虚貌 下 (幻冬舎文庫 し 11-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 163
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403468

感想・レビュー・書評

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  • こちらは下巻。

    犯人は惨殺された一家の生き残った弟だった。老刑事の読みは当たってた。上巻の途中で、姉は自殺したと記述があるけど、弟はどうなんだろう?と疑問が出て来たので、滝中刑事が、弟が怪しいと言った時は、ようやくかと思った。
    この作品で物議を醸した犯人のトリック。名探偵コナンのキャラたちがよくやってる変装マスクのようなもので、現実にこれが可能になれば、完全犯罪もお手のもの。
    私はこのマスク自体よりも、犯人の手際が完璧すぎたことの方が納得がいかない。
    お手製の変装マスクと、並外れた演技力で一人何役もこなして関係者たちを騙し、様々な角度から必要な情報を入手する。普通、どんな完璧な犯罪でもどこかに綻びがあって、それが元で犯人が分かり、事件解決につながる。今回も確かに最終的に犯人は分かったけど、それは犯人側からヒントが与えられていたわけだし、警察側の手柄じゃない。結局殺したい人への復讐はすべて完了して自分も死ぬという、犯人の理想の形に。デスノートの「ジェバンニが一晩でやってくれました」状態。
    犯人の視点で綴られた文章がなく、なんだか狐につままれたような状態で終わってしまった。
    警察が無能すぎる!!特に今枝!何のためにこんないけ好かないキャラを出したのか。全く捜査の役に立ってない。

  • んー、確かにトリックのあたりでかなりしらーっとした空気が流れ出したよね。カウンセラーについてもちょっと強引だと思うし、ラストの捨て台詞も納得がいかない。。。途中まで一気に夢中で読んだだけに残念。

  • 2010

  • 新たな事件は過去の事件とどんな関係があるのか、犯人は誰なのか、どんな手段をもちいたのか、気になって一気に読んでしまった。人間の顔についての意味も興味深い。

  • あ、ありえねー。

  • 下巻に入って、犯人を追い詰める描写が
    増えてくるのだが、
    解説で福井晴敏が触れているように
    まあ確かにエッという気持ちもないではない。
    これは成立するのかと。

    でも、読みどころはそこじゃないので、
    大して気にならなかったけど、
    突っ込む人は突っ込むだろう。

    畳み掛ける終盤からラストは圧巻でした。

  • 作者の2作目、クライムノベルです。
    最初のうちは読みが進まなかったが、上巻の半ばくらいからは一気に読んでしまった。
    運送会社に勤める荒、坂井田、時山は、勤務中のアルバイトが運送会社の経営者、気良に見つかり解雇されてしまう。逆恨みした三人は時山の弟分、湯山と4人で気良宅を襲い夫婦を殺害し放火する。子どものうち姉は半身不随、弟は大火傷を負うが一命を取り留め、児童養護施設に入所するが、姉は自殺をしてしまう。
    荒は主犯に仕立て上げられ、一人無期懲役となるが20年余の服役後に出所し、山田と名乗る男を頼る。
    荒の出所後、間もなく坂井田、そして時山もが殺害され、荒を容疑者として追う警察は、21年前の事件捜査に関わり、当時から荒主犯説に疑問を持っていた老刑事、守年が捜査に戻り、ガンに冒されながら事件を追うが、守年の娘、朱音も芸能界から実家に逃げ帰ってくる。複雑に絡み合う人間関係とともに、事件は思わぬ方向へ動いていく。

  • 期待が大き過ぎたか
    今考えると、無理に着地させなければならない事は感じられた上巻であった

    もう少し現実味のあるストーリー展開ならなお良かったが、充分楽しみました

    タイトルにも深い意味があると感じた
    誰しも100%素でいられる人はいない
    皆がいくばくかの虚貌の上で人生を送っている

  • 下巻からようやく、タイトルに込められた意味が分かった。なるほどね。
    20年前の事件の罪をなすりつけられた荒が、復讐するはなしなのかと思っていたけど、下巻の途中で「気来柾彦」の名前が挙がった時、背筋が凍った。
    いくつかの「顔」を持ち犯行に及ぶも、「やってない」発言。これって。。。?顔を変える=別人なので、「気来柾彦」としては罪を犯してないって意味なのかな。。?
    結局、事件関係者のほとんどが死んでしまって、これで終わりっていうのはちょっと、、と思ったけど、でも上下巻ボリュームのある話だったにもかかわらず、読む手を止まらず一気読み。「火の粉」に続いて本作を読んだけど、いやー、正直こんな面白い作家さんだとはつゆ知らず。他作も読んでみよう。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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