- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396633462
作品紹介・あらすじ
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。空き室あります!安譜請ですが、人肌のぬくもりと、心地よいつながりがあるアパートです。うまい、深い、面白い。三拍子揃った会心作。
感想・レビュー・書評
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おんぼろアパート木暮荘に住む人々の人間ドラマ
読んでいくうちにじわじわとくる作品でした。
重すぎず軽すぎず…話に共通するのは性事情。
セックスに関するあれこれも三浦しをんが書くと
不思議といやらしさがない。
しをんさん短編も上手いなぁ_φ(・_・
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舟を編むを蔵書しているが積読状態で、三浦しをんさん、初読み。
木暮荘に暮らす住民とそれを取り巻く人達の話。じゅうみんが皆、それぞれに濃いけれど、素敵。
人には3大欲、食欲、性欲、睡眠欲。
私はお腹が空いたり、眠いときは無口になる。性欲がみたされないからといって、無口にはならない。
そして、お腹すいたら、おなかすいたーと、高らかに叫び、眠いときは、眠いと叫ぶ。
性欲だって同列なら対応は同じでいいけど、やはりそうじゃなく、性欲は一人では満たされないからちがうのか?
木暮荘の住民がひとつの家を作り、助け合って暮らす姿がいい。住んでみたいなと思う。
ひとりひとりの住民の悩みをみんなでそれなりに解決しながら、尻切れトンボにならずにすすめるのがいい。元気をもらった。
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アパートで恋人と過ごす幸せな時間。とそこに突然の来訪者が…なんと3年前に同棲していた元彼氏。突然放浪の旅に出て失踪したにも関わらず、まだ恋人のつもりであるらしい…。
繭と晃生の困惑はよく分かるけど、並木がまた憎めないキャラクター。奇妙な3人の日々が始まる。
木暮荘大家の木暮老人は瀕死の友から(----モニャモニャ)の欲求を呼び起こされ、俄然と、猛然と、燃えさかるようにたぎるように、それに男のロマンを賭け…
トリマーの美禰はホームの柱に生えた不思議な突起物の観察を続ける。いつしかそれはアレそっくりに成長して…
浮気に勘付いた妻は、それ以来夫の淹れたコーヒーを妙な味に感じ、浮気現場を突き止めようと躍起になるが…
階下の女子大生をこっそり覗く楽しみに目覚めた冴えない男は、次第に彼女へ不思議な感情を募らせ…
階下の女子大生は産めない身体を持て余して奔放な生活を続けているが、友人に託された赤ん坊に母性を感じ…
新彼氏と幸せそうにしている元彼女を諦めきれず半ばストーカー化する並木は、見咎められたご縁から別の女性宅に居候するが…
個性豊かな木暮荘の住人たちとそれを取り巻く人々。やっぱりしをんさんはいい。なんとも言えないこの味わい。 -
おんぼろアパート木暮荘の住人にまつわる連作短編集
とても人間臭くて、クスッと笑えて、ちょっと切なくて
ますますしをんさんのファンになりました
7作品とも何らかの形でセックスの話題が出てくる何
ちっともいやらしくなくて、とても自然な感じ、人間的
私的には、「柱の実り」と「穴」が好きかな -
オンボロ木暮荘の壁は薄い。
たまに見かけるだけの隣人とは
言葉を交わすことも無いけれど、
生活音は丸聞こえ!
あの時のあんな声や、こんな行為、
抱いているどんな思いも全て筒抜け。
しをんさんはさらに
そのうっすい壁まで蹴破り(←そんなイメージ)
理性や品性やその他なにやらの向こう側にいた
セックス、という行為を
白日の下に引きずり出してきちゃった。
見えないセックスは
いやらしい感じしかしないが、
見える(?!)セックスは
おかしくて、哀しくて、愛おしくて、
あたたかくて、優しくて、泣けた。
最高に面白かった♪ -
大家の木暮さん、おじいちゃんになってもセックスしたくなったりするんだなぁ、わいまだ四十代やけど全くそんな欲望なくなってしまったなぁ。
そして木暮装の住人は癖が強すぎるから住みたくはないですなぁ。遠巻きに見てる位が丁度良さそう。 -
いや、おもしろい。おもしろすぎてびっくりした。
最初の、3年間音沙汰なしだった並木が突然放浪の旅から帰ってきて、
繭と晃生の平和の日常にするりと入り込んでしまう奇妙な三角関係の話に
なんかほのぼのしたのに。
次の話で、小暮荘のオーナーであり管理人である小暮さんは
この手の人情ドラマでは好々爺でなければならない役回りの人だってのに
なーにを考えているんだ。
でもそのユーモラスな悲哀さ加減が愛おしい。
しかしだ、将来年老いた妻になるべき我が身に置き換えれば笑ってもいられない。
そりゃあ他の人に求められたら癪だけど、受け入れられるか否かは、
その時まで解くことのできない、ひとの不思議ですね。
さらに、駅の柱に何か生えたり、コーヒーが泥の味だったり、覗き覗かれたりしながら
直接的下ネタがオンパレードなのですが、
切なかったりあたたかい気持ちになったりするんだよね。
覗き魔神崎の心情は、なかなかに共感。
物語を読むという行為は、他人の生活を俯瞰して覗き見することと似ている。
光子とはるかの1週間の親子生活はいいはなしだなー。
最後の並木とニジコの話は、謎のふたりの本音が痛くて儚い。
とにかく個性的な人が個性を発揮して本音を語ってくれます。
それぞれの目線で見ると平凡な毎日がこんなに多彩で複雑だとは。
読み進むうちに登場人物がどんどん立体化してきて存在をくっきりと感じられました。
待っている人がいる明かりの灯る窓のある部屋を見失わないように、
年を重ねていきたい。 -
かなり、年期の入ったボロアパート「木暮荘」
そこに住む人たちの「性愛」についてのお話。
かなり、初めは衝撃的だったが、人それぞれの恋愛を垣間見てるようで、少し恥ずかしい気持ちが…(゜゜)~
みんな、個性的過ぎて驚き、ひいてしまうところもあったが
このような生き方もありなんだなあ・・・と感じられる所もあり
笑いあり、面白さあり、深さありの三拍子です(●^o^●)
老人の性欲とか穴から覗き見とか
笑っちゃう
ホントに重すぎず軽すぎず…
ですね
老人の性欲とか穴から覗き見とか
笑っちゃう
ホントに重すぎず軽すぎず…
ですね
でもその後の女子大生の事情に切なくなって…
そのあたりが上手いなぁと_φ(・_・
でもその後の女子大生の事情に切なくなって…
そのあたりが上手いなぁと_φ(・_・