少女たちは夜歩く

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 325
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537306

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。独特の趣きがあり、魅了された。

  • 読み終わって言葉が見つからない。敢えて言うならば、因果応報の連鎖かな。沸き起こり、心から離れることのない情念に取りつかれた人々。その感情のいなし方、行動のパターンは、遺伝由来の賦質からか、それとも後天環境によって変えられたものなのか。否定してもこの体にあの血が流れ巡る性。宿命か、神のなせる業か、人がコントロールしえない筋書きが綴られた短編の数々。倫理の一線を越える様子が、あたかも自然に違和感ない筆致で、でもそこには幻を見ているような違和感が残る。何ともアンビバレントな感覚でそれがこの作品の魅力でもある。

  • 街の中心にある城山の魔界にからめとられ、闇に彷徨う人々。悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのか―ミステリーからホラー、ファンタジーまで越境する魔術師・宇佐美まことの到達点!(e-honより)

  • 久々のホラー。
    ゾゾーっとしたわ。森の暗さがそうさせるのか。

  • 宇佐美まこと氏3冊目にして、氏の描かれる物語に囚われる。
    四国、松山の城下町を舞台にした短編風に描かれた10編が
    少しだけの謎と結末を迎えないままリンクしていき、
    最後の『おわりのはじまり』で全てがひとつに繋がっていく妙。
    人が陥りやすい弱さや狂気、人の負に連鎖されるように
    起こる怪異を本当に丁寧に物語と昇華される。
    いつのまにか松山の街に私自身も佇み、
    暗い森の中へと歩いていくような錯覚を覚える。
    またまた、もっと他の作品も読んでみたいと
    思わせる作家のひとりと巡り会えた。

  • 一つ一つが奇妙な物語。そして、登場人物が
    少しずつ繋がっていて、どのお話も「町の真ん中に鎮座する真っ黒な山」が怖さを醸し出している。少しずつ明らかになっていく登場人物の行く末と正体。しかし、恐怖の象徴である山の謎はわからぬまま……。負の連鎖の原因はなだったのだろう?人間の闇が死を招いていたように感じた。

  • 松山城下を舞台にした、心がザワザワする短編集。短編集だけど全体が繋がってる構成は昔から好きなんだよねえ。たくさんの人物関係や出来事の前後関係を詰めていく過程が好きで。前作の「骨を弔う」よりこっちのほうが面白かったと思う。

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著者プロフィール

(うさみ・まこと)1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。著書には他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』『ドラゴンズ・タン』などがある。

「2023年 『逆転のバラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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