- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784378015569
作品紹介・あらすじ
「ねえ、この本、読んでみたら」
あの本を読んでほしい子、いませんか?――大切な人へ本をすすめる4つのストーリー。本の紹介をテーマにしたアンソロジーです。
感想・レビュー・書評
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4人の作家さんによるアンソロジー。
主人公はみな6年生で、誰かが誰かに本をすすめ、その本によって世界が拡がっていく。
小さな恋と友情が、甘酸っぱくて切なくて、鼻の奥がつーんとなる。
本の読み方・受け止め方も大人とはまるで違うのが興味深い。
1、「赤いコードロン・シムーン(森川成実)」
登場する本は「星の王子さま」「海に消えた星の王子さま」
2、「たそがれ時の魔法(高田由紀子)」
登場する本は「コンビニたそがれ堂」
3、「走っていくよ(松本聰美)」
登場する本は「ポケットのはらうた」「また、すぐに会えるから」
「オーパル ひとりぼっち」
4、「ぬすまれた時間と金色のパン(工藤純子)」
登場する本は「モモ」「ふたりはいっしょ」
6年生が主人公と言えど侮ってはいけない。どれも素晴らしい。
ケストナーの言葉を借りれば、子どもの悩みが大人より小さいなんてことは決してないのだと改めて知ることになった。
その時その場を、今よりもはるかに真剣に不器用に生きていた自分。
その年齢独特の、ものの見方・感じ方。
とっくに通り過ぎたはずの時代を、ふとふり返ってみたりする。
1番に登場する話のタイトル、ちょっと面白いでしょ。
これはサン・テグジュペリが乗っていた飛行機で、1930年にフランスのコードロン社が製造したのだという。シムーンは砂漠に吹く砂嵐のこと。
主人公の少年は、二日間で3回も「星の王子さま」を読む。
読む意味合いもその都度違い、読んで考えて、勧められた理由まで気づいていく。
3番目の「走っていくよ」が一番心に残るかな。
登場する「佐川さん」という女の子が、まるでその頃の自分のよう。
「詩は心の鍵」と言う言葉が出てくる。
「そのひとの心の鍵穴にぴったりと合うと、キーっと心が開いていくの。。」
工藤直子さんの優しい詩が読まれる場面があって、ここがとても良い。
「心がしぼんじゃった時、物語は読めないけど詩だったら読める」という言葉も。自分の本棚から同じ詩集を出して、私もゆっくり読んでみた。
作者さんたちは皆、人を見る目がとても優しい。
それが紹介する本とマッチして、読むことで新たなドラマが生まれていく。
どの子も、本が語る言葉をしっかり受け止めていく様子が書かれ、本は本来このような読み方をするものだと、考えさせられた。
良書があっても、友だちや先生などガイド役がいないと読む機会は訪れない。
どの子も、心の鍵にぴったりと合う本や詩に出会えるといいな。
なお、本書には同タイトルで「ざわめく教室編」もある。どちらもお勧め。
☆今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。
新しい年が皆さんにとって、少しでも良いものでありますように。☆ -
何気なく図書館の新刊の棚からかりた児童書。
すごく大当たりの良い本だと思った!短編小説が4作入っていて、どれも素敵で子ども達も読みやすいんじゃないかな。朝の読書時間みたいなものがあるなら、ピッタリだと思う。全部ふりがな振ってあるし、中学年からでも楽しめるかもしれない。小学生でも色々あるから、ひとつでもお気に入りの作品が見つかれば良いなぁ。私は、『たそがれ時の魔法』が好きかな。引っ込み思案のシャイな女の子が1人の男の子と関わってから最後にこんな勇気を出せるようになったんだなと心がほっこりしました。4つの短編小説の主人公は、女子2人に男子2人だから偏りなく読めるのも良かったです。私が小学生の時に出会いたかったw -
彼氏欲しい、、、
ハハハ
www -
2話目の「たそがれ時の魔法」、甘酸っぱくてキュンキュン♪
「後ろの景色はなつかしい。前の景色は、わくわくするー」
いい言葉だなぁ。
ほんの少しの勇気で前へ進め! -
小学校高学年向け読み物
とまどう放課後編・ざわめく教室編
各4人の作家の短編集
主人公は6年生の男の子や女の子で、学校での出来事を中心に話が展開します。
一冊の本を読むことで、主人公が成長していきます。読書の楽しさに気づいたり、自分を見つめ直したり、進路や夢を考え始めたりします。
どれも爽やかな雰囲気で、読後に前向きな気持ちになれる作品です。
図書館で子どもたちにおすすめしやすい本です。
・一つのお話が短いところ
・4人の作家さんのお話が読めるところ…自分の好みの作家さん、作風を見つけることができる(2編合わせると8人になります)
・お話の中で本が紹介されているところ…これ一冊で終わらず次に読む本につながっていく
・本をおすすめする時に、作家さんの別の作品やお話に出てきた本を紹介することができる
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となりの席になったすみれの下じきの飛行機が気になったぼく
その飛行機で不時着したパイロットが書いた本『星の王子さま』を薦められる
──森川成美「赤いコードロン・シムーン」
図書委員会で透也と二人でポスターを作ることになったわたし
『コンビニたそがれ堂』を見せると「それで、いいよ」と軽く言われてしまう
──高田由紀子「たそがれ時の魔法」
生活委員として佐川さんを尾行することになったわたし
追いついた広場で貸してくれたのは『ポケットのはらうた』という詩集だった
──松本聰美「走っていくよ」
サッカーと塾の勉強の両立に悩んでいる和弥
幼なじみの春香に『モモ』という本を無理やり押しつけられる
──工藤純子「ぬすまれた時間と金色のパン」
主人公は6年生
とまどう放課後を舞台に
悩む主人公が本を薦められる
という設定で児童書作家4人が競作したアンソロジー
《大切な人へ、本をすすめる、4つの物語》──帯のコピー
『なみきビブリオバトル・ストーリー』のさ・え・ら書房から、2020年3月刊
『ざわめく教室 編』も同時刊行
本が本をよび、本の世界がひろがっていく本たちに期待 -
本をおすすめする物語4編。
『星の王子さま』、『モモ』をテーマにした2編は、読書感想文としても読める。こんな文章を書いたらいいのでは、というお手本みたい。 -
おもしろいけれど、子どもにとってはどうなのか。気になる本があれば、そこから読書が広がるかもしれない?
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なぜだろう、こんなにどきどきするのは。知りたい。この本を分かちあいたい−。飛行機の話になると夢中になる、となりの席の子を描いた「赤いコードロン・シムーン」をはじめ、大切な人へ本をすすめる、4つの物語を収録する。
目次
「赤いコードロン・シムーン」森川成美
「たそがれ時の魔法」高田由紀子
「走っていくよ」松本聰美
「ぬすまれた時間と金色のパン」工藤純子
コロナ禍で、ストレス過多でしたが、それに感けてられないくらい、良書をご紹介くださり有り難うございました...
コロナ禍で、ストレス過多でしたが、それに感けてられないくらい、良書をご紹介くださり有り難うございました!
来年も、宜しくお願いします。。。
新しい年が明けました。
今年もよろしくお願いします♪
わざわざご挨拶にいらしたのですね。気が付かなくて失礼しました。
い...
新しい年が明けました。
今年もよろしくお願いします♪
わざわざご挨拶にいらしたのですね。気が付かなくて失礼しました。
いえいえこちらこそ、です!
猫丸さんのご紹介のおかげで、読みたい本がどーっさり増えました。
たくさんの良書に出会い、たくさんのお話ができたらと思います♡
にゃ〜ん
尾崎真理子「ひみつの王国」の或る部分を再読しようとして、どんどん遡って最初に戻っている、、、今年の一年を予想さ...
にゃ〜ん
尾崎真理子「ひみつの王国」の或る部分を再読しようとして、どんどん遡って最初に戻っている、、、今年の一年を予想されて思い遣られる。
何はともあれ、本年も宜しくお願いいたします!