山女日記 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425163

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  • 様々な思い、葛藤、悩みを抱えた人が山で自分の気持ちと向き合う物語。
    それぞれの主人公に共感する部分、自分と似ている部分を感じた。

    例えば、捨て去れない華やかな過去を持ったアラフォー女性。
    私も学生の時は楽しかったなと過去ばかり見ていて、なんだか今は昔と比べて少なくなったように思って虚しく感じる部分がある。
    でもそれって過去ばかり見てても何も変わらない。
    大切なのは今何するか。
    この女性もラストに過去ばかり見るのではなく、新たな出会いを掴もうとしていた姿がとても印象的であった。

    また実家で農家を手伝いながら、翻訳の仕事をする独身女性。
    定職についていないこと、独身であることを姉に見下されているように感じており、山でそのことについて戒められるように思っていた。
    前半はなんだか怪訝な雰囲気な姉妹である。
    でも後半で実は姉はそんなことを思っておらず、離婚を切り出されて自分の中で悩み、考えながら登山していたのだ。

    こういった自分で自分のどっかよくないと思っている部分があるから、他人がそう思ってると勘違いすることって往々にして私もあると思う。
    実際は他人はそんなこと思っていないのに。
    また姉は一見医者と結婚して裕福で幸せそうなんだけど、実は離婚の危機にあったりと、側から見て幸せそうでも、実は辛いこと、悩んでいることなんて誰にだってある。

    私はそういった他人の氷山の一角に過ぎない羨ましいと思う部分だけ見て、自分と比べて自己嫌悪になっていた時がある。
    他人と比較なんてうまくいかない。
    商品の売り上げのような事実に基づいた比較なんて人同士はできっこない。
    人は感情が入るし、当たり前にたくさんの側面がある。
    無理無理、比較なんていつも間違ったもの。
    そう思う。他人と比較せず、私は私の人生を生き、私の人生の主人公で行く。

  • 単行本は読んでいるので文庫で再読。
    登山はしないので、登場人物が登った山や見た景色をお裾分けしてもらえるのは有難い。
    山にいる間は自分自身に向き合うことになるから、気持ちの変化とか気づきとかいろいろあって、それが結果的に彼女たちの背中を押すことになる。その一連の流れがすごくいい。
    続編にはその後の律子や希美たちが出てくるのか楽しみ。

  • 私も山登りするので、彼女たちの山に登るときの気持ちがとても良く分かりました。

    でも、幸い私は彼女たちほど、複雑な事情は抱えてないので、山に登るときの私の頭の中はもっと単純。頂上で食べるカップヌードルを思いながら登るだけf^^*)

  •  さいこうです。登ったことがある山もない山も、行きたくなりました。山に1人で登ると、自然と自分と向き合うように自分と対話してるような気持ちになることかたくさんある。そういった中でいろんな人がいろんな人生を生きてるんだなと感じた。

  • 人が山に登る想いは様々。
    自分の中にある
    モヤモヤした気持ちを解決したく
    山ガールと呼ばれる主人公達が山へ登る。
    山で見た絶景で
    私が思っていたことは
    ちっぽけだったんだ
    思い私生活の活力とする。
    私も山ガールなので
    本を読んでいて
    主人公達の気持ちに寄り添うことができた
    作品でした。

  • 山に行きたい

  • 読み終わったときは山頂に着いたときのような清々しさを感じられた。
    女性たちのそれぞれの悩みに共感しながら、共に山を登っていった気持ちになる。
    登山と心理描写が細やかで山の苦しさと楽しさがそれぞれの人生とリンクしていて良い。
    これを読むと無性に山に登りたくなる。
    あの気持ちの良い達成感を登場人物同様に感じたくなるのだ。

    妙高山 ★4
    火打山 ★3.5
    槍ヶ岳 ★3
    利尻山 ★3.5
    白馬岳 ★3
    金時山 ★3.5
    トンガリロ ★3
    カラフェスに行こう ★3.5

  • 普通

  • 山に登りたくなった。

  • 登山については1度、趣味だという方に連れて行ってもらった以来、行こうとは思わないのですが、読んでいて面白かったです。湊さんの作品は「告白」で知ったので少し意外でした。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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