大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1824
レビュー : 122
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423800

作品紹介・あらすじ

身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。名物は悩みに合わせた特別なカクテル。励ましの言葉を添えることも忘れない。いつもは明るいゴンママだが、突如独りで生きる不安に襲われる。その時、ゴンママを救ったのは、過去に人を励ました際の自分の言葉だった。笑って泣ける人情小説。

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編集で、章ごとに同じスポーツジムに集まる会社員や、漫画家、高校生、歯科医師、会社社長、スナックのママなどに主人公が変わります。

    私は、第六章のスナックのママでゲイのゴンママの章が泣けました。
    いつも下ネタと、大きな体格で人を笑わせているゴンママですが、「ノンケの人たちとゲイとでは、恋人を作れる確率がまるで違う。マイノリティ同士は出会いの確率が極端に低く、相手の選択肢も極端に少ない。しかもゲイは仮に誰かと愛し合えたとしても、その結果として、愛する人の子どもをもうけることもできない。つまりノンケの人よりずっとずっと、独りぼっちで一生を終える確率が高いのだ。
    これから先もずっと冷たい孤独を胸に抱いたまま、この世から消えてなくなっていく自分ーそのことを思うと、権田は息苦しささえ覚えてしまう」
    表面上の顔と内面の違いに、権田の淋しさがより強く感じられました。
    権田の所で働いているカオリちゃんは、とてもかわいいのですがレズで、やっぱり独り身です。せつないなと思いました。
    権田に救われて、店に雇ってもらったカオリちゃんが、逆にゴンママを励ますようになるところがよかったです。


    森沢語録
    「言葉というのは、大事なことほど小声でささやく。その方が、相手の心の奥にまでしっかり届く」
    「人生に大切なのは、自分に何が起こったかじゃなくて、起こったことにたいして、自分が何をするか。考え方ひとつで、起こったことをチャンスに変えることはできる。ピンチはチャンス」
    「人は人に喜ばれるために生まれてくる」
    「他人は変えられない。変えられるのは自分自身」
    「あなたが生きられるのは、いまこの瞬間だけ。過去と未来を思い煩っても、それは無駄なだけ」
    「夢は必ず叶えられないと駄目。叶えると過去が変わる」

  • 個人的には最後の章(ゴンママ&カオリちゃん)が一番刺さりました。
    お酒飲めないけど、スナックひばりに行ってゴンママとお話したいなぁ⁎ˇ◡ˇ⁎

    やや下ネタがありますが、すごく素敵な一冊。
    友達に教えてあげたい一冊。

  • 名は体を表すというが、何とも味のあるタイトルの「人情小説」。
    主人公ともいうべきゴンママ(身長2メートル超のマッチョなオカマ!)の言葉も、第六章のゴンママがあってはじめて、説得力を持ってくる。
    「いいこと?人生に大切なのはネ、自分に何が起こったかじゃなくて、起こったことに対して自分が何をするか、なのよ。・・・考え方ひとつで、起こったことをチャンスに変えることはできるの。ピンチはチャンスよ。・・・」
    「ほらね、あたしが顔を変えたら、シャチョーも仏頂面から笑顔に変わったでしょ。先に自分が変わらなきゃネ」
    それにしても、ゴンママの「スナックひばり」のバーテンダーのカオリちゃん(彼女も言い知れぬ過去があるが)が、それぞれの馴染客につくるカクテルの何と絶妙で饒舌あることか。
    ブルームーン=『無理な相談です』、ギムレット=『遠い人を想う』、ソルティドッ=『寡黙』、オールドファッションド=『わが道を行く』、シャンディ・ガフ=『無駄なこと』、そしてラム・コーク=『もっとどん欲に行こう』。
    こんなスナックで、カクテルを注文してみたいな。

  • 筋トレ雑誌「トレーニングマガジン」に連載していた作品を単行本にしたもの。なので舞台がジムとジム仲間で、ガタイのどデカいオカマが営むバーに集うジム仲間各人の人情話で構成されているけど、それぞれの逸話がけっこう奥深いのです。
    とりわけ気に入ったのはちっぽけな広告会社の社長の章、著者 森沢さん色が一番感じられるスカっとした章ですね♪

  • 居場所があるっていいですよね。
    生きていくことって結構大変で、どっちかというと辛い事の方が多い人が大半だと思います。
    この小説の登場人物達も、それぞれ悩みを抱えて生きています。本書はオムニバス形式で展開し、話ごとに主人公が変わっていくのですが、共通の舞台として彼らの通うトレーニングジムと、ジム仲間の中心人物でマッチョなオカマ・ゴンママの経営するスナックがあり、そこは彼らにとってかけがえのない“居場所”なのです。その心地よさはゴンママの下ネタに隠された気配りや(ゴンママって、すごく空気読む人ですよね)、仲間それぞれが相手を思いやる気持ちがあってこそだと思います。
    この本は、疲れた心を癒す心地よい場所のような、優しい気持ちにさせてくれる一冊だと思いました。

  • 最近、いい小説ばかりにめぐりあえていますが、その中でもこの小説はよかった。笑えるし泣けるし考えさせられる。そして登場人物すべていいキャラクターで愛すべきひとたちだから、読んでいて気持ちが良い。
    これは続編がみたいなぁ。映画化もしやすそう。
    映画化されたらゴンママって誰がキャストされるだろう。って考えていたら、マツコ・デラックスさんしか思い当たらなかった。

  • こんな「居場所」があるといい。
    こんな温まる想いの贈り物があるといい。

    大きく出してしまいたいものだけど、大事な思いは小声で伝えるのね。
    大切なことばをささやこう。

  • 森沢さんの小説は本当に絶妙に心に響く。

    本作はオムニバス形式だが、ジムで筋トレする個性的なキャラクター達のそれぞれの物語を紡いでいる。どんなに外から見て元気そうに見えても、悩みなんてなさそうでも、本当は皆んな一人一人の人間物語を生きており、辛い思いも沢山する中で必死にもがいている。人は見かけによらぬとはよく言ったものだなと思う。

    中心人物のゴンママ。身長2メートル越え、筋肉モリモリのオカマ。スナックひばりを経営している。ゴンママと目が合うとビックなウィンクに風圧を感じてのけぞる。でもゴンママが繰り出す数々の名セリフが心に染みる。もう、ゴンママに会いたい!スナックひばりも行ってみたい!多くの読者がそう思うのではないだろうか。

    思わず吹き出してしまう笑いあり、悲しくて胸が締め付けられる裏側のストーリーあり、そして最後はゴンママと一緒に頑張ろうと思える素敵な素敵な物語でした。




  • 危うく
    入学前検診の控え室で
    泣くとこだった

  • 泣こうと思って読んだわけじゃないけど泣けました。
    良かったです。
    暖かい気分になりました。
    こんな仲間が欲しいですね。
    まずは自分が思うことですね。

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著者プロフィール

一九六九年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。吉永小百合主演で話題となった『虹の岬の喫茶店』、高倉健主演の『あなたへ』、有村架純主演の『夏美のホタル』など多くの作品が映画化され、ベストセラーに。近著に『ぷくぷく』(小学館)、『おいしくて泣くとき』(角川春樹事務所)などがある。

「2020年 『雨上がりの川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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