カササギたちの四季

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927431

感想・レビュー・書評

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  • 道尾さんにしては珍しく明るいお話でした。

  • 道尾小説の明るい方。キャラ小説っぽいけど、カササギはそれほど魅力的に描かれていない。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.10.5読了

    面白いと思う。
    ただ、もう面白いというか好きです。

    この作家は、よく暗いとか哀しいとか評されていることがあるけれど、私はそうではなくて、ただ静かなんだと思う。
    だから、絶望の話でも、爽やかな話でも、全体のトーンは変わらない。そして、気に入っていることは、どちらの話でも、人を見る目が温かい。とくに子ども、なかでも男の子を書かせたら、その見る目の温かさと相待って、バツグンです。
    一方、女の子や女性の描き方は、他の作家と比べたら、ほんの少し落ちるかな。

    もう、評価というよりは好きなので、OKです。

    ただ、希望を言えば、暗くても、売れ線じゃなくてもいいから、人のもっと深いところに踏み込んだ様な、そんな小説を読ませてもらいたいです。

  • リサイクルショップ・カササギの面々による4つの小さな(?)謎解きのお話。
    サラサラ読めました。

  • リサイクルショップを経営する男二人と、とある事件から居着くようになった女子中学生が、関わる小さな4つの事件。
    店長の華佐々木はとんでもな推理を自信満々に披露する残念な探偵役。語り手の日暮はその推理を本物にすべくこっそり奔走する。
    すべては彼女を落胆させないために。

    内容的には日常の謎で、派手さはないけどやりとりが面白いし、じんわりいい話なエピソードが多い。
    けど、何かどんでん返しがくるんじゃないかと身構えていたので、何もなくあっさり終わってしまったのでやや肩透かしな印象。

  • 4つの話からなる連作短編集。
    特にどんでん返しもなく、静かな雰囲気の話。
    奇妙な3人だった。楽しめた。

  • 家族の在り方を問う人情探偵小説。

    ・鵲の橋
    ・蜩の川
    ・南の絆
    ・橘の寺
    の4編収録。
    リサイクルショップの居候を主人公に似非探偵の店長と入りびたりの女子中学生が活躍する。
    先の2編で主人公たちのキャラや物語のパターンを確立させ、残り2編で変化球をなげる王道的な連作。
    頓珍漢な店長の推理が破綻しないようにフォローしつつ、真相を突き止め人道的に解決する日暮が優しくてよい。
    いつもの道尾作品と比べてトーンが明るくノリもライトで、設定からも三浦しをんの「まほろ軒」を髣髴させますが、道尾作品では「カラスの親指」に近いと思います。
    道尾作品は癖があったのですがいろんな作風で物語が生み出せるようになられた上、作品の出来も安定して読みやすくなったと思います。
    たぶん続編で、日暮と華沙々木店長の過去を描くのではないでしょうか。

  • それはそれはあっさりと読了。

  • 春夏秋冬、4つの連作短編集。直木賞受賞第一作だそうだけど、タイプは全然違う。もっとライトミステリだった。こういうのはこういうので嫌いではないけど、残るものがない。内容もすぐ忘れちゃうなー、って感じ。主役の日暮さんが華沙々木となぜ一緒にいるかがわからん。まあ憎めない奴なんだろう。最後のお寺の父子の話はちょっと泣けた。続編があってもおかしくない感じだけど、ないかな。

  • 直木賞受賞第一作
    泣かなくていい。
    君のために、世界は美しいから。
    「リサイクルショップ・カササギ」には確かな修理技術と、少しの秘密がある。
    あなたが素直に笑えるよう、真実をつくりかえることもある。
    ひそやかに、大胆に。
    世界をひっくり返し、真実をつくりかえてみせよう。
    彼女を、落胆させてはならない。
    第16作。第四連作短編集。
    形式:一人称小説(語り手:「僕」(日暮正生))。

    ―春―鵲の橋
    「マーフィーの法則」を片手に、飄々とした雰囲気を漂わる、「リサイクルショップ・カササギ」店長で主人公の華沙々木丈助。
    その華沙々木に唆され副店長に座っている、本当の主人公であり語り手でもある日暮正生(僕)。
    そんな彼らのもとにしょっちゅうやってくる中学生、南菜美。
    第一章の今作は、全体の導入部でもあり、彼らの大まかな紹介とともにある事件が語られる。
    「烏鵲橋」を形どった銅像をめぐる放火事件。
    華沙々木の予見した(させられた)解と、日暮の推理。
    事の顛末は穏やかなものであればいいのだ。

    ―夏―蜩の川
    彼らのもとに大口取引の話がきた。
    家財道具一式が必要だと言われ、赴いた木工房所では些細な事件が起きていた。
    その「神木損壊事件」の真相とは。
    華沙々木の飛躍した推理は誰にも想像がつかない。ただ一人を除いて。
    夏の蜩の声のように、理想と現実には埋めようのない隙間が存在する。

    ―秋―南の絆
    ある秋の雨の日、華沙々木たちは1年目の出逢いを思い出していた。
    家財道具を処分してほしいとの依頼で、向かった一軒家で、彼らは南見菜美という小学生と出逢う。
    父親が不在となったらしその家で、彼らは母と娘との間にいがみ合いが生じているのだと感じる。
    その家に泥棒が入ったらしい。
    例によって首をつっこむ華沙々木と、初めて彼のために働かされることとなる日暮。
    家族はふたたび結びつくことができるはずだ。

    ―冬―橘の寺
    「結」を飾る本作は、いつも使い物にならないものを高値で買わせる和尚が、オーディオを購入し、財布に金があるとこれまでの四季の導入部と異なっている。
    彼に無料で庭の蜜柑捥ぎに招待された華沙々木たちだったが、やはり和尚の方が一枚上手。
    雪が強くなったため寺に泊めてもらうことになった彼らに、翌日案の定事件が待ち受けていた。
    「蜜柑籠」に意外な意味があって驚き。
    蜜柑の接ぎ木の話にほっこり。

    ……ということで、これは本当に道尾さんが書いたの?とも思ってしまうほどいい意味でユルイ作品。
    キャラクター小説でもあり、そのクセちょっと魅力的に思えなかった。
    また、日暮がことあるごとに「彼女を落胆させてはならない」というのも、
    そこまでの理由かなとも思ってしまうのでした。

    ミステリ:☆☆☆
    ストーリー:☆☆☆
    人物:☆☆☆☆
    読みやすさ:☆☆☆☆☆

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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