昔はおれと同い年だった田中さんとの友情 (ブルーバトンブックス)

著者 :
  • 小峰書店
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338308052

感想・レビュー・書評

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  • ★5.0 
    とにかく文句なしに大好き!85歳の田中さんは勿論、三重奏な少年たちが本当に優しくて、読みながらニコニコしてしまう。そして、コーラ噴出からの鼻血ティッシュで爆笑させておきながら、子ども時代の田中さんが体験した戦争でしんみり切なくさせる。その緩急の付け方が見事で、笑ったり泣いたりと良い意味で大変だった。が、何よりも、ラストの幸せな寂しさが堪らない。拓人が中学生になったら、田中さんとの交流はほとんど途絶えると思う。それでも、田中さんと過ごした時は決して色褪せない。懐かしさとほろ苦さの余韻が素晴らしい。

  • 小学6年生のスケボー大好き男の子三人組.ひょんなことで神社の参道に住む田中さんと出会い,その出会いが三人を素直に成長させていく.にこにことなんでも受け入れてくれる田中さんの優しさの陰に寂しさが見え隠れして胸が痛くなったけれど,子供達の思いやりに救われました.

  • スケートボードに夢中な小学生男子の三人組は、神社の管理人をしている老人「田中さん」に成り行きで怪我をさせてしまったために、「田中さん」の生活の手助けをすることになる。

    田中さんの人柄に少しずつ惹かれた彼らは、かつて、田中さんが自分と同い年の少年であり、どんな人生を生きてきたのかを知る。

    少年と老人の友情、という王道のハートフルな物語。

  • 椰月さんの書く少年目線の物語、やっぱ好きだなー。淡々としているんだけどどこかあたたかい。田中さんの好きな食べ物でチョコバナって答えたシーン結構泣きそうになった。戦争を知らない子どもたち。そう遠くない未来に戦争を知る大人がいなくなる。きちんと語り継がなければいけないたくさんな大事なこと。

  • 拓人(=おれ)、忍、宇太佳の“三重奏”三人組はスケボー仲間の6年生
    あるできごとがきっかけで、骨折した田中さんの身の回りの世話をすることになる

    85歳の田中さんは神社の境内にある簡素な家に一人で住んでいる管理人
    “おれ”たちは、話を真剣に聞いてくれる田中さんのところに行くのが楽しくなってくる

    「どうしてですか? ずっとここに一人でいるんですか? なんで?」

    田中さんの身の上話を聞きいた“おれ”たちは担任の先生にかけあって……

    「あ、あの、おれたち、田中さんを学校に呼びたいんです! 田中さん、戦争の語り部をしてるんです。戦争体験を学校のみんなにぜひ聞いてもらいたいんです!」
    「田中さんって、めちゃいい人なんです。みんな好きになると思いますっ」

    「毎日小学生新聞」の人気連載(2018.10.1-2019.1.7)に加筆して単行本化
    思春期の入り口にいる少年たちと、74年前に同い年だった老人との友情物語

  • 難しい事を考えず、スルスルと読めました

  • ラストがっ。ラストで鳥肌が立ちました。
     衝撃的とかそういうことではなくて。
     ああ、この人はわかってる。そんなラストで。他には考えられないくらいにこれしかないラストでした。
     主な題材として、戦争体験が用いられてはいますが、これはもう本当に友情の物語です。
     ああ、そうだった。友情の根っこってこういうものだと思い出します。誰かとつながるってこんな気持ちだったって、あらためて言葉にして認識するような気持ちになります。
     読んでよかった。
     時間が流れて、戦争の話はなんだかまるで道徳のお話みたいで、感情が動く物語にはなりづらくなってきたような気がしていました。「こんなふうに感じるべきです」みたいな圧がなんとなく感じられて敬遠したくなるというか。
     でも、この本は、違います。
     だって友情の物語だから。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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