- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344424203
感想・レビュー・書評
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昭和33年生まれの柏木イクが、幼少時期からいつ激昂するか分からない父と、下劣な品性の母親と暮らし、いつか此処では無い何処かへ行こうと、幼い胸に誓ったのでありました。昭和から平成に至る過程を、いつも傍らに居た犬の存在を里程標に表現しているお話です。
淡々とした語りでちょっとかわいそうな感じの女性の半生(よりちょっと長い)を垣間見ました。僕より16才年上というと今58歳くらいの人が読むととっても懐かしく、当時あるあるが沢山有りそうです。
淡々と進んでいくのが結構心地よくて、僕的にはかなり好きな本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不遇な幼少期を過ごした人は、当たり前のことに突然驚き、幸せを感じ感謝の気持ちで胸が一杯になる事がある。
犬や猫には心を許せるから、話をしたり泣いたりそれは大人になっても変わらない。
中年になった主人公の身体がバラバラになってから出逢った犬、マロンが、主人公の様子に心から笑う、というシーンに、初めて泣いてしまった。
これは泣くような物語ではないと思って安心していたのに。
そんなひと時が、これからの生きるエネルギーになる。幸せを感じるセンサーの基準が、私と主人公は似ている。 -
2.8
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2016/06/18完讀
【8.5/10】
故事主人公柏木イク出生於昭和三十年代,和父母同住在滋賀香良市(虛構)。父親抱著戰爭及戰後被關在西伯利亞的傷痕常有雷霆之怒,而父母關係不算良好,身為是孤獨的獨生女,身邊常有犬貓的相伴與邂逅。隨著イク的成長,每個篇章作者淡淡地寫出時間的流轉和時代的氛圍,以及與她相交集的人們與動物們。
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之前只讀過一本這個作者的書,然而相當有好感。久違再讀,一開始還有點難進入這個世界,不過一把被湖南方言給拉進去,對話相當有生命感,讀起來妙趣橫生(所以場面一道東京,對話一回到標準語的世界就頓時索然無味,我一直再期待主角趕快回滋賀講話@@),而書中地緣感覺也非常強烈(例如平和堂)。故事也是漸入佳境,雖然最終章主角身邊的老病和別離讓閱讀感一度有點消沉,不過還好最終是一種提升的淨化感。作者塑造氣氛相當出色,雖然是寫生活周遭的事物,淡然的君子之交淡如水似的交集,但是周遭的人和貓狗卻漸漸地沁入讀者的心;更重要的是,作者筆下創造出一個透明潔淨的,有點超現實(很真實卻又很超現實,我認為是她的功力,可以把現實世界寫得這麼靈氣)而很晶瑩,很有作者特有的氣質。總而言之,是一部相當出色的秀作,能夠把沉拙的生活感構築成這麼不可思議的氣氛的世界,可見作者個人風格已經形成一個獨特的藝術了。 -
昭和の時代を彩った犬たちを主人公イクの視点から眺めた少々不思議な小説。
雑種、ドーベルマン、コリー、昔流行った犬種が勢揃い。
当時に思い入れがある人は楽しめるかもしれない。
決してつまらない訳ではなかったけど、
もう一歩踏み込んで欲しかったのが本音。 -
姫野カオルコの作品を初めて。
うーん。。
いまいちピンとこないまま終了してしまった。 -
ずっと読みたかった本がやっと読めました。犬の話だからか、松田洋子さんの相葉奈美の犬の絵柄のイメージで読んでました。陰鬱な雰囲気とか合っている気がして。最近は外国の吹き替えドラマはもう地上波では観られない、というような記述がありましたが、普通にNHKとかでやってますよね。
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昭和33年滋賀に生まれた主人公"柏木イク"の半生を自身が携わってきた歴代の犬を通じて淡々と語る物語。これといって大きく感動するものでも無く、読後はじんわり温かいものが静かにやって来るというのがこの直木賞作品の売りだ。なるほど、もっと予備知識無しで読めば良かった。僕は裏表紙のあらすじを読み、激動の昭和、いつも傍らに寄り添う犬と共に必死で生き抜く波瀾万丈人生の感涙作と勘違いしたのだ。もう、そういう体(てい)で読み始めたのだからどうしようもないのだ!。最後まで乗らなかった。(ツマラナカッタともいう・汗)人生こういう日もあるのだ。僕が悪いのだ。
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かつて放映されていた海外テレビドラマのタイトルと様々な飼い犬をアイコンとして描く、昭和後期に生きる女性の半生記。フォレストガンプ的な波乱万丈さはないが人々が織りなす細かなエピソードの積み重ねが心に触れてくる