- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336040237
作品紹介・あらすじ
振り上げたなら斬り落とせ!婚礼の夜、はてしない殺戮がはじまる。
感想・レビュー・書評
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何かが起こりそうで別に起こらない、あら大変、くらいのエピソードが重なり、重なり、そして。おそらく読書経験上最も衝撃を受けた作品の一つ。マジで文学を破壊しています。ネタバレというか、読む前に絶対にパラパラめくらないでほしい。袋とじにしてほしいくらい。
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スカトロと殺戮が様式美の域にまで高められてもう神々しい。
ソローキンの破壊衝動は毎回気分が悪くなるくらいなのだが何故か心魅かれてしまうんだよなあ。他の作品でもそうだったのだがこの本でも破壊衝動の中にリビドー的なものが感じられるので、ソローキンの中の愛みたいなものと繋がっているんだろうか。いや、もし愛だとすると最悪な愛なんだけれど…笑。 -
完膚なきまでにやられました... 放心
こんな読書体験はちょっと他にない。 -
ドストエフスキーの『罪と罰』でラスコーリニコフとソーニャは2人が向き合った時長い沈黙が訪れる。その時訪れたものは罪→信仰であった。しかしソローキンの『ロマン』でロマンとターニャ2人に長い沈黙の後、木の鈴の音と共に訪れたのは何であろうか。淡々とフルネームで人名。斧。そして動かなくなった。人名。斧。そして動かなくなった…と繰り返すのは旧約聖書にある書式。そしてラストの行為は聖体拝領。神に愛しい物を全て捧げたのだろうか。聖なる行為とグロデスクの対比がすごい。どちらにしても前代未聞の後半だった。うぷっ。
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第1巻末の狼との格闘、そして婚約して翌日結婚式というありえない展開に、じわじわと虚構性が高まる。「はいこれはお話なんですよ」という警告のようだ。
どんどん強まってきた大仰さにうんざりして(幸せなカップルが見つめ合うってほんとうにほんとうにどうでもいい)、後半の祭りだけを楽しみに読み、その祭りの「全部載せ」に感動。ソローキンなのにアレはないのか?って思ってたらちゃんとあったし。あの、みずみずしく立体的な世界と人がどんどん紙人形みたいになっていくところは実によくできている。テクストの効果というものを端的に見せてくれる本。 -
怒涛の残り百ページ。
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単行本で既読。