黒鳥の湖

  • 祥伝社
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本棚登録 : 352
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635824

感想・レビュー・書評

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  • 話の展開が面白くて自分が想像していたさらに先を行ってました。もしやこの人が犯人なんじゃ!?と思っていたのですが(当たってましたー!)こういうことだったのか!とあとからいろいろ繋がってきて納得。後半は、特に一気読みでした。
    美華ちゃんと娘が同い年、しかもバレエをやっているなど共通点がありドキドキしながら読んでいました。
    宇佐美まことさん...はじめての作家さんでしたが、他の作品も是非読んでみたいです。

  • インパクトには欠けるものの、広げられた個々の題材がどう繋がりどう収束するのか…予想できた箇所も含めて興味が尽きない、読ませてくれる作品だった。

    相反するものは常に背中合わせ。ふいに反転する瞬間、善意だと信じる悪意、歪んだ判断力で選り分けられるその怖さが心に残る。
    そして黒い過去に囚われた人生、白い未来を必死に求め足掻く姿…再生の物語はやるせなさ、哀しみもしっかり残す。
    章タイトルがこれまた印象的だった。声に出してつぶやきたくなる雰囲気を漂わせる後半の章タイトルに特に心が疼く。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      宇佐美さん、どこかで聞いたような…
      くるたんが紹介してくれたかな?
      インパクトに欠けるんだね。
      でもく...
      こんばんは(^-^)/

      宇佐美さん、どこかで聞いたような…
      くるたんが紹介してくれたかな?
      インパクトに欠けるんだね。
      でもくるたんのレビュー読むとすごく面白そうに感じるわ(⁎˃ᴗ˂⁎)
      今年もたくさん紹介お願いします♪
      2020/01/12
    • くるたんさん
      けいたん♪おはよう♪

      そう、宇佐美作品はおススメしたい作品が多いよ♪
      私は短編が好きかなー。

      こちらこそまたいろいろ教えてね٩(ˊᗜˋ*...
      けいたん♪おはよう♪

      そう、宇佐美作品はおススメしたい作品が多いよ♪
      私は短編が好きかなー。

      こちらこそまたいろいろ教えてね٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
      2020/01/13
  • 宇佐美さんの本3冊目。
    そして、3冊ともはずれなし。

    たくさんの伏線や細い糸が最後きれいに繋がって、いろんな謎がスルスルと解けていくようで爽快。
    登場人物全てに表の顔と裏の顔があり、意図して秘密の顔を持った人、意図せず持った人もいて嫌悪と同情が入り乱れ。

    7月からWOWWOWでのドラマ化。タイムリー。見ないけど。
    読み終わって、ドラマのキャストを見てニマニマ。
    若院がV6の三宅くん。ほほーなるほど。大黒様の財前直見は綺麗すぎて微妙だな。

  • 圧巻、言葉がない。何というか、もの凄い作品を読んだというより「読まされた」ことに圧倒されている。
    行間はぎちぎちのミステリで充たされているのに、すべてを見渡し終えると、入念かつ綿密に構成=計画され、あらゆるジャンルを跨いで描かれた作品であることに度肝を抜かれた。
    読み進めながら、ずいぶん大風呂敷を広げているなと感じていたが、全ての伏線が一本の糸を撚り合げるように回収され、作者の胆力と力量に驚愕する。
    必読の書!

  • 因果応報、しかも自分がやったことの報いが、自分に直接ではなく愛するものに災いが降りかかるという形でやって来たらーー。てんでばらばらだと思ったものが見事に繋がっていって、最後まで一気に読んだ。面白かった。
    今度WOWOWでドラマ化するというので楽しみ。

  • <奇>

     先日 Twitterで女流作家の近藤史恵さん( 代表作『サクリファイズ』)と福田和代さん(代表作『TOKYO BLACK OUT』)が,読者から「作者は男性作家だと思っていた」と云われた経験が二人ともある,という話題で盛り上がっているのをたまたま見かけた。

     へえ,宇佐美まことの様に女性が男性的筆名を使っている例は枚挙にいとまが無いが,女性的筆名を持った(もしくは本名?)女性作家さんをつかまえて「男性作家だと思ってた」とは一体にどういう料簡だ!? おそらくその時の作品の内容/中身から判断しての発言だろうなぁと云う事はなんとなく想像できるのだが,それにしてもお二人の筆名はどう読んでも女性だし。僕は女性的な筆名を持った男性作家の例を知らない。Twitterでの話しホントかなぁw

    ・・・と,僕は感想で本のネタバレに繋がるあらすじ的な内容には一切触れない事にしているので,ついついこういう話題になってしまう。今作はそうでもしないとつい物語の根幹にかかわる部分を書いて仕舞いそうだったのでこうなった。

     さて、事実は小説より奇なり という諺?があります。でもこの作品は小説なのに奇なところを投げやって放ったらかしたままにしている!と思いました。(宇佐美まことの作品にはどうやらそういう癖が少しずつあるような気がしてまいりました)

    まことにスマヌ。

  • 主人公一家が抱える事情を巡ってのあれこれが絡みあっての展開には悲惨な結末を予感しつつ読み進めたが、それなりの調和的結末にホッとする。
    瞑想の呼吸法や静中・動中の工夫など、仏教・スピリチュアル系の情報も興味深く読んだ。
    それにしても関係者が近くに密集しすぎでは。
    20-46

  • (図書館本)お勧め度:☆6個(満点10個)読み終えてなんか、すごく空しく感じてきた。所詮人間は自分の犯した業によって、因果応報の罪を償うものだ。この小説も、仏教的思考によってなりたっているが、たとえ、妻であっても他人には言えない秘密の積み重ねによって、負の要因が現実になっていくというお話。こう書くと難しく思えるけど、全ては自らが過去に犯した罪の報いとして娘の失踪と猟奇的な犯罪~拉致した女性の体の一部を家族に送り付け楽しむ~を絡ませて展開していく。最後にすべてが終息し円団を迎えるけど非常に悲しい結末に終わる。

  • 主人公は有名な会社の社長。
    財産もあり、家庭も順風満帆な彼だが、実はある秘密を抱えていた。
    それは、若い頃、お金がなく、今の妻と結婚したいが許されなく困っていた頃に探偵の仕事をしていた彼が仕事を通じて知り合った依頼人を利用して今の地位を手に入れた経緯。
    依頼者は自分の娘がある男に監禁され、娘の持ち物を送りつけられていた。
    その後、娘は無事帰ってきたが、娘を監禁した男をつきとめて欲しいというものだった。
    そして、それから何十年もたった今、同じような事件が起きる。
    さらに、一人娘が急にグレて家出をし、娘の持ち物が送られてくるという事件が起きる。
    娘はあの頃つかまらなかった同一犯人に監禁されているのかー。
    何故、娘は急に非行に走ったのか。
    やがて、心身共に疲れ果てた夫婦は寺の大黒さんにはまり、足しげく通うようになる。

    過去が語られていた中盤までは面白く読めたけど、現在の話になってからイマイチになった。
    読むのに割と時間がかかったため、この本の冒頭の話もすっかり忘れていて、後半でその話が出てきた時に、ああ、なるほどな・・・となった。

    何となく、言葉にできないけど、どうにも読んでいて違和感やおかしいな・・・と感じる話だった。
    登場人物の言動に、どこか私の感覚とは違う、ズレを感じるからだと思う。
    人はそんなにきれいに自分の中にある本当の姿を隠しきれるものだろうか。
    何十年もの付き合いの中でそれに気づかない、感じないもんだろうか。
    私が主人公の奥さんだったら、とてもじゃないけど自分を痛めつけた人間に関係のある所にはいられない。
    何故、この夫婦は・・・というか妻は娘に本当の事を話して捨て身で向き合わないんだろう。
    寺に行く前に。
    などなど。
    ただ、色んな事柄をきれいにまとめてるな・・・と読み終えて思った。

    この話を読むと、正義とか善とかいうのと正反対の所にある悪が実は紙一重にあるもののように感じた。
    行き過ぎた正義、偽善、それってもう善を通り越して悪に姿を変えてるって事か・・・。

  • この世で人間が一番恐ろしい。

    正しさ、善し悪し、とは何なのか。
    そういうものを考えさせられた。

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著者プロフィール

(うさみ・まこと)1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。著書には他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』『ドラゴンズ・タン』などがある。

「2023年 『逆転のバラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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