試着室で思い出したら本気の恋だと思う (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421509

感想・レビュー・書評

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  • 泣いた。
    主人公達の恋の行方はこちらに委ねる形だったけど、それもまた余韻となって良かった。
    “自分がもっと好きになれる一着。
    明日が来ることを楽しみにできる一着。
    この白いワンピースを着たわたしを、今すぐ彼に見せてあげたい。”という文が好き。
    自分を好きになることを後押ししてくれる、優しい本だった。

  • それぞれの章のタイトルがキャッチーで、言葉選びが美しい。
    それぞれの主人公は女性ならではの悩みを抱えていて、それはちょっと視点を変えれば友達や自分の話のようでもあり、切実だけれどどうしたらいいかわからない。けれど、物語の中で、彼女たちは洋服を通じて前を向く。その暗闇でなお光を探して進むような強さとしなやかさがいい。こういうふうに明日を生きたい、そう思える。

  • 毎日を生きる女性と、その気持ちに寄り添うファッションの短編集。服を着たり選んだりする楽しさに気がつく本。言葉遊び?な部分もあったりするのかも。あまり考えすぎずにさらっと読む時もあれば、登場人物の気持ちやコーディネートを想像しながらじっくり読むこともある。

  • どの登場人物も悩みながらも最後は前向きになっていく姿がとてもよい。

  • 好きがとことん詰まった小説だった、、
    服を選ぶときの感情、可愛くなりたい、自信が欲しい、変わりたい、とか色々あるけど自分のことのようで絶対に自分じゃない誰かのことを考えているんだよなあ。恋をしてたら尚更。
    そこに新たな発見と気づきを与える店員さん素敵すぎじゃないですか、、!?


  • 1.おすすめする人
    →恋している、過去の恋愛を引きずっている

    2.内容
    →とっても深い恋愛小説。
     それでいて、内容は軽く、テンポよく進んでいく。
     この小説を読んで、きっと誰かを思い出すはず。
     梟書茶房で出会った本。とっても良かった。

  • 共感できる。軽く読めてほっこりできる本は忙しい時期有難い。

  • 恋人がほしくなるというより、人を好きになりたい、恋したいなぁと思う本だった。

    「ちゃんと欲しがる女ほど、欲しがられる女になる」という言葉はとても印象に残った。
    恥ずかしい話だが、私は彼氏がいる時でさえあまり甘えたり、愛情を欲しがったりすることができない。この本を読んで、それは傷つくのが怖いからだと気づいた。それでも楽しかったのは彼がそれでも愛情をくれたからだったんだなぁと思った。今度からは少しずつでも自分から何かを伝えていきたいとおもう。
    本書にも「みっともないほどに、人を好きになってみよう」と書いてあったし、怖がらずに人を好きになってみようと思った。

    あと、カナメちゃんの彼氏は素敵だなぁと思った。服の贈り物は、LINEとかで頻繁に連絡を取り合うことより大きく優しい愛情を感じる。

    全体的には優しい雰囲気の本でした。

  • 恋に悩めるレディたちが、とあるセレクトショップを訪れる。そこで、魅力的なオーナーと、本当の意味で自分に似合う一着を見つける。自分らしく一歩を踏み出す、お供となる一着を。

    という短編集か、なるほどね、恋愛ね、、と思って読み進めていた。が、あるストーリーを読むうち、涙が出てきた。主人公と自分が重なる。主人公の気持ちが、痛いほど入り込んでくる。
    ああ、そうか。ここにはいろいろなカタチの恋愛が描かれている。ゆえにそのどれかは、自分の気持ちと重なるところがあるだろう。読者は、その気持ちに出合い、気づき、共感し、主人公とともに一歩踏み出す勇気をもらう。そんな、優しい小説なのだなあ。

    そしてそのきっかけとなるのが、セレクトショップでの洋服選び。恋をすると、おしゃれしたくなる。振り向いて欲しい、という努力の表れ。背伸びしたり空回ったりもある。でも、本当の意味で自分に似合うものを身に付けるのが1番魅力的だ、というのを、そこのオーナーが洋服を通して教えてくれる。

    “似合うのと似合い過ぎるのとは違う”
    “人と違うのが「個性」ではなく、自分らしいのが「個性」なんだ”

    そうかああああと唸ってしまった。服選びひとつだけど、こんなことだって気付かせてくれる。おしゃれって、人の内面を変えうるパワー、持ってるよなあ。正直、興味がなければ相手はそこまで見ていないと思う。要は、自分の気持ち。


    わたしは、アユミにとても共感した。
    たまには自分の積み上げてきたものを、重ねた年月を、きっと無駄ではなかったよ、と肯定するのも許されるだろうか。何も手に入れてないように感じても、当たり前に身近にある何かが、実は頑張った証だったりするのだろうか。それに気づいていないのは、勿体ないし、その何かに申し訳ない気もする。とは言え、私にもそういうもの、あるかなあ。自分に甘くなるのは好かんけど、自分を肯定することが、前に進む力になるなら、そういうの、良いなあ、と思った。

  • ・高校時代からの彼との関係に悩むメイコ
    ・年上の不倫相手にゾッコンのクミ
    ・年下の同僚に恋した翻訳家のチヒロ ◎
    ・元彼の披露宴スピーチを頼まれたアユミ 〇
    ・芸術家の彼に合う個性的な女性になりたい正子

    アラサー女性が多く、「歳を重ねること」も
    テーマのひとつで、大人の女性のための本でした。
    青山美智子さんの作品が好きですが
    近いものを感じました。

    何かに悩んでいるとき
    いつもと違うオシャレをすることで
    答えが見つかることがあるのかもしれない。

    周りの女性のオシャレにも色々な物語が
    詰まってるんだろうなと思いました。

    尾形真理子さんの
    フレーズセンスも素晴らしかったです。

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著者プロフィール

尾形真理子(おがた まりこ)
1978年、東京都生まれのコピーライター・制作ディレクター。2001年日本大学法学部新聞学科卒業後、博報堂に入社。ルミネをはじめ、資生堂、Tiffany&Co.、キリンビール、日産自動車など多くの企業広告を手がける。朝日広告賞、TCC賞など多数受賞。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』(幻冬舎)で小説デビュー。

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