火星に住むつもりかい?

著者 :
  • 光文社
3.50
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本棚登録 : 3603
感想 : 516
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929893

感想・レビュー・書評

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  • ひとつひとつの言葉を丁寧に読んでいけば、最後に全てのピースがはまって救われた気持ちになる。伊坂作品らしさが詰まった1冊。
    平和警察という一見バカバカしい仕組みも、やすやすと大衆に支持され権力に利用されるという恐ろしさ。時代への警鐘でもあると感じた。

  • 最後まで展開が読めず、ハラハラドキドキでページをめくってました。情報操作の恐ろしさ、異常な状況が当たり前になっていく。本作はフィクションなのに、こんな未来が想像できて怖くなりました。

  • 他の人の評価が低かったのは意外だった。
    設定は確かに怖い。平和警察のような監視社会は、実際ありそうに感じる。
    でもかなり無理はある。現実的でない、と思いたい。
    酷い拷問を想像させる描写も多々あった。
    ただ、設定は設定であって、その状況下で人はどう考えてどう行動するか。そこに焦点をあてると、とても引き込まれた。
    善意とは何か。良かれと思ったことが偽善と言われる。
    偽善とは何か。単純に心の中では反対の感情なのに表面的に優しい行動のことだと思っていた。でも、その内面と行動の違いは自分しか分からず、他人の評価で決まるのも確か。それってとてつもなく切なくなる。正義もしかり。
    どんなにいい人でも、死に方は選べない。だからと言って、普段から全力でしたいことだけをしてはいられない。
    伊坂幸太郎さんの話だから、最終的には丸く収まると信じてたから最後まで読めた。
    臼井と真壁のことは、引っかかりながらも気づかなくて、他の人の考察で知って納得。
    いい人が、底抜けにいい人という訳でない、人間味のあるところがよかった。
    人に勧めたいし、また、いつか読み直したいとも思う。

  • ゴールデンスランバー、魔王など伊坂幸太郎の作品には、公権力/暴力装置の危うさが描かれているものも多いが、本著もその系列に並ぶ。狂気をはらんだシステムが非常にわかりやすく描かれいて、今の自分が置かれている状況がある程度まともでよかったと思うとともに、こんな世界がありうるんだろうという恐怖も感じた。タイトルや、登場人物の行動から突拍子もないラストなのかと思いながら読み進めたが、まあ納得できる内容であった。

  • 初めての伊坂幸太郎、読了。社会派推理小説、すごく読み応えがあって良い。勧められて読んでみたら完全にハマりました。現代版魔女狩りの設定がなかなかエグくて、前半はずっと辛さが込み上げ、読み進まず。全体としてはミステリーだからこそ、なんとか辛さも半々で読み切れました。謎解き的な、なるほどね!は無いものの、人間の弱さを考えさせられる中身で、1冊読み終えて、少し大人になれたように感じております。1冊毎の重みが半端じゃなさそうですが、まだまだ伊坂幸太郎、手をつけていこうと思います。

  • 展開が二転三転して面白かった。途中まできれいに終わるのか?と思ったものの結局もやもやしない終わり方でとても読み終わりの余韻も良かった。

  • 『平和警察:近未来の日本を描くエンタメ小説』

    最後の最後まで、ハラハラ、ドキドキ
    久しぶりの爽快感!

    エンタメ小説として楽しんだ一方で、世間の目を気にして言いたいことも言えない日本の近未来を見ているようで、ゾッとした。

  • 平和警察により抑圧された監視社会を描いたディストピア小説。モヤモヤとした気持ち悪さを感じながらも、なんとなく惹きつけられてしまう不思議な魅力のある作品。好きではないが、嫌いにもなれない感じ。

  • この重い(&怖い&不気味な)テーマを、ノリのいいロックを聴いているが如く読まされてしまうマジック。
    伊坂ワールド恐るべし。

  • 「正義」「平和」「偽善」が入り混じった内容。展開はとても好きだった。
    伊坂作品でよく思うのは、「読むときは、短期間で集中して」読まないと
    読者として、伏線回収ができない。
    大どんでん返しをお家芸にする作家さんなので尚更であるww
    ゴールデン・スランバー同様、ディストピア系の小説。
    人の深層心理を操るとか煽るとか、そこに恐怖を感じた。

    気力を要する作品だったけど、なぜか嫌いではなかった。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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