試着室で思い出したら本気の恋だと思う (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421509

感想・レビュー・書評

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  •  恋に悩む大人の女性たちがとあるセレクトショップの試着室で、恋と、自分と、人生に向き合う短編集。

     まんねりな関係、不倫、過去のトラウマ、結婚等々。
    楽しいだけでなく色々考えてしまうのが大人の恋愛。恋愛は1人でするものではないから、答えを出すのをうやむやにして誤魔化すのではなく、どんな形でも相手としっかり向き合うことが恋愛での誠実さなのかなと思います。その相手に向き合う前の答え探しにスポットが当てられているのがこの短編集です。

     各章の女性たちは自分たちの恋愛において事が丸く収まるように合理的に考えるのではなく、自分がどうしたいのか感情と素直に向き合っています。
    大人だからと言って聞き分けの良い風を装うのではなく、相手だけじゃなくて自分のことも大切に考えている作中の女性たちが素敵だと思いました。

     3章の『可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。』のチヒロは片思いだろうと確信している後輩の男性に、自分の思いだけでなく、恋を通して成長できたこと、一緒に過ごして楽しかったことなど感謝の気持ちを伝えようと決意します。
    これは中々できることじゃないと思います。振られてしまうことの恥ずかしさや、失恋への恐怖よりも好きな男性への人としての敬意。その男性を好きになって成長できた自分を認める気持ちがなければできない決意ですよね。
    それは、恋愛は一緒になることだけがゴールじゃないんだよと言われているようで読んでいる方も気持ちが軽くなるようでした。

    どの短編集も結末は描かれてはいないのに、モヤモヤではなく清々しい読後感でした。
    色んな形の恋愛観を一着ずつ手に取って眺めているような充実感があり、そのどれもが個性的で素敵だと思いました。

  • 好きは、片想い。似合うは、両思い。

  • 素敵な話
    最後には前向きになって終われるのが良かった

  • 恋に悩む女性たちが試着室で自分の気持ちを見つめ直す。各短編の結末は想像にお任せというのが消化不良。

  • あるショップの試着室を中心とした、5話の短編。
    登場人物の女性達と同年代だからか読みやすかった。
    3つめ(可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと)が好き。
    あんな年下の後輩が職場にいて自分に懐いてくれてたら、好きになる自信がある(笑)
    主人公は振られると思ってるようだが、個人的には両思いでは?と予想。

    - わたしは白いカプリパンツに、自分を無理に合わせようとしていた。「わたしに似合うパンツ」ではなく、「白いパンツに似合うにわたし」に固執していたのだ。
    - 感情は、年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。
    - 「個性」とは「人とは違う何か」だと思い込んでいた。人と違うのが「個性」ではなく、自分らしいのが「個性」なんだ。

  • 心が温まる

  • 重たすぎる内容は苦手な方とか久しぶりに読書する人とかでも楽しんで読めそうだと思った!
    短編集だしどの話も綺麗に終わるのですごく読みやすい
    10年くらい前の話なので若干時代背景の変化は感じて、自分でも気付いてないけど価値観て変わっていくよねて改めて思った

  • 本が苦手でも読みやすい(短編集かつ難しい言葉があまり使われておらず文章が読みやすいから?)
    結末が描かれておらず、いろいろ想像できて楽しい。
    試着室ってワクワクするよね〜お洋服を買いに行きたくなった〜〜

  • 続きが気になる!
    この物語では試着室が主人公たちの恋愛を思い返していく場所として描かれているけれど、確かに自分一人の空間に身を置いた瞬間に冷静に物事を考えることができたり自分にとって良い選択肢が見いだせたりするから、「試着室で思い出したら本気の恋だと思う」は大いに共感できます。

  • 短編集なのでとても読みやすかったです。
    きっと服を選んで、試着室に入るたびに思い出します。エピローグが特に感動しました。
    どのお話も主人公の決意までが書かれているのでその後の解釈は読み手の自由なのかなと思います。

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著者プロフィール

尾形真理子(おがた まりこ)
1978年、東京都生まれのコピーライター・制作ディレクター。2001年日本大学法学部新聞学科卒業後、博報堂に入社。ルミネをはじめ、資生堂、Tiffany&Co.、キリンビール、日産自動車など多くの企業広告を手がける。朝日広告賞、TCC賞など多数受賞。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』(幻冬舎)で小説デビュー。

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