アーサー・マッケン自伝

  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336075956

作品紹介・あらすじ

アーサー・マッケンの自伝的作品『遠つ世のこと』と『遠近草』の二作品を完訳!ケルト人の土地ウェールズ寒村の牧師館に育った孤独な少年が体験する、暗い迷路のような森や銀色の小川の妖精郷と一体となった神秘感。文筆業を志して十八歳で上京した世紀末の魔都ロンドンでの、赤貧洗うがごときの悲惨な生活や通過儀式めいた数々の冒険。とある古本屋の仕事から始まった、『カサノヴァ回想録』や『エプタメロン』など艶書奇書の翻訳作業。悪罵極まるさんざんな世評を浴びた、『パンの大神』ほか自作小説の顛末。奇奇怪怪なオカルト秘密結社、《黄金の夜明け団》との謎のかかわり。愛妻の死の深い傷心を紛らわすためにズブの中年素人が飛び込んだ、役者稼業の奇想天外なるエピソード……。「ウォンドル川の黒い流れから程遠からぬ家の裏手で、少年が赤い帳面に韻文を書いているという問題は、まさしく宇宙の謎の一つである。それはむしろ入れ子の判じ物で、謎のうちにまた謎がある。」限りなく美しく不可思議な心象風景と、自己の一貫した強い文学的信念——《告白の作家》アーサー・マッケンの夢見る魂が綴る、小説以上に夢幻的な傑作自叙伝。本邦初訳。

感想・レビュー・書評

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  • 新刊のお知らせ『アーサー・マッケン自伝』『カーミラ』 - 猫 城 通 信/南蝶食単
    https://atthetable.hatenablog.com/entry/2023/11/05/035355

    シドニー・サイム ~炭鉱から画壇へ躍り出て、アイルランドの幻想作家ロード・ダンセイニを支えた芸術の匠~|Dan Seiga
    https://note.com/dunsany1878/n/n2c3fe22b0c96

    アーサー・マッケン - Webcat Plus
    http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/2343568.html

    アーサー・マッケン自伝|国書刊行会
    https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336075956/

  • 『アーサー・マッケン自伝』(南條竹則訳,国書刊行会2023年12月第一刷)の感想。
    巻末の解説によると、アーサー・マッケン(1863-1947)の自伝的作品『遠つ世のこと Far Off Things』と『遠近草 Things Near and Far』を訳して一冊に纏めたのがこの本。
    マッケンの自伝については、短篇集の解説などでたびたび目にし、機会があったら読みたいと思うて居た。それがこの度、南條竹則氏の翻訳で国書刊行会から刊行されました。紙も印刷も美しい。全く有難いことです。
    実は『完訳・エリア随筆』が私には難解だったので、社会的背景を理解していないと外国人の自伝的作品は難しいかもと思いつつ読み始めたが、語りがうまい所為か、訳注にも助けられスラスラと読み進めることができました。マッケンさんは優しい。
    内容は、故郷カーリオン・オン・アスクの事、ロンドンでの生活、劇団での逸話などの過去が途切れなく、随所に著者の信念の表白を交えて語られる。これはだいたい本書を読む前にマッケンについて抱いていた印象を裏切らない。神秘体験の条は、解説にもある通り、読みどころの一つ。
    読後感は『生活のかけら』に近いものであろうか。酸いも甘いも噛み分けた大隠の昔語りが穏やかな境地に誘うてくれます。
    そして全体に文章が好いですね。「この世には強すぎて地上の器には容れられない葡萄酒があるのだ」のような文は繰り返し味わいたい。

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アーサー・マッケンの作品

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