日本を読んでいる。
    仕事を休んでいるものの、
    介護の片手間なので中々進まない。
    母の状況は変わらず悪く、
    予断を許さない状況には変わりない。


    本作は光文社文庫から出ている東野圭吾短編シリーズでもっとも分厚い本
    「犯人のいない殺人の夜」とは収録されている1作のタイトルではあるものの、比較的どの話にも当てはまるものがある。

    前半は面白かったけど、後半の話はあまり好みではなかった。

    お気に入りは「小さな故意の物語」

    エンドレスナイトでは、大阪時代に行っていた心斎橋のうどん屋が出てきて妙に懐かしくなった。
    グリ横の喧騒とは別世界の空間がまた素晴らしいお店

  • 7つの話からなる短編小説。
    特に2つ目の”闇の中の二人”が個人的に衝撃的なお話で好きです。読むたびに物語の進め方が好きだなと思います。

  • 短編だけど一つ一つ最後はなるほどと納得行くようにまとまってるなと思った。二回読んだけど同じように結末にはなるほどとなる。

  • 1980年代に発表された短編たち。
    私はどんでん返しミステリが好きなので、結構好みでした。
    東野圭吾作品の中では、「悪意」に近い感じかな。人の悪意、思惑、狂気が絡み合って、(一部の人間にとって)予想外の結末に向かっていく。

    「さよならコーチ」「犯人のいない殺人の夜」は特にそうだ。
    この手の話、好きだなぁ。もっと読みたい。

  • 短編でサクッと読みやすく、どの話も面白かった。
    個人的には【踊り子】が1番好き。
    結末がなんとなく予想できた話ではあるけど、実際にありそうだなと思って気に入った。

  • 小さな故意の物語 
    まさに小さな故意の物語で少女の少しの恋心が
    微妙に揺れて動いてしまったことから起きた事件。
    シャレの効いたタイトルでこうゆうユニークなのも良いです。

    闇の中の二人
    まさか子供だと思っていた息子が
    小さな息子の本当の存在を知って過ちを犯してしまった事件。
    犯人も悪いけれど事件のきっかけとも言える義理の母も
    誘発性があって悪い気がします。

    踊り子
    勉強に明け暮れていた少年が初めて人を好きになるという
    ことから転じてしまった事件。
    淡い恋心だったのに幻想になってしまって、
    この短編集の中では何も自分の手を下していないのに
    可哀想な事件でした。
    この少年が事実を知ってしまったらどうなるのだろうかと
    思ってしまいました。

    エンドレス・ナイト
    意外な所から事件のきっかけが生まれる。
    人のおいたちというのも意外と
    無視できないものだと思ってしまいました。
    いくら自分の育った環境で親が
    「大阪で商売を始めると何かにとりつかれたように
    人が変わるのだそう」と言われて嫌いになったとしても
    その後の環境で考えを変えるということが出来なかった
    のかと残念な思いが駆られた事件でした。

    白い凶器
    死んだ夫の形見のお腹の赤ちゃんを流産してしまったことで、
    自分を邪魔するものはどんな手段でも選ばないという事件。
    ラストはちょっと何かに取り憑かれているようで不気味な余韻でした。


    さよならコーチ
    このトリックを読んでいる途中で物理学者湯川シリーズの
    ガリレオのドラマの中にあった同じようなものを思い出しました。
    もしかしたら同じものだったかと・・・
    けれど今までスポーツ一筋で頑張ってきた選手が
    その選手生命が突然断たれてしまった時には
    一人の女性としての生き方を考えてしまって
    これもある意味可哀想な結末でした。
    ただこのコーチの傲慢さには怒りが出ますが。

    犯人のいない殺人の夜
    この短編集の中で一番どんでん返し感の強い作品でした。
    結末を読んだら思わず最初から振り返って
    読み返してしまい、文章のトリックにもやられたました。
    この作品あたりが最近の長編へと続いていっているような
    気がして東野さんの原点がここに出ていると思われる作品でした。


    初版本は1994年というひと昔前の話ですが、
    時代背景が今とは多少違っているものの、
    それはその時代を通ってきたものとしては
    それで面白さや懐かしさだと思って読めました。
    最近の長編小説とはトリックの規模などが違うものの、
    短編でもきっちりとしたトリックでまとまって
    読みやすく楽しめました。

    トリックの手法も様々な方法だったので、
    東野さんでもこんなトリックを使っていたのだと
    関心して読んでいました。

    あまり東野さんの短編集は読んだことがなく、
    初期のものも殆ど読んでいなかったので
    またこれで今とは違った面白さがあって新鮮でした。

  • 東野圭吾さんのミステリー小説を手軽に楽しみたいと思って手に取った短編集です。どのお話も内容が濃いのにまとまっていて読みやすく、お得な1冊でした。
    ただ、最後のお話だけとても難解……

  • 小さな故意の物語
    恋人の達也が死んだばかりなのに異性である主人公に家まで送ってとねだる洋子が怪しすぎた。しかも、物語が進むにつれて分かってくるのだが、主人公は達也よりも勉強が出来て、達也が諦めたサッカーも頑張っている、しかも身長も高いと来た!達也は部活のレベルの高さにしり込みをしてサッカーをやめるし、主人公に連敗するとおふざけの競走さえもしなくなるような情けないやつだと分かってくる。そりゃあ洋子も乗り換えたくなるよ!


    闇の中の2人
    信二の様子から信二が殺したんだろうなと思った。主人公に香水をつけさせたところから、もしかして継母に好意を抱いているんじゃないかな?と思った。案の定、警察は信二が赤ん坊を殺した犯人として特定するが、まさか赤ん坊が信二の子どもだったなんて。。。継母である麗子が悪い!!浮気者!!!
    本当に『赤ん坊は殺害するべからず』ルール作って欲しい。。。


    踊り子
    黒田くん、疑ってごめん。黒田の元カノが踊り子なのでは?黒田が踊り子を殺したのか?と変に疑ってしまった。誰も救われない悲しい話だった。もし、スポーツドリンクの存在に踊り子が気づいていれば、踊り子は自分に自信が持てて、自殺なんてせずに幸せになったかもしれない。にしても、勝手に体育館を使われたからといって土下座させたり道具ぜんぶ磨かせたりするのはやり過ぎでは?
    黒田くんの元カノの名前は出てきたのに、結局、踊り子の名前は最後まで明かされないままだった。。


    エンドレス・ナイト
    主人公が犯人だった。刑事さんが主人公を連れ回すからなんか怪しくない?と思ったけど。。いい刑事さんでよかったね!ところで本当にナイフを持ったまま揉み合ったりすると、うっかり体に刺さることってあるのかな?


    白い凶器
    「白い凶器」は煙草の副流煙のことだった。夫を事故で亡くし、身篭っていた子どもさえも失った由希子は、流産した原因は同じ職場にいる喫煙者のせいだと考え、殺してしまう。
    序盤で、犯行後の2人の会話がある。殺人犯とそれを目撃した由希子の会話のように見せかけて、最後にぜんぶ由希子の独り言(死んだ子どもと会話している)と分かる。
    殺人犯は、由希子に好意を寄せている森田か?自動車修理工場で働いている義弟か?と考えさせておいての結末。赤ん坊の人形を抱きながら、死んだ子どもだと思って会話するって悲しすぎる。
    この話は全世界の人に読んでほしいな。。副流煙の危険性をわかって欲しい。。


    さよならコーチ
    自殺するところが映ったビデオを残し、死んだ直美。第1発見者としてコーチが通報し、刑事から事情聴取を受ける。
    実はそのビデオは1年前のもので、そのときはコーチが助けに入ったため、直美の自殺は未遂に終わる。その後、直美とコーチ(妻帯者)は不倫関係になるが、直美がコーチに結婚を迫ったことで殺害を決意。自殺未遂時に撮られたビデオと同じ状況を作り、直美を殺す。睡眠薬で眠らされる瞬間、直美は「さよならコーチ」と呟く。直美は殺されることを分かっていた。自殺と処理されないようにこっそりと直美はビデオを撮り直し、その小さな矛盾に気づいた警察に主人公は逮捕される。


    犯人のいない殺人の夜
    岸田家に雇われていた家庭教師の安藤由紀子が殺された日の<夜>と現在進行形で進んていく<今>を行ったり来たりしながら物語は進んでいく。

    登場人物
    拓也…主人公。医学部中退。岸田家の家庭教師。
    雅美…拓也の恋人。岸田家の家庭教師。
    岸田創介…有名な建築家。
    岸田時枝…創介の妻。
    岸田正樹…創介の前夫人の息子。
    岸田隆夫…創介と時枝の息子。
    安藤由紀子…岸田家で何者かに殺された。
    安藤和夫…由紀子の兄。失踪した由紀子を探すため、岸田家を何度か訪れる。

    由紀子が殺され、拓也は創介に事件の隠蔽を頼まれる。みんなで由紀子は岸田家に来たことがないと口裏を合わせ、和夫と警察から逃れようとする。
    結局、拓也の失言などにより、警察から逃げられないと悟った岸田家。隆夫が由紀子を殺したと自首する。
    隆夫が捕まったあと、刑事が拓也のもとを訪れる。由紀子の死体の食道にはガムが詰まっていたが、自首した隆夫の話では、ガムのことは知らないと言う。ガムは、拓也と正樹が由紀子の死体を埋めに行く前、創介が正樹に渡したものだった。
    実は、拓也と由紀子と正樹が共謀して、殺人事件の隠蔽をネタに創介からお金をむしり取る計画(由紀子は殺されたフリ)だった。しかし、そう思っていたのは由紀子と正樹だけ。拓也ははじめから由紀子を殺すつもりだった。

    <夜>に登場する「雅美」と呼ばれる女性は、実は由紀子。 由紀子は岸田家に潜入する際、拓也から与えられた偽名が「雅美」だった。
    由紀子が殺された翌日、由紀子の代わりに家庭教師としてやってきたのが、拓也の恋人である本物の「雅美」。
    拓也にとって、由紀子は金ヅルでしかなく、妊娠したことをきっかけに拓也に結婚を迫っていた由紀子は邪魔でしかなかった。

    読み終わったあと「えっどういうこと?由紀子が雅美?雅美は2人いるってこと?」と混乱した。雅美(由紀子)視点を読み返すと、(なるほど!死体のフリしているから拓也と正樹以外の前では話せないのか)などと納得するところがあった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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