まぼろしハワイ (幻冬舎文庫 よ 2-18)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415294

感想・レビュー・書評

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  • 中編小説3作(1作目と2作目はオアフ島、3作目はハワイ島が舞台です)。

    ハワイ旅行に向けてテンションを上げるために買いました。

    さらっと読めるので行きの飛行機でさくっと読んでハワイへの期待を高めるのにちょうどよいと思います!
    ハワイの情景や食事などの描写が具体的なのが旅情を誘います。

    ただ、わたしは1作目・表題作の「ゆめみるハワイ」にはなかなか入り込めず。
    フラダンスを見るだけでそんなに想像豊かに泣けるものなのでしょうか。

    また、「みんな特に美しいわけでもかっこいいわけでもなく、単なる薄汚れた人間たちが集って浜辺でごろごろしているだけだ。ちっともすてきではないはずだ。でもこの島の魔法はそんなこと全てにきらきらした粉をかけてくれる。みんなすばらしい人で、世界は美しく、人生はよいものだと思わせてくれる。」(文庫版pp.104-105)といった感覚は、実際にハワイ旅行に行ってみても持てなかったです。ただの賑わった観光地にしかわたしには見えなくて、島の魔法ってなんだろうって。
    わたしの感性が鈍っているだけかとも思いますが。現地の人との交流をほとんどしなかったのもあるかもしれません。あと、自然の中でのんびりする時間もあまり持たなかったんです。

    でも、2作目・3作目は主人公の人生に起こった衝撃的な出来事の話(2作目は主人公の出生にまつわる話、3作目は小樽旅行の話)が興味深く、面白く読めました。

    あと、3作目に出てくるハワイ島のものすごく大きいホテル(ホテルの中に電車や船が走っている)の描写が興味深かったです。自分が今回の旅行で行ったのはオアフ島のワイキキ近辺だけなので、今度はハワイの別の場所に行ってみたいなという気分にさせられました。

    ハワイを舞台にした本のレビューを他にも書いています。
    ブログへどうぞ→https://yulinyuletide.hatenablog.jp/entry/11/03/hawaii-book-review

  • あの苦しみもあの絶望もあの悲しみも、柔らかい風のように優しい雰囲気が癒し包み込んでくれる。
    行きていくのが不器用な人たちの話で、だからこほ表面ではなく心の奥底では誰かを強く求めているような気がする。
    姉さんとコーちゃんの歪んだ関係性は否応なしに与えられてしまった不足感の中で一種の充足感を持ってしまうことで、それはアップルちゃんとの関係性とも通ずるものがある。
    人との関係は一対一では成立せずに複数で築き上げれる。
    だけど人生なんて雑事の連続でしかなくて、それが果てしなく永遠に順番に続いていく。
    そう思うと絶望と同時に希望を見出すことができるように思える。
    突然救われてしまうことはあるし、全ての物事には意味がある気がしてくる。
    広田さんとコホラの関係は歪んだ末に落ち着いた形になっていくように思う。
    広田さんの不器用な軽率さと絶望を孕んで希望を見出す雰囲気が好きだった。

  • ばななのハワイシリーズは意識的に肩の荷を下ろしているようにみえる。物語は起承転結がある分、作者臭さが出てしまうが、すっきりとした読後感は悪くなかった。

  • ハワイ旅行のおともに。
    機内で読んだ!!持っていって良かった…!

  • 2008年06月11日 20:14

    ハワイに行きたくなりました! 

    この本を書き上げるために5年もかかったというくらい、大作に仕上がっていると思います。 

    フラをとても魅力的に踊っている「あざみさん」が目に浮かぶ。ハワイという場所の持つオーラも3つのお話しを通じて伝わってきた。。。

  • ことばのかけらひとつひとつに、エネルギーがじんわりとこもっていたので、まるで少し冷えた箇所を温めるような一冊だった。

    心が弱ってしまったときに、もう一度読みたい。

  • 悲しみが希望に変わる感じ。ハワイの雄大さが伝わる。
    小樽とハワイの対比も好き

  • ハワイってそんなにいいんだ。

  • ハワイに行きたい。ハワイに行ってみたい!!!一生に一度は絶対にハワイに行ってやる!!!と決意を新たにしました(笑)

    単なる陽気な土地だけでなく、物悲しさや命の息吹を感じられる場所。そんなハワイを舞台に繰り広げられる物語。中編の作品集。

    ばななさんの繊細な物語を久々に読んで心がちょっとだけザワザワしました。

  • 著者がハワイが大好きでハワイの空気感をえがきたかったんだろうなと思う作品。
    登場人物の名前がオハナとかハワイ語でクジラとか共感できない設定。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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