江ノ島西浦写真館

著者 :
  • 光文社
3.23
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本棚登録 : 907
感想 : 124
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910662

感想・レビュー・書評

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  • 「ビブリア古書堂」の古書店を歴史ある写真館に、古書を古い写真に置き換えたような感じ。心に傷を抱えた人間を引き付けてしまう写真館という設定だけに、ストーリーは全体的にセピア色。そんな中で、江ノ島といえば忘れちゃいけない存在の猫に重要な役が割り振られているのが猫好きには嬉しい。

  • +++
    江ノ島の路地の奥、ひっそりとした入り江に佇む「江ノ島西浦写真館」。百年間営業を続けたその写真館は、館主の死により幕を閉じた。過去のある出来事から写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭は、祖母の遺品整理のため写真館を訪れる。そこには注文したまま誰も受け取りに来ない、とごか歪な「未渡し写真」の詰まった缶があった。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥と共に、写真の謎を解き、注文主に返していくが―。
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    ビブリア古書堂の趣をそのままに、舞台を江ノ島の写真館に移したような物語である。主人公の繭は、写真館を営む祖母の手ほどきで、写真に興味を持ち、専門学校に通うようになるが、そこで、自分の考えの足りなさから、自ら撮った写真によってある人物を傷つけてしまう。それをトラウマとしてずっと胸に抱え続け、それ以後カメラさえ手放して写真から遠ざかる暮らしをしていたが、祖母が亡くなり、遺品整理のために写真館を訪れなければならなくなった。そこで出会った真鳥秋孝や、残されていた未渡しの写真に絡む謎を、繭が解き明かしていくのである。閉じられた写真館に残された写真、というどこか暗い雰囲気が、繭の心象ともマッチしていて、趣きのある風景になり、しっとりとした時間が流れる印象になっている。ラストの種明かしには、閉じられていた窓を開け放ったような明るさが感じられて、ほっとさせてくれる。やさしい一冊である。

  • わたしと同じ名前の人。わりとつまらなかった。前も光文社のフォントいやだなって思ったことあったけど、フォントが苦手と思ったら光文社だった。それと、こういう表紙が嫌なの。そうやって、内容以前に嫌だ嫌だと思ってたので相当つまらなかった。

  • ほんのりした物語です。BSプレミアムのドラマのようです。

  • 江ノ島の路地の奥、ひっそりとした入り江に佇む「江ノ島西浦写真館」。百年間営業を続けたその写真館は、館主の死により幕を閉じた。過去のある出来事から写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭は、祖母の遺品整理のため写真館を訪れる。そこには注文したまま誰も受け取りに来ない、とごか歪な「未渡し写真」の詰まった缶があった。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥と共に、写真の謎を解き、注文主に返していくが―。

  • とある事件によりカメラにトラウマがある繭が、亡くなった祖母の遺品を整理してついでに謎を解いて、次第に過去に向き合う展開。祖母は偉大だ。ネガだの現像だのは実験でしか知らないので、作中の出来事がなかなか想像できなくてちょっと困った。

  • なんだか不思議な雰囲気のミステリだ。
    2016/2/13

  • 江ノ島にある西浦写真館を舞台とした青春ミステリ。ちょっと後ろ向きすぎる主人公にはイライラさせられますが、ミステリとしてはなかなか良く出来ていると思いました。でも、結末はもうちょっと突っ込んで欲しかったな。

  • 亡くなった祖母の写真館を片付けるために訪れた孫娘・桂木繭が遺品の中に「未渡し写真」を見つけ、イケメンの真鳥秋孝と共に写真に秘められた謎を解いていきます。舞台が江ノ島である必要性を感じられないのと、繭という女性の人となりがいまいち伝わって来ないのは残念なところですが、謎解きはなかなか面白いですし、エピローグで余韻を残す終わり方も良いです。
    一番面白かったのは第二話の繭が写真の世界から距離を置いた理由が明かされる話。繭と幼馴染みの関係がどうなっていくのか気になりますし、『ビブリア古書堂の事件手帖』でも登場したあるキャラが絡んで来て読ませます。

  • 残された現像された写真にまつわる謎を解くという話としたかったと思われるが、個人の写真というあくまでもプライベートの謎なので謎としての深みはない。謎を解明する主人公も過去の経緯からという設定かもしれないが、キャラが立っていないので、同じ作者の本にまつわる謎解きの主人公の様な立ち回りを期待されている割に、キャラを変えようとしたが故に、その過去が読者の共感を得られない設定であり、成功したシリーズの様な主人公を期待する向きにはかえって逆効果となっている。

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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