まいまいつぶろ

著者 :
  • 幻冬舎
4.12
  • (109)
  • (130)
  • (53)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 1241
感想 : 127
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344041165

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 麻痺のため口が回らず、誰にも言葉が理解されない。歩いた後には尿の跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ蔑まれた君主、第九代将軍家重。彼の側に控えるのはなんの後ろ盾もない小姓の兵庫だった。兵庫だけは家重の言葉を理解し、常に家重を支え続けるが…。
    家重の父である吉宗は有名ですが、家重はあまり知られてないのが残念です。初読みの作者さんでしたが一気読みでした。

  • 徳川9代目将軍を題材にした小説は極めて珍しいのではと思うが、人選とテーマの選定ともにとても味があって良かった。ただ素敵な小説だったからこそ欲を言えば後半が少しおとなしいというかドラマがもうちょっと欲しかったかなぁ。

  • よしながふみの 大奥 を読むまで家重のことは知らなかった。
    尿の後を残すので まいまいつぶろ。あらすじですぐに家重のことだとわかったので読んでみた。
    読んでいる途中は涙が出たし、田沼意次や大岡忠相、知っている人物や歴史上のエピソードが出てきて流れるように読むことができた。
    (薩摩藩の美濃治水の話を本で読んだのは初めてだった。この時代のことだったか、とようやくわかった。)
    家重による ざまあ があって、読後感も悪くないのだが、この本を後から読み返したくなることがあるかは疑問。

  • 実在の障害を背負った将軍と、彼を支え、活かした人々の物語。現代に欠けている、他人への労り、人の立場と気持ちを理解しようとする想像力、清廉な想いと身の振り方、それらが全て詰まった一冊。電車の中で、思わず涙が出そうになりました。作者は、司馬遼太郎の秘書?をした人物だそうで、他の作品も読みたくなりました。

  • まいまいつぶろはでんでん虫のこと。8代将軍吉宗と町奉行の大岡忠相は今テレビの5チャンネル朝4時からの番組の暴れん坊将軍でもあるがそのあとの9代将軍の家重の物語だ。感動を頂いた。

  • しっかりと胸に刻まれた作品―
    天命を全うすべく、出会ったふたり。
    出自と身分は違えども、
    心は強い絆で結ばれていた。
    孤独の程は計り知れないものだが
    わかりあえるものがいることで、
    どれほどの励みになったことだろう。
    過酷な苦難にも互いを支えあい
    立ち向かうことができたのだろう。
    人は生かされている。
    そして、人が人たる所以を
    あらためて感じさせられた。

  • 読んでいて涙が滲む。言葉にされない苦しみや悲しみ。理解する歓び。理解される歓び。後半は散漫で冗長に感じたが、それでも心に残る一冊。

  • 2024.04.08

  • 2024.3.9

  • 村木嵐『まいまいつぶろ』(幻冬舎)を読む。徳川9代将軍家重と「その口」となった大岡忠光(兵庫)の主従関係を描いたもの。口とはなっても目とも耳ともならないことで滅私に徹した忠光の家臣ぶりが見事。

全127件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

一九六七年京都市生まれ。会社勤務等を経て、司馬遼太郎氏の夫人である福田みどり氏の個人秘書を十九年間務める。二〇一〇年『マルガリータ』で第十七回松本清張賞を受賞し、作家デビュー。

「2022年 『せきれいの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村木嵐の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×