タクジョ! みんなのみち

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 606
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538129

感想・レビュー・書評

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  • 職業が同じでも、それぞれの思いがあって、それぞれのやり方があること、しっかり伝わる。
    あの人もこの人も過去に読んだ本の中に出てきた人なんだけど、どれが誰だか……毎度思う、相関図がほしい。

  • タクシー業界を 舞台にした小説です。

    ある程度は 知っていましたが

    いろいろ勉強になりました。

    今回も 続編から 

    読んでしまいました。

    前作も ぜひ 読んで見たいですね。

    小野寺作品は

    なぜか 読むと 心が ほんわかしますね。

    第三弾は きっと 出てくるんでしょうね

    期待します。

  • 新卒でタクシードライバーとなった高間夏子を主人公とした前作とは異なり、今作ではドライバーとなって4年目を迎えた夏子の同僚たちを主人公にした連作短編集。
    運転手とお客さん。
    つかの間の一期一会。
    前作ではあまり夏子とお客さんとのふれあいの温かさが足りない気がしていたので、ノリのいい姫野の話などは面白かった。
    女性ドライバーならではの悩みも、夏子の時より分かりやすく描けているし、内勤にもスポットを当てているのもまたいい。
    満を持して、ラストに夏子のエピソードが描かれるが、やはり夏子のターンはお客さんとの絡みは少なく、そこが少し残念。
    どの話にも出て来る刀根の存在が不気味。
    普段話をしないのに、突然深い話をしてくる同僚がいたら、私だったら距離を置くけどなぁ、と思ったが、東央タクシーの人は受け入れてしまうのだから、余程いい人しかいないのだろう。
    作者の作品はこのシリーズしか読んでないが、他の人のレビューを見ると悪い人は出て来ないらしいので、私の勝手な思い込みなのだろうが…
    自分もタクシーに乗れば、つい運転手さんと話をしてしまうタイプだし、運行管理者の資格も持っているし、登場人物それぞれの気持ちに「分かる、分かる」と思いながら読めて、ちょっと嬉しかった。
    夏子のタクシードライバーと言う仕事を誇りに思う気持ちも考えると、大変なことも危険なこともあるけど、いい仕事だなぁ、と思える。
    この作品を通して、タクシーだけでなく、お客様を乗せるドライバーと言う仕事をリスペクトしてくれる人が増えるといいな。

  • 小野寺作品独特の会話劇にほっこりする。
    前作の方が心に残るものがあったけれど、これもまたよかった。
    タクシードライバーの皆さんを応援したくなる本。

  •  大学新卒の新米女性タクシードライバーの日常を描いた『タクジョ!』の続編。
     今回は前作の主人公、高間夏子だけでなく、夏子の同僚たちも各話で主人公を務める群像劇となっている。物語は4月から9月までの半年間。全6話。

         * * * * *

     短いセリフによる会話で展開していくテンポのよさは健在。しかも心情描写は前作より細やかで、違和感なく読めました。

     タクシーという狭い空間で垣間見えるドライバーの、そして乗客の人生。その見せ方が小野寺さんは本当にうまい。
     さり気ない描写なのに妙に心にしみて来るようです。

     どの話もよかったけれど、特に気に入ったのは川名水音さんと道上剛三さん。紆余曲折はあってもきちんと人生を作ろうとしていました。しかも気負いなどなく淡々とした2人の姿勢に心惹かれます。

     最終話の高間夏子さんもよかった。相変わらずメンタル強そうな夏子さん。前作よりもずっと魅力的に描かれていて、タクシーの狭い空間が気詰まりで苦手な私でも、夏子さんの車になら乗ってみたいと思いました。

     次作にもおおいに期待しています。

  • 前作の主人公だけでなくその周りにタクシードライバーにも焦点を当てる短編集。それぞれの生活と仕事を淡々と描く。

    あ、コロッケの美味しい総菜屋「オカズの田野倉」はひとの中に出てくるあのお店か。

  • 読んでよかった
    タクシーのお仕事物語
    特別な大きな事件はなかったけど
    なぜか引き込まれて2日で読み終えた
    読み終わったあと
    自分も、日々の生活を、仕事を
    大事にしていこうと思えた
    シリーズ物の2冊目としなかったので
    時間を見つけて1冊目から読みたいと思います

  • やっぱり、小野寺作品が好き。文庫化してから読もうかと考えていたが、購入して正解!今作も面白かった。
    今回は、タクジョ夏子の同僚たちの視点で書かれた、短編作品のような感じ。タクジョの世界が横に広がった感じ。それぞれの人間模様が面白い。知らず知らずのうちに引き込まれる。やっぱり、小野寺作品が好き!
    最後の夏子の回で、南砂町銀座商店街のおかずの田野倉が出て来て、なんだか嬉しくなる。「ひと」「まち」と繋がりができて、嬉しくなる。この感じも、やみつきになるのかな?
    「タクジョ」を読んだ方は、ぜひ読んでほしい。

  • 東央タクシーの運転手さんのある日の出来事と、運転手になった経緯を語っている。
    タクシー運転手のイメージはおじさん〜おじぃさんで、運転がちょっと強引。女性ドライバーはまだ見かけることも少ないな。滅多に利用しないけど気持ちよく乗れる人の方が多かった。最近はキャシュレス払いが普及してるからチップとかなくなってるんだろうな。
    夏子と姫野の関係は先輩後輩以上にはならないの?いい雰囲気だけど。
    小野寺さんワールドでほっこりした。

  • 久々の小野寺さん。
    「そうそう、これ!この感じ!」読みながら小野寺さんの作風にちょっと安心。
    小野寺さんの小説は変わった人(宇宙人!笑)は出てくるけど嫌な人が出てこない。(今迄読んだ中では)
    だから読んでいて和む。心が落ち着く。

    高間さん、なんだかすごく大人になった気がする。
    チラチラと垣間見える余裕は4年間の成長の証かな?
    一期一会とはいえ、色々な人と出会う事は楽しくもあり大変な事も多々。
    苦痛を感じる事も少なくない。
    それをどれだけ自分の肥やしに出来るか…

    高間さんのこれからが楽しみ♪
    続編に期待!

    途中、横尾成吾が出てきて、最後の最後に「おかずの田野倉」出てきて一気にテンション上がったぁ(^^)
    砂町銀座商店街、おかずの田野倉ってくると「あーっ、キタキタ」ってニヤけてしまう。

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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