クラーク巴里探偵録 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 306
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421639

作品紹介・あらすじ

ヨーロッパを巡業中の曲芸一座で、敏腕の番頭として名高い孝介と料理上手の新入り・晴彦。裕福な贔屓客から頼まれ、ストーカー退治や盗難事件の解決など厄介事の始末に奔走する日々を送っていた。華やかなパリで生きる人々の心の謎を解き明かすうちに、二人は危険な計画に巻きこまれていく。人の温もりと儚さがラストを彩る連作短編ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 巴里,遠く離れた国で人の思いが重なり合う。

    日露戦争が終わったあたり,20世紀初頭の巴里。曲芸一座の敏腕番頭・片桐孝介と,料理上手の新入り・山中晴彦ことハル。顧客の依頼してきた事件を解決していくうちに,近づいてくる危険な計画。ハルの秘密とは。

    ホームズ役は孝介,ワトソン役はハル。ハルが孝介に近づいた目的があるところがひとひねり。とりあえずはハッピーエンドで,続きもありそうだし,また読んでみたい。

  • 誰かが誰かを大切に思っていて。
    そのために自分を投げ打って。
    三木さんのお話は、読み終わったときには、やっぱり悪人がいないんですよね。ほぉ…って、静かなため息で余韻を味わう感じ。

  • 三木さんお得意の時代背景での探偵小説です。

    舞台は巴里。まずバケットがおいしそうと思う私はやはり食いしん坊です。

    勿論、内容は正当な探偵小説です。

  •  20世紀初頭、日露戦争終結後のフランスの都・パリを舞台に展開する、異邦人ミステリ小説。
     欧州を巡業する日本の曲芸団の番頭が探偵役となり、方々から持ち込まれる奇妙な相談事を解決してゆく連作短編集。
     路頭に迷った日本人青年が一座に転がり込み、番頭の助手として謎解きに同行するが、終盤では、青年自身が陰謀の渦中に巻き込まれてゆく。
     背後に秘められた動機の解明と、主人公二人の心の交流。
     そこに、近代ヨーロッパの異国情緒が交錯し、時代の風俗を反映した生活描写も相俟って、作中の古風な雰囲気と繊細な郷愁を高めている。

  • テーマはよかったんだけど、盛り上がりに欠けたかなぁ。。。

  • なんかもんやりする読後感。って思ってたんだけどこれ続きあるのね。
    だとしたらもんやりも収まりそう。

  •  巴里で興行している曲芸一座の番頭と助手の青年、ご贔屓筋に頼まれて厄介事を解決―というストーリーですが、芯に一本別の計画があるのが捻りを効かせている感じです。
     全体にサラッと読みやすく、引っ掛かりはないのですがそれだけに全体を貫く大きな計画の結末に個人的にはモヤモヤが残ってしまいスッキリ気持ちよくとはいきませんでしたね。
     折角、曲芸一座という設定があるのに座長以外のメンバーがでてこない、一座の様子が全くと言っていい程出てこないのも勿体ない。

  • ヨーロッパで起きるちょっとした事件を解決していく物語かなと思っていたら、全体を一本大きな問題が貫いていて楽しめました。
    孝介と晴彦の関係性も微笑ましくて可愛い。

  • 2017/2/4購入。

  • 『人魚は空に還る』シリーズ、そしてこの『クラーク巴里探偵録』と読みました。これらの作品の時代と時代の隙間の薄暗い雰囲気、好きです。淡々と解決されていく日常の謎解き、その裏で刻々と進んでいく裏切り。一度は暗闇に閉ざされたハルだけれど、また顔を上げることが出来てよかった。孝介の気持ちは深く描かれてないけれどハルを大切に想う気持ちがちゃんと伝わってくるのが、やっぱり三木さん。お気に入りの作家さんを見つけて最高な気分。

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著者プロフィール

1975年生まれ。秋田県出身。2008年、第2回ミステリーズ!新人賞最終候補作となった短編を改稿、連作化した短編集『人魚は空に還る』(東京創元社)でデビュー。他の著書に『クラーク巴里探偵録』(幻冬舎)、『百年の記憶 哀しみを刻む石』(講談社)などがある。

「2019年 『赤レンガの御庭番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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