- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344041165
感想・レビュー・書評
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都合良い感じに話をすすめているのに、あざとさや嫌らしさよりも、こうであったら救われるという優しさや願いを感じるから不快に感じずに読めた。最後まで一緒に歩く相手がいれば生きていけるし、生きる糧にもなる。最後の息子同士の会話が感涙のあとの心地良い笑みで良かった
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★実在したのかという驚き★発話や身体の動きが不自由でも、知能が鈍いかどうかはまた別の話。それは分かってはいるが、人はどうしても見た目に引っ張られる。ALSもそのひとつだろう。ままならない身体という監獄、さらに将軍の血筋という侮られてはいけない立場の苦しみ。それが通訳を通してでも解消される喜びと周囲の驚きに惹きつけられる。
通訳として、忠光がなぜ自分の生活を完全に投げ打ってまで家重に仕えたのか。吉宗の子という立場での余人には想像もできない苦労に感じ入ったようだが、もうひとつ奥行きを知りたかった。 -
昨年、直木賞を受賞した「極楽征夷大将軍」を手に取ったの...でついで買い⁉︎した当作品。
先に読み終えてしまった。 -
障害ゆえに馬鹿にされてきたからこそ、支える方も支えられる方も互いに人の痛みが分かる。非のうちどころのない名君に名補佐。この時代を生きた人々は実は恵まれていたのかも。主従関係を超えた友情と絆って実に美しい。
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先月の直木賞候補に上って、惜しくも受賞は逸した話題作。
昨年5月刊で、手元にあるのが今年1月の第15刷。すごく売れているのだ。
重い障害を持ち、言葉も不自由だったと言われる九代将軍徳川家重と、ただ1人彼の言葉を解した小姓の絆を描く。
将軍の座を巡る熾烈な権力闘争とか、家重と正室・側室とのラブストーリーとか、様々な要素がからむ。
八代将軍吉宗、大岡越前、田沼意次など、なじみ深い面々も重要キャラとして登場する。ある意味ゴージャスなエンタメ小説だが、中心軸となるのは障害者の深い孤独を巡る描写なのだ。 -
一言二言ならともかく、読唇術みたいに、家重の心を読んで、台詞回しみたいに忠光がしゃべるわけないだろうと思った。歴史的な事実も小出し・継ぎはぎで繋がりがなく、ストーリニーに一貫性がなかった。登場人物も次から次に変わり、しかも、たまに家重もしゃべったりするので、途中誰がしゃべってるのかわからなくなってくる。なんで評価がいいのかわからなかった。
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まいまいつぶろじゃと指をさされ、口がきけず
幸いであった。そのおかげで、私はそなたと会うことができた。もう一度生まれても、私はこの
身体でよい。忠光に会えるのならば。
泣けました。 -
日本婦道記とかこういう作品を
時々読んでおかないと
日本人としての道を見失ってしまう気がします。
ひととき心清らかになりました。
ありがとうございます。