山女日記 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 6559
感想 : 451
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425163

感想・レビュー・書評

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  • 山っていいなって改めて思わせてくれる本
    誰かに見せたい風景があるって本当にすてき
    山に登りたくなる!

  • 以前にTVドラマを見ていたのでその復習的に読むことができた。ミステリー的要素のない湊さんも読みやすかったけどぐいぐい引き込まれる感じではなかった。山の名前で章立てされているから登場する人物を頭の中で整理しながら読んだけど語り口が変わることにこれ誰だっけ?と思いながら読んだ。

  • 爽やかでよかった。これまでの湊かなえらしくないけど、やっぱり湊かなえらしい。登山したくなりました。

  • 山登りという単純なものを題材にしている。だからこそ色々思い返すことがあったり、社会から少し離れるから思えることなどが人それぞれあるな。山では飾る必要とか無かったり、人工的じゃない美しさがあったり、数百円のチョコが何倍もおいしかったり、いい。山行きたいな~!

  • 湊かなえさん、好きです
    これは友人がからもらいました
    私は山を知らないけれど楽しめました
    流石の筆力です
    それぞれの悩みを抱えた女性が微妙にクロスしながら
    山から何かを得てまた歩いて行きます
    いいです!
    ≪ この景色 共有したい 人がいる ≫

  • ドラマを先に見ていた影響か、山岳ガイドにはいつなるのかな?なんて思いながら読み進めました。
    姉妹の話しに特に引き込まれた。湊かなえさんとは同年代、女性の心理描写がとても身近に感じる。山は遠足程度な私でも情景が浮かぶ作品です。

  • ★3.5
    これまで主流だったミステリではなく、登山を通して新たなる一歩を踏み出す女性たちを描いた優しさ溢れる1冊。とは言うものの、やっぱり女同士の面倒臭さはしっかり健在。一緒に働いていても相容れぬ同期、立ち位置が難しい女子3人組、虚勢を張り続けてしまう姉妹等、彼女たちが抱く感情は私自身が抱く感情と同じ。が、例えそれが負の感情であっても、取り繕うことなく綴る湊かなえが好きなのである。人生の決断や思い出との決別等、山と向き合う彼女たちの胸中は人それぞれ。登山の趣味はないけれど、その景色を見てみたい、と思った。

  • 湊かなえは今スポットライトがあたっている作家のようだが初めて読んだ。
    読みやすいことは読みやすいが、個人的には登山を対象としたものがたりに求めるものが異なっており、好みではなかった。
    穿った見方だと思うが登山という流行りと女性の一定の層に迎合した本を書こうという点に端を発している感じがした。

  •  自分の現状にどことなく鬱屈を感じる女性たちが、それぞれの思いを抱えながら、登山に挑む様子を描いた連作小説。

     湊さんの人間描写、心理描写がますます冴えてきていることが分かる小説です。

     結婚や離婚、姉妹関係、彼氏との関係……。悩みのある女性が山に登っていく中で、その思いを変えていく、という似た展開の話ながら、それぞれの心理描写や立場が見事に描き分けられています。

     そのため話に飽きがくるどころか、いずれの悩みや鬱屈も包み込む山の大きさや偉大さ、そして登場人物たちの変わっていく姿を、さわやかに受けとめられる作品となっています。

     この作品で印象的だったのは、湊さんらしい、嫌みな登場人物やリアルな負の感情も書かれるのですが、それが話の負の方向に作用するのではなく、正の方向に作用することです。

     調子のいい同僚、偉そうな登山者、説教ばかりする成功した姉夫婦……。そしてそれに対しての鬱憤や嫉妬……。

    『告白』や『贖罪』などの初期の湊さんは、それを暴走させて、作品を作り上げていた印象があるのですが、最近の湊さんはそうした感情を、より等身大に近づけて、そして、それを打ち破る人の正の部分見出す、そんな作品が増えてきたような気がします。

     それぞれの悩みや鬱憤を抱えた女性たちの心理が、ゆっくりと解きほぐされていく姿は、湊さんなりの人間賛歌のように感じました。

  • 今回の湊かなえ作品は優しい気持ちにさせてくれる物語です。

    各章の題名には山の名前があてがわれており、八つの連作短編となっております。

    各章には其々、主人公がいて、主人公の視点で物語は語られます。
    そして、主人公達は多少に微妙にリンクします。

    主人公達は人生に何かしらの疲れを感じており、その時、偶々そこに山に登る機会があったような気がします。
    主人公達の悩みは深いものですが、きっと山はそれを解決してくれます。

    どの物語もラスト2ページで何故か涙腺が緩んでしまいます。


    三十代の女性が読んだら良いんじゃないかと、勝手に思います。



    そして、登山の経験は無いのですが山に登りたいと思わせてくれる一冊です。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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