I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)

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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333751

感想・レビュー・書評

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  • こちらは全員が男声作家の作品集です。
    あたりまえですが、海や空と一緒で、恋には数え切れないほどの、形、色、匂い、感触、音なんかがあって、だからこんな作品集を読めば読むほどに、恋の醍醐味やら気配やらを楽しめるわけです。伊阪幸太郎さん、石田衣良さん、市川拓司さん・・中でも私が一番やられたのは本田孝好さんの「Sidewalk Tolk」です。この発想はまず考えないですからね。どれも面白かった。オススメの一冊。読むアンチエイジング(笑)

  • 伊坂幸太郎の「透明ポーラーベア」が読みたくて再読。
    たとえ誰かと別れたり、関係が変わってしまっても、その人との歴史は消えないし、ふとした瞬間に思い出が蘇ったりする切なさに、しみじみとした。主人公の姉の歴代の彼氏らしき人が登場するが、一人目の「水平リーベ僕の船」が好きな彼氏は動物園にいたのだろうか。動物園に行って白熊が見たくなる。
    他の作品も、ちょっと懐かしい、錚々たるメンバーが書いている。他の作品も読んでみたい。
    初めて本作を読んだ際、「百瀬、こっちを向いて」が気に入って、「この中田永一って初めて読むけど好きな感じだなぁ〜」と思って『百瀬、こっちを向いて』も読んだりしていて、数年後、その正体にひっくり返るくらい驚いたのが、忘れられないよい思い出だ。

  • 伊坂幸太郎さんの作品が読みたくて手に取りました。

    男性が書く恋愛小説のほうが爽やか且つ共感できる部分が多くて好き。
    伊坂さん以外の方の作品もさらりと読める上に、後味が良いので満足できました。

    特に好きだったのは「透明ポーラーベア」と「百瀬、こっちを向いて」です。
    オススメ度の高い短編集でした。

  • 男性作家6人の恋愛短編集。
    有名な作家さんともあってどれも秀悦なのにびっくり。切り口もそれぞれで様々な恋愛模様が垣間見られたのがいい。

    伊坂幸太郎さんはやはり安定の面白さがあるし中田永一さんは再読でもぐっとくるものがあって。胸にじわじわと切なさが迫りくる本多孝好さんは初読みだったけどかなりお好み。アンソロジーという形式、悪くなかった。

  • なにこの優しくて心地よい短編。良すぎる。繋りというキーワード。やはり伊坂さんの短編は秀逸で心揺さぶられる。伊坂さんの短編は間違いないね。さすがだわー(ノ∀`)

  • ◇透明ポーラーベア(伊坂幸太郎)
    独特の文体がとても心地よく、主人公の姉の彼氏だった人と動物園で再会する、
    という設定に引き込まれました。
    最後まで姉と姉の元彼と主人公とその彼女の関係が気になって、夢中で最後まで読みました。
    さりげなく姉の歴代の元彼のエピソードを紹介したずっと後に、
    さりげなく特徴のあるキャラクターが描かれ、実は歴代の元彼たちだったのでは、という伏線の回収の仕方もすごいなあと思います。ミステリー要素のあるお話だと思いました。

    ◇魔法のボタン(石田衣良)
    小さい頃から気心のしれた男女のふたりが、男性の視点で優しい口調で語られていて、
    独特の世界観で素敵だなあと思いました。
    ずっと20年間も良いお友達同士として過去の恋愛話をしたり飲んだり、
    という間柄から、じょじょに女性らしさを出す女性と、そんな彼女に惹かれていく男性が
    とても可愛いお話でした。

    ◇卒業写真(市川拓司)
    スタバで中学の同級生と再会した主人公の女性視点のお話。
    当時のままのふっくらした柔和な男性に変わらないね、というと意外そうな顔をされた、
    というような伏線が仕掛けられていて、読み進めていくうちに予想外の結末で楽しかったです。
    二人とも魅力的なキャラクターで、読んでいてほっこりしました。

    ◇百瀬、こっちを向いて(中田永一)
    学校中で人気のある幼馴染をもった、クラスでは地味で目立たないグループにいる主人公。
    そんな彼が、美人の彼女を持つ幼馴染のことが好きな女子に、つきあうふりをしろと言われ、手伝うことに。
    そうしているうちに段々その女子を好きになってしまって、、、という内容で、すごくおもしろかったです。
    そして、あげた花言葉の意味から、
    数年前の浮気にとっくに気づいていた幼馴染の彼女の描写がおもしろかったです。
    主人公たちの仮面カップルの行方が気に入り、この話は単行本で探し出して購入しました。

    ◇突き抜けろ(中村航)
    週に三度電話をかけあう男女の物語、という設定がいいなあと思いました。
    破天荒なキャラクターに振り回される主人公たちがおもしろかったです。
    独特のルールがある付き合い方をしている登場人物たちの物語はとても魅力的だなあと思いました。
    主人公の、青年らしい悩みにぶつかっていく姿勢に好感が持てた作品でした。

    ◇Sidewalk Talk(本多孝好)
    別れの前兆がある前提から物語が始まり、男性が昔を回想しているという展開がおもしろかったです。
    二十歳のころに、つけていた香水を嗅いで、そのときの記憶を思い出したところからの物語の進行がとても良いなあと思いました。
    大人同士なんだけど、男性もかわいいし女性もかわいい作品でした。

  • アイラブユー。男性作家が書く短編恋愛小説。

    豪華な作家陣…映画化もされるみたいです。


    特によかったのは、やはり伊坂幸太郎さん。素直な恋愛ストーリーではなく、こうきたかと思わせるストーリー。繋がりを感じる話。素敵でした。

    あとは中田永一さん。始めこの人誰だ?と思っていたんですが、乙一さんが別名で書いたものみたいです。なんだ…恋愛物も書けるんじゃないか!憧れの先輩に頼まれた表向きだけの彼女。いつしか本当に好きになる。人間レベル2の主人公が初めての経験をする淡い感じ。すごくよかったです。

  • 有名な作家の短編集。
    誰かを目当てで買って、
    新しい世界に出会える。
    たまにはこういうタイプの短編集もいいな。

  • 伊坂幸太郎は「ユニーク」、石田衣良は「男女」、市川 拓司は「思い出」、中田永一は「青春」、中村航は「絆」、本多孝好は「現実」。それぞれの作品を一言で言ったらこんな感じ。

  • 男性作家の恋愛短編小説集。

    これ以上ダラダラと愛だ恋だと書くとうんざりするがちょうどよい長さの読みきりもの。

    伊坂氏の作品は素敵。

    でも・・男ってやっぱりけっこう引きずるんだね・・・恋(^_^;)

  • 「魔法のボタン」!!!何〜あのエモい関係は!!
    「卒業写真」もあるあるそうなシチュでクスッと笑っちゃったなぁ〜。でもどこまでもピュアだ!!
    「百瀬、こっちを向いて」これが一番好き!!

  • 恋愛って、必ずしなければいけないものだと思ってた。「進学受験・恋愛・就職」がセットになってるような感じで。それにとらわれすぎて、自分を惨めに思ってしまうこともたびたび。この本を読んで、恋愛って台風とか自然災害のようなものなんだな、と。突然やってくる、そして、すぐに温帯低気圧になったり、去っていったり。それから、「人付き合い」の延長線上なのだろう。人間付き合いの仕方に、新たな発見を見つけた1冊。

  • 百瀬こっちを向いてを読みたくて

  • 記録用。8年前くらいに読んだからほとんど覚えてない…
    卒業写真と百瀬、こっちを向いてがよくて、百瀬は文庫化をすぐ買った記憶ある。

    そして、突き抜けろも記憶に残ってる。

    ~世界中を廻るギブ&テイクの中で、僕はこれからも何かをなそうとするだろう。
    どれだけ慎重であろうとしても、僕の怠惰や欲望は誰かを傷つけてしまうだろう。そして何度も自分に失望するだろう。
    だからいつまでも覚えておきたいと願った。~

    あたしも、覚えておきたいと思った。


    透明ポーラーベアはさすが伊坂さんだなって感じ
    相変わらず、悲惨で残酷なことを題材にしていても、匂わせず気づかせず、フラットに楽しく書くのが得意だね。

    お姉ちゃんが結局どうなったか。
    ちゃんと書かれているのに、グロテスクな匂いも悲しい気持ちも湧き上がらない。

    透明ポーラーベア。
    白熊の毛って透明なんだね。

  • 同時に読んだFrendsに比べて、著者が男性だと偏見だと思われるが少しドラマティックな話が多いような気がする。
    オススメ作品は”魔法のボタン”。

  • 気鋭の書き手によるアンソロジーだけある。どの作品も流石その作者って感じで、一番はたくさんあっていいんだと思わず唸ってしまった。やっぱり短編もいいね!

  • ご多分に漏れず、コータロー目当てで買って、ホンダにまいったくち( ´ ▽ ` )ノ。
    コーちゃん以外は石平くらいしか知らなかったけど、男作家ばかりで恋愛オムなんて企画は非常に珍しい(゚д゚)!(女作家ならザラだけど)
    六者六様の理想の恋愛・彼女観を拝見できて楽しかった( ´ ▽ ` )ノ。
    文章も多彩( ´ ▽ ` )ノ。


    コーちゃんのやつは、いつも通りといえばいつも通り、それ以上でそれ以下でもなかった( ´ ▽ ` )ノ。

    石平の、他の人よりちょっと年配者らしく、遊んでる感じ( ´ ▽ ` )ノ。筆先に余裕がありますな( ´ ▽ ` )ノ。

    イッチの……どんな話だっけ? 2日で忘れた……(´ェ`)ン-…。

    エーちゃん、この人は小説的文章力がかなり低いな(>_<)。謎の覆面作家らしいけど、実は単なる素人なんじゃない?ってくらい(´ェ`)ン-…。お話も今ひとつ(>_<)。

    ナカムラくんは、それと対照的にかなりな文章力( ´ ▽ ` )ノ。本書で一番の収穫かもしれない( ´ ▽ ` )ノ。まあ、恋愛小説ではないけどね( ´ ▽ ` )ノ。

    ホンダさんのは、ありがちといえばありがちなお話・シチュエーションなんだけど、うまいな( ´ ▽ ` )ノ。切ない( ´ ▽ ` )ノ。焼けぼっくいに火がつくといいね( ´ ▽ ` )ノ。


    全体としてみると、企画はよし、人選は75点、タイトルは最低ってとこかな( ´ ▽ ` )ノ。
    恋愛ものは決して好みじゃないけど(じゃあ買うなよ)、ほとんど抵抗なくスラスラ読めた( ´ ▽ ` )ノ。
    まずは一番人気のコーちゃんとベテランで直球勝負、捨て玉ふたつ挟んで、変化球で追い込み、最後はまた直球でズバリと決める、という編集もおみごと( ´ ▽ ` )ノ。(カウントはあってないけど)
    もちろん、ぜんぶ傑作なら最高だけど、そうもいかないのがこの世の中ってもんだからね( ´ ▽ ` )ノ。


    2016/09/11

  • 市川拓司の「卒業写真」が面白かったし、伊坂幸太郎のはラストがよかった。
    全体的にピュアな恋愛アンソロジーだった。

  • 東名ポーラーベアの偶然による最後のシーンがとても印象的でした。姉の彼氏がみんなキャラが濃いです。
    魔法のボタンの萌枝のだんだんと努力して女の子になっていくさまがかわいくて、でも中身はおっさんで素直であけっぴろげでそこがまたかわいかった。
    卒業写真は変わりすぎたかっこよかったひとを違う人と勘違いし、そこからの彼の追い上げが凄い。勇気振り絞ってる感が伝わりました。
    百瀬~は先輩がほおずきを渡したときに気付きました。押し隠してお互い付き合って結婚して、気付いてることを知らずに痛みを背負いながら生きていく彼と、それを知っていて何も言わず幸せな生活を続ける彼女というのは幸せなのかどうか。そして百瀬と二人が今後どうなるのか気になります。
    突き抜けろの木戸さんはまさに突き抜けた存在で、通り過ぎるくらいでは気が付かないけれどひとたびその存在を意識すると気になって仕方なくなりそうです。
    sidewalk~は、もう少し歩いてよりが戻ればいいのにと思うほど惜しい二人かなと。

  • 伊坂さんの短編目的で手に取ったけれど、どの話もぐっとくる。中田永一さん、本多孝好さんの作品も良かった。

  • 伊坂さん本多さんに惹かれて。終わりを描いた、本多さんのが一番しっとり沁みた。

  • 男の人が書く、恋愛小説。

    甘くなくて、良かった。

  • 読んだあとに死にたくなるが、それは読者側に問題がある

  • 伊坂幸太郎さんの短編がすごく好きです。

    他のお話も、わりと読みやすくて良かったです。

  •  6人の小説家が「恋愛」について書いた短編集。元々、伊坂幸太郎の1編に魅かれて買ったんだけど、他にもなかなか良いのがあった。
     イチオシは「池袋ウエストサイドストーリー」の石田衣良の「魔法のボタン」。幼稚園から20年にわたるつきあいの女性は飲んだくれで色気なし。でも何度か「飲みデート」を重ねたら...って話だけど、肩の骨の先の「魔法のボタン」が大きな意味を持ってきます。終わりも含めて、ほのぼのとする読後感。
     中田永一の「百瀬、こっちを向いて」は尊敬する先輩から、二股を気づかれないように2番目のGFの彼氏役を頼まれたオタクくんの話。あり得ないシチュエーションだけど真に迫ってた。最後、ハッピーエンドにしてあげたかったよね。
     最後の1編、「Sidewalk Talk」は結婚5年で離婚を決めた夫婦の最後の晩餐の話。吉田拓郎の「外は白い雪の夜」をちょっと思い出させるしんみりとした話。
     こういうアンソロジーはあんまり読まないんだけど、たまにはいいよね、と思わせてくれる一冊でした。

  • うおお中田永一いるじゃん!と思って読んだら百瀬だった…ので少し残念でしたがそれを抜いてもいいアンソロジーでした。

  • 「百瀬こっち向いて」目当てで読んだ恋愛短編集。「百瀬こっち向いて」も良かったのですが、伊坂さんや本多さんも面白かった。

  • 個人的に「魔法のボタン」と「卒業写真」と「Sidewalk Talk」が、特に好きだなと思った。

    「魔法のボタン」は、恋をして、誰かを好きになって、相手にも好きになってもらえる・・・。そのことがすごく幸せなことなんだと深く感じた作品でした。

    「卒業写真」は、何年か越しに出会い、再会する前よりも、その人のことをもっと好きになることができるって、何だか素敵だなと思った作品だった。

    「Sidewalk Talk」は、別れの話だけれど、それと引き換えに、新しい希望を感じさせてくれる作品だった。

    別れを選んでも、そこですべてが終わるわけじゃない。
    最後の最後に、相手と出会ったことを、心から喜べることは、素敵なことだなと思いました。

  • 伊坂さん目当てで購入。伊坂作品をいくつも読んでいる人には、ライト過ぎると思います。そもそもこの人の良さは恋愛小説では発揮されない気がするし。

    他は「魔法のボタン」、「卒業写真」、「Sidewalk Talk」が良かったです。本多孝好さんは短編で2作目ですが、ストーリーや登場人物の雰囲気がすごく好きです。優しさと思いやりに溢れた、繊細な感じ。大切な人を想う時の、あの感覚を読みながら味わえるような気がします。

    心が浄化されるような、ピュアな1冊でした。

  • 私が特に気に入ったのは
    『透明ポーラーボア』
    『百瀬、こっちを向いて』

    『透明ポーラーボア』は『魔王』や『重力ピエロ』の著作者として有名な伊坂幸太郎

    “シロクマ”と言う一つの“ポイント”を通して一つのテーマ―『人との縁』について話を持って行っている。
    その流れがごくごく自然で違和感がない。
    特に“どうしてこういう日がないのか”と言う例えがとても興味深かった
    “シロクマ”が大好きだった、今はいない行方不明中の僕の姉
    彼女は一体どうしたのだろう。あれは姉だったのだろうか


    『百瀬、こっちを向いて』は特徴ある人物たちが印象的だった
    主人公としては珍しい『消極的で何をとっても並以下』の性格
    その主人公が一人の所謂“尊敬する先輩のもう一人の彼女”と言う少女との交流を通して少しずつ変わっていく
    この話の中で変わっていったのは何も主人公の僕だけではない
    彼に関わる宮崎先輩、神林先輩、そして百瀬
    彼らも少しずつ変わっていっている。特に実は神林先輩が…と言うところである

    興味があるなら読んでほしい

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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