陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫 い 14-2)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396335212

感想・レビュー・書評

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  • 陽気なギャングは三つ数えろを読んで、せっかくだからシリーズをもう一度遡ろうと思った。


    バンドが好きだ。
    伊坂氏のあれは、重力ピエロだっただろうか
    「ビートルズは解散しただろ、ボブディランは解散しないぞ。」

    「そりゃ、そうですよ」

    というやりとりが好きで。

    そのバンドの一人一人が、ソロで楽曲を奏でるような軽快さが、好きだ。

    一つ一つの楽器が組み合わさっていって、やがて一つの曲になるような、そういう音楽的な爽快感。

    二人の組み合わせも、これはこれで新鮮で面白くて、つまりどのパートもすべて好きだということで。

    こうして振り返って見ると、9年の間に、伊坂氏はちゃんと腕を磨いていたんだな、と思う。

    比べて、リズムが洗練されている。

    なんかもう好きすぎて
    エンドレスでリピートするみたいに、シリーズをぐるぐる読み続けてしまいそうで、怖い。

    • はるけるさん
      このシリーズは1作目しか読んでなかったのですが、2作目以降も読みたくなってきました。
      このシリーズは1作目しか読んでなかったのですが、2作目以降も読みたくなってきました。
      2018/10/22
    • 大野弘紀さん
      >8fe09cafd04892bfさん

      ありがとうございます。作風と言うか、構成が変わっているので、また違った楽しみ方がありますよ。音楽性...
      >8fe09cafd04892bfさん

      ありがとうございます。作風と言うか、構成が変わっているので、また違った楽しみ方がありますよ。音楽性が変わらないバンドの、ファーストとセカンドみたいな感じです。
      2018/10/23
  •  このシリーズは安定の面白さのおかげで、安心して読むことができる。伊坂さん苦手な人でも、ギャングシリーズなら大丈夫ではないだろうか。
     銀行強盗グループという犯罪者集団であるにも関わらず、誘拐された社長令嬢奪還に奔走する彼らはもはや正義のヒーロー。ギャングたちの日常を描くスピンオフ的な第一章が、ちゃんと伏線になって二章以降へつながっていく展開はさすが。鮎子の話と幻の女が面白かった。柔道部に連れ去られるシーンは、少しモリミーっぽくてクスッと笑える。

  • 響野と久遠のやりとりが最高に面白い。
    会話がまさに小粋。
    田中はMVP。
    そして成瀬がやっぱり大好き。
    成瀬からは、周りの人たちへの静かな、でも深い愛情を感じる。
    登場人物みんな成瀬が大好きだと思う。
    久遠が「(成瀬は)すごくいい人で、頼りがいもある」と言った時思わず嬉しくなり、その後成瀬が田中の所に行った時の「うるさいおじさん(響野)は俺も苦手だが、久遠はいい奴だ」のセリフ、両思いじゃん!!ってきゅんとしたw
    ところどころ、ほんとにほっこりする。

  • ただただおもろいわ。

  • 『陽気なギャングが地球を回す』の2作目。
    ギャング4人組の連作短編が寄り合わさりながら2章、3章へ。今回は前回の失敗を踏まえた銀行強盗をしたはずが、誘拐事件を解決することになり…

    響野さんのセリフと全員の苦笑&総ツッコミが好きすぎて、好きな文を引用しようとすると大変なことになるので自重するくらい好き。がっつり驚きの伏線は少なめだけれど、物語がトントンと転がっていく様は読んでいて気持ちよい。

  • すごい期待をしていたが、私の期待以上の作品だった。
    すてきなギャング達、最高でした。
    映画化はどんな感じだったんだろうと気にはなっているが…私の頭の中のイメージとズレてしまうと怖いから観ないでおこう。
    響野が実際に友達でいたら、面倒かもしれない。でもやっぱり愛すべきキャラクター。

  • 再読。
    銀行強盗シリーズ二作目。今作は、各々が遭遇する不可解な出来事から物語は始まり、本丸の誘拐事件に巻き込まれていくストーリーとなっている。
    前作とは少し構成が異なりミステリー要素も加わっているため、続編ではあるものの新鮮な気持ちで楽しめた。「木は森に隠せ、って言うだろ。失敗は大失敗に隠すんだ」他、響野さんの迷言が随所で光り、成瀬さんのメタ発言にはくすっと笑えた。最後のオチが見事で、ページを行ったり来たりしては素晴らしいショウを観たあとの高揚感と余韻に浸る。もっとこの世界にいたい、終わるのが惜しいな、と読むたびに思う。

    軽妙洒脱でお人好しだけれど、悪党らしく冷淡な面もある銀行強盗たちから目が離せない。待ちに待った三作目へ。

  • 銀行強盗四人組が、銀行強盗をやっていない時の日常を描いた物語でした。前作に登場したみなさんが一人一人身近な困りごとをなんとかしようと奮闘します。
    これは、モンキーパンチさんが描いた『ルパン三世』の銀行強盗版といえばわかりやすい作品かもしれません。全員が犯罪者でありながら、憎めないキャラクターで応援したくなります。できれば、前作品を読んでから本書を手にした方がより楽しめると思います。

  • 優しさとユーモアに満ち溢れていました。読み終わってないのに3つ数えろ買ってしまいました。素敵なお話です。

  • 前作の『地球を回す』が面白かったので、続編も期待して読んでみたら、前作よりも面白くて大好きな内容だった。お節介なギャングたちの行動すべてから目が離せない。世界のジョーク集を読んでいるような彼らの会話が本当に大好き。ずっとワイワイと会話を続けてほしいと思ってしまう。とくに、響野と久遠、響野と成瀬の組み合わせの会話(ほとんどがこの組み合わせだけど)が、言い回しやオチが面白くて、何度でも読みたくなる。こういう会話をサラリと書ける伊坂幸太郎さんは、天才だ。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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