- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408537306
感想・レビュー・書評
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面白かった。独特の趣きがあり、魅了された。
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読み終わって言葉が見つからない。敢えて言うならば、因果応報の連鎖かな。沸き起こり、心から離れることのない情念に取りつかれた人々。その感情のいなし方、行動のパターンは、遺伝由来の賦質からか、それとも後天環境によって変えられたものなのか。否定してもこの体にあの血が流れ巡る性。宿命か、神のなせる業か、人がコントロールしえない筋書きが綴られた短編の数々。倫理の一線を越える様子が、あたかも自然に違和感ない筆致で、でもそこには幻を見ているような違和感が残る。何ともアンビバレントな感覚でそれがこの作品の魅力でもある。
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街の中心にある城山の魔界にからめとられ、闇に彷徨う人々。悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのか―ミステリーからホラー、ファンタジーまで越境する魔術師・宇佐美まことの到達点!(e-honより)
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久々のホラー。
ゾゾーっとしたわ。森の暗さがそうさせるのか。 -
宇佐美まこと氏3冊目にして、氏の描かれる物語に囚われる。
四国、松山の城下町を舞台にした短編風に描かれた10編が
少しだけの謎と結末を迎えないままリンクしていき、
最後の『おわりのはじまり』で全てがひとつに繋がっていく妙。
人が陥りやすい弱さや狂気、人の負に連鎖されるように
起こる怪異を本当に丁寧に物語と昇華される。
いつのまにか松山の街に私自身も佇み、
暗い森の中へと歩いていくような錯覚を覚える。
またまた、もっと他の作品も読んでみたいと
思わせる作家のひとりと巡り会えた。